【おすすめ】奥泉光の全作品を一覧であらすじを紹介します

奥泉 光 おくいずみ・ひかる(1956年2月6日 -)

小説家。山形県東田川郡三川町出身。国際基督教大学教養学部人文科学科卒。同大学院修士課程修了。博士課程中退。1986年、すばる文学賞最終候補作となった「地の鳥天の魚群」が「すばる」に掲載されデビュー。1990年、『滝』が第3回三島由紀夫賞候補および第103回芥川賞候補。1993年、『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞受賞。1994年、『石の来歴』により芥川賞受賞。2014年、『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞受賞。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:シューマンの指
  • 2位:雪の階
  • 3位:鳥類学者のファンタジア

作品一覧リスト

『その言葉を』(1990年10月)

東京で三年ぶりに再会した、故郷の俊才の変わり果てた姿「その言葉を」。他人の怒りと攻撃性を誘発せずにはおかない、風変わりな先輩との四年間「暴力の舟」。父の葬式で一堂に会した親族たちの、幼い頃は窺い知れなかったそれぞれの事情「三つ目の鯰」。七〇年代の青春の一光景を映し出す、瑞々しい初期中篇三作。

  • 『滝』(1990年10月 集英社)
  • 『その言葉を』(1993年8月 集英社文庫)
  • 『その言葉を/暴力の舟/三つ目の鯰』(2014年12月 講談社文芸文庫)

『葦と百合』(1991年10月)

現代文明を捨て、自然との共生をめざしたコミューン運動「葦の会」。学生時代に参加し、十五年ぶりに再訪した医師・式根を待っていたのは、ブナの森深く、荒廃した無人の入植地跡だった――。理想社会を夢見て残ったはずの恋人と友人はどこへ消えたのか? そこで起こった怪死事件は果たして事故か。それとも森に潜む「誰か」が殺したのか? ミステリーとメタフィクションの完全なる融合。

『蛇を殺す夜』(1992年9月)

オペラの夜、書斎、祭りの舞台…。婚約者と熊野山中の温泉に遊ぶ青年に、執拗に襲いかかる「蛇」のイメージ。差出人不明の謎の手紙、誘惑する姉…。突然の性の不調に悩む青年の心理サスペンス。

『ノヴァーリスの引用』(1993年3月)

恩師の葬儀からの帰り道、数年ぶりに再会した男たちは酒を酌み交わす。何時しか話題は、今は亡き友人に。大学図書館の屋上から墜落死した彼は自殺したのか、それとも……。終わりなき推理の連鎖が読者を迷宮へと誘う、第15回野間文芸新人賞受賞作「ノヴァーリスの引用」。 七つの社を巡る山岳清浄行に臨む五人の少年。山岳行の背後に張り巡らされた悪意と罠に、彼らは次第に追い詰められていく。極限状態におかれた少年たちの心理を緻密に描き、傑作と名高い「滝」。 高密度のミステリ世界を構築する著者の代表作二編を一冊にまとめて贈る。

『石の来歴』(1994年3月)

現実と非現実の交錯を描く芥川賞受賞作。石に異常な執着を示す男の人生。長男の死、妻の狂気、次男の学生運動、夢と現実の交錯のなかで描かれる奥泉光の芥川賞受賞作。他に「浪漫的な行軍の記録」所収――太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。戦後も、石に対する執着は、異常にも思えるほど続くが、やがて、子供たちは死に弄ばれ、妻は狂気に向かう。現実と非現実が交錯する、芥川賞受賞作「石の来歴」。兵士たちの、いつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍、極限状況の中でみたものは……。帝国陸軍兵士の夢と現を描く、渾身の力作、「浪漫的な行軍の記録」所収。

『バナールな現象』(1994年3月)

1991年1月17日、湾岸戦争が始まった。砂漠の戦場から遠く離れた東京の郊外で、妻の出産を待つ大学講師・木苺の凡庸な日常に突然、暗黒の陥穽が口を開く。モーセのトーラー、鴉、理不尽な暴力の予感、そして改竄される歴史。様々な謎が顕在し、現実は虚構に侵蝕されてゆく。あの日を境にして世界は変わってしまったのか? 21世紀の今日に鮮烈に屹立する、戦争と狂気の時代を黙示した問題作。

『「吾輩は猫である」殺人事件』(1996年1月)

「吾輩は猫である。名前はまだ無い」この一行に、大きな謎が仕組まれていたとは―。上海の街に苦沙弥先生殺害の報せが走り、猫の「吾輩」はじめ、おなじみ寒月、東風、迷亭に三毛子、さらには英国猫のホームズやワトソン、シャム猫の伯爵など、集まった人が、猫が入り乱れ、壮大な野望と謀議が渦を巻く。卓抜な模写文体とロマンで、日本文学の運命を変えた最強のミステリー。

『プラトン学園』(1997年7月)

英語教師・木苺惇一が赴任した学校は、CGによって精巧に作られたソフト『プラトン学園』を設計図にして建てられていた!? 学園中に張りめぐらされたネットを通して、事故死したはずの前任者石黒からメッセージが届き、秘密の地下室の扉が開かれる――。虚構と現実が幾度も反転する傑作サイコ・ミステリ。

『グランド・ミステリー』(1998年3月)

カオス、ロマンス、そして謎!–あの傑作が装いも新たに蘇る!!

