【書評】恋は雨上がりのように(眉月じゅん)のあらすじ(ネタバレなし)感想

作品情報

タイトル
恋は雨上がりのように
著者
眉月じゅん
形式
漫画
ジャンル
恋愛
執筆国
日本
版元
小学館
初出
『月刊!スピリッツ』2014年8月号~2016年1月号
『ビッグコミックスピリッツ』2016年8号~2018年16号
刊行情報
ビッグコミックス
受賞歴
第63回小学館漫画賞一般向け部門

あらすじ・概要(ネタバレなし)

感情表現が不器用で一見クールな17歳の女子高生・橘あきら。彼女はアルバイト先のファミレス『cafeレストラン ガーデン』の店長である45歳の近藤正己に密かに想いを寄せている。自他共に認める“冴えない男”の近藤だが、あきらはそんな彼の魅力を「自分だけのもの」として、胸に秘めた恋心を募らせていた。そんなある日、アルバイト中に起こったとある出来事をきっかけに、あきらの秘めたる恋心は大きく動き出していく。

目次

作者

眉月 じゅん まゆづき・じゅん(1983年4月27日 – )

漫画家。神奈川県横浜市出身。2007年、集英社主催・第1回金のティアラ大賞にて、『さよならデイジー』で銅賞を受賞。翌年、同作が『別冊コーラスSpring』に掲載されデビュー。2013年、『月刊!スピリッツ』にて『いろもん!』を、2014年から『恋は雨上がりのように』を連載した。

刊行情報

  • ビッグコミックス、全10巻

映画版、アニメ版関連動画

テレビアニメ『恋は雨上がりのように』

実写映画『恋は雨上がりのように』

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登場人物

橘 あきら(たちばな あきら)
17歳の女子高生。クラスは2年D組。黒髪のロングヘアーに整った顔立ち、長身でスレンダーな体躯をした少女。ファミレス『cafeレストラン ガーデン元住吉店』でウェイトレスのアルバイトをしている。普段は感情表現に乏しく寡黙。『ガーデン元住吉店』の店長・近藤に密かな恋心を抱いている。

近藤 正己(こんどう まさみ)
『ガーデン』の店長。45歳。バツイチで一人暮らしをしており、別れた妻との間には息子が1人いる。読書が好きで、芥川龍之介などの純文学を特に好む。様相や仕草は典型的な“冴えないオジサン”であり、あきらの好意には当初まったく気が付いていない。

あらすじ(ネタバレあり)

『恋は雨上がりのように』のストーリー(あらすじ)を簡単に紹介しています。この先の内容は、ネタバレを含んでいるため注意してご覧ください。

第1巻のストーリーを紹介!

橘あきら。17歳。高校2年生。
感情表現が少ないクールな彼女が、胸に秘めし恋。
その相手はバイト先のファミレス店長。

ちょっと寝ぐせがついてて、
たまにチャックが開いてて、
後頭部には10円ハゲのある
そんな冴えないおじさん。

青春の交差点で立ち止まったままの彼女と、
人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなす、
恋と青春の物語。

主人公は高校生の橘あきら。ちょっと愛想がなくてきつい印象を受けるが、実際は純粋で人見知りな美少女だ。スレンダーで長髪が印象的な彼女はそのルックスゆえにクラスの男子からは好意を持たれている。実写映画では小松菜奈が演じていて、ルックスも雰囲気もぴったりだった。

そんなあきらが一途に思いを寄せているのは、バイト先の冴えない店長。店長に対するあきらの想いは一途で迷いがなく気持ちがいい。最初は自分に対するあきらの気持ちを訝しんでいた店長もその気持ちが冗談でないことが分かる。でも子持ち、年齢差、そういうことを気にしてしまうのはやはりどうしても大人の方だ。

それにしても登場人物たちはみんな不器用だ。恋愛漫画の登場人物たちはみんなそうなのかもしれないけれどやっぱり不器用だ。それゆえ気持ちの通行が上手くいかなかったりもして歯がゆい。

本作のいいところは誰もが共感できるユーモアと、一昔前の、それこそ美内すずえとか萩尾望都みたいな文学的な描写が両立していることだ。ユーモアがくどすぎたり、文学的な描写が多すぎてうざったらしくなることもない。絶妙な配分だと思う。

第2巻のストーリーを紹介!

第1集発売直後に注文が殺到し、
異例の緊急大重版が決まった
正統派 恋愛叙情譜 第2集。

胸に秘めた想いを抑えきれず
ついに打ち明けた少女――

17歳。無表情女子高生と
45歳。バツイチの冴えないおじさん。
28も年の離れた二人の恋の行方は――!?

店長へ自らの想いを打ち明けたあきら。しかし、その想いを同僚の加瀬に知られてしまい、秘密にするのと引き換えにデートをすることになる。2つのデートの行き先は同じだけど、あきらのテンションや服装は対照的だ。

加瀬さんは嫌なやつだ。ほんとうに。ラブコメ作品に主人公の恋路を邪魔するキャラはよく出てくるけれど、その中でも嫌な奴の部類に入る。でも対比的な2つのデートはあきらの店長への想いを分かりやすくしている。

普段はクールで、言葉が少なく、その目付きとか美人特有のキツく見えるあきらが「やっぱり、女子高生なんだな」とはっきり思うくらい恋愛しているのだ。

映画の半券とかレシートまで取っておくあたりなんか読んでいるこっちが嬉しくなってくるみたい。

第3巻のストーリーを紹介!

1集6刷、2集3刷突破
老若男女を虜にして
現在、空前の大ブレイク中!!

店長への想いに胸を焦がす あきらと
彼女の真っ直ぐな瞳に心揺れる店長。

そんな2人がそれぞれ
心の奥に閉じ込めた過去の夢--

17才の少女の
一度しかない
真っ青な季節が流れてゆく

あきらは自分の想いを打ち明けた。しかし、店長はあきらの憧れの言葉を素直に受け入れることができない。3巻では店長の人柄や生活を掘り下げていくことで、「なぜ受け入れられないのか」に迫っていくことになる。

店長は45歳。17歳のあきらは自分の娘といってもおかしくないほど年下だ。店長が受け入れることのできない大きな理由なのは間違いない。

3巻では店長の趣味、生活などが明かされる。

偶然図書館で会った二人は、数日後お店の休憩室でお互いが借りた本について話をする。本に詳しい店長に対し、あきらは「すごいです」「詳しい」と尊敬の気持ちを伝える。

店長の友人である作家と比べて、あきらは「店長だって」と店長を褒める言葉を投げかけもする。だが、作家である友人と並べられた店長は「君が俺の何を知っているの」と突き放す。

店長からすれば、作家として華々しく活躍している友人と、小説家に憧れて執筆を続けたもののファミレスの店長に収まっている自分の差は大きい。

あきらの気持ちを受け入れられないのは、年齢差だけではなく、自分の境遇への劣等感だったのかもしれない。そんなことを思う巻だ。

第4巻のストーリーを紹介!

陸上部の親友・喜屋武との間に起きる摩擦。
店長がかつて抱いた夢――

思春期の少女と思秋期のおじさん
立ち止まったままの2人。
その想いの行方は…!?
今、17歳の夏が過ぎゆく――

3巻での小説のエピソードを受けてか、非常に文学的な4巻。言葉によって心情が語られていくところもあるし、逆に一切の台詞と吹き出しを排除し絵だけで描写されているところもある。

浮き彫りになったのは2人の意識のずれだ。あきらは一途に店長のことを想い続けているのに対して、店長はどこかその想いを素直には受け取れないままだ。子持ちだとか年齢差だとか。だからあきらのことを見る視線も、遠くから見守っているようなところがある。当事者なのに。やっぱりもどかしい。

第5巻のストーリーを紹介!

ユイ、吉澤、そして加瀬。
それぞれが胸に抱える 
かなわない想い。

本当に好きな人に、
ひとりの友達として
向き合ってゆくことを決めた あきら。
そんな彼女に店長は――!?

17歳。新たな季節のはじまり。

第6巻のストーリーを紹介!

「橘先輩、
こんなところで
何やってるんですか?」

陸上部の頃のあきらに憧れていた
倉田みずき。

その純粋すぎる鋭い言葉に、
心を揺さぶられつつ、
あきらはクリスマスに向けて
店長に対して“あること”を決意する。

揺れるあきらに、
店長のかける言葉は――!?

17歳。季節は秋にさしかかる――。

第7巻のストーリーを紹介!

「他にやりたいことなんて、ありません。」

周囲の声によって陸上への想いを揺さぶられるなかで、
気遣う店長と、それを突き放してしまったあきら。

ハロウィン、誕生日、海、
それぞれに自分と向き合ってゆくなかで、
店長がついに……?

そしてなんと今回、喜屋武にも恋の雨が降り注ぐ!?

17歳。季節は冬へと加速する――。

第8巻のストーリーを紹介!

(俺は、橘さんのことが好きなんだ…)

あきらへの気持ちに気付いた店長、
しかしその表情は恋の喜びとはほど遠く、厳しく、切ない。

ついにマフラーを編み上げたユイが吉澤に想いを…?
そしてあきらも!?

第9巻のストーリーを紹介!

クリスマス前にマフラーを編み上げ、
吉澤に想いを伝えたユイ。
その結果を知らぬまま、あきらは…!

季節が巡り、人も、場所も巡りゆく中で、
店長が手にするもの、
そしてあきらが見つめる瞳の先にあるものは――?

第10巻のストーリーを紹介!

橘あきら17歳。高校2年生。

ガーデンで過ごした大晦日から年が明け大雪の元旦。

部屋で一人黙々とペンを走らせる店長。

編み上げたマフラーを下げあきらは傘をさし、家を発つ。

「きっと、すぐやみますよ。」
あの出会いの日から季節はめぐり、二人が雨上がりの空に描くのは―――

『恋は雨上がりのように』ついに完結――!

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評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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