昭和16年12月、真珠湾攻撃の直後、空母「蒼龍」に着艦したパイロット榊原大尉が不可解な死を遂げた。彼の友人である加多瀬大尉は、未亡人となった志津子の依頼を受け、榊原の死の真相を追い始めるが–

『虚構まみれ』(1998年5月)

『戦争文学を読む』(1999年8月)

『レイテ戦記』『ビルマの竪琴』『黒い雨』『二十四の瞳』『麦と兵隊』『きけ わだつみのこえ』『飼育』『悪魔の飽食』『戦争論』『亡国のイージス』『接近』『半島を出よ』……戦後60年以上にわたって新旧世代が描いた戦争文学を網羅する。名作を読み継ぐ。

  • 『戦争はどのように語られてきたか』(1999年8月 朝日新聞社)
  • 『戦争文学を読む』(2008年8月 朝日文庫)

『鳥類学者のファンタジア』(2001年4月)

「フォギー」ことジャズ・ピアニストの池永希梨子は演奏中に不思議な感覚にとらわれた。柱の陰に誰かいる……。それが、時空を超える大冒険旅行の始まりだった。謎の音階が引き起こす超常現象に導かれ、フォギーはナチス支配下、1944年のドイツへとタイムスリップしてしまう――。めくるめく物語とジャズの魅力に満ちた、ファンタジー巨編。

『坊ちゃん忍者幕末見聞録』(2001年10月)

時は幕末、出羽の国から京に上った坊ちゃん忍者松吉。尊皇攘夷の熱気の中で事件に巻き込まれるが、持ち前の勇気で立ち向かう。奥泉ワールドの新境地。愛と希望の歴史ファンタジー。

『必読書150』(2002年4月)

『浪漫的な行軍の記録』(2002年11月)

兵士たちのいつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍

戦況悪化、極限的状況の中で見たもの
これは幻想だろうか?

張りぼての大砲「国体の精華」を運ぶ、帝国陸軍兵士の隊列

『新・地底旅行』(2004年1月)

時は明治末期。地球空洞説を信奉する科学者稲峰とその娘が富士山中で行方不明となった。挿絵画家の野々村鷺舟、作家の富永丙三郎、物理学者の水島鶏月、そして女中・サトら素人探検隊は、ついに地底旅行へと出発したのだった。光る猫、宇宙オルガン、地下に生息する恐竜など、奇想天外の物語と漱石の文体をふまえた軽妙な語り口。SFの傑作、ヴェルヌの『地底旅行』を超えるファンタジー小説。

『モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活』(2005年7月)

ベストセラーとなった童話作家の遺稿が盗まれ、担当編集者は行方不明に。遺稿の謎を追う女性ジャズシンガーの前に大戦の闇が迫る

文芸漫談シリーズ

『小説の聖典 漫談で読む文学入門』(2005年7月)

読んでもおもしろい、書いてもおもしろい。不思議な小説の魅力を作家二人が漫談スタイルでボケてツッコむ!笑って泣いて、読んで書いて。そこに小説がある限り……。

  • 『文芸漫談 笑うブンガク入門』(2005年7月 集英社)
  • 『小説の聖典 漫談で読む文学入門』(2012年11月 河出文庫)

『世界文学は面白い。文芸漫談で地球一周』(2009年6月)

〈小説〉という船に乗って、地球一周の旅に出よう! 作家・奥泉光とクリエイター・いとうせいこうが、スピード感あふれる漫談に乗せてご案内。カフカ、ポー、ドストエフスキーに、デュラス、マルケス、カミュにゴーゴリ、それから魯迅、漱石まで、九つの古典名作を笑いのめします。まったく新しい(笑える)世界文学ツアーガイド、ついに登場。世界の名作、笑いのツボを新発見!

『漱石漫談』(2017年)

『こころ』はBL?『坊っちゃん』は童貞小説?邪道に見せて王道を行き、微笑みながらガチで斬り合う「文芸漫談」の真髄発揮。『吾輩は猫である』『三四郎』他を読み解く漱石入門書。

『神器 軍艦「橿原」殺人事件』(2009年1月)

太平洋戦争末期、探偵小説好きの石目鋭二上等水兵は、軽巡洋艦「橿原」に乗務を命じられた。「橿原」は過去に怪死事件が相次ぎ、殺害の実行犯がいまも潜むと囁かれている。艦底の内務科5番倉庫では、機密物資を運んでいるという、不穏な噂も絶えない。そんな折、艦内で士官が毒死、乗組員が行方不明になった。やがて次々と生起する怪異なる事象に、石目もまた取りこまれていく。

『シューマンの指』(2010年7月)

音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。

『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』(2011年5月)

人気ユーモア・ミステリー、待望の文庫化!

大学の怪事件に挑むヘタレ教員・クワコーと奇人ぞろいの文芸部員。教員の自虐と女子学生の暴言が衝突するとき謎は解かれる。全3編。

『地の鳥 天の魚群』(2011年9月)

『コレクション戦争×文学 9 さまざまな8・15』(2012年7月)

日本人は敗戦の日を、どのように迎えたのか
敗戦という未曾有の経験。捕虜、抑留、引揚げ、復員。さまざまな土地でさまざまな立場で迎えた8・15。混乱の新生日本の姿を、井伏鱒二、島尾敏雄、河野多惠子、藤原てい、林芙美子らが描く。

『黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2』(2012年9月)

芥川賞作家が贈る脱力ミステリ、夏の事件簿登場

ザリガニを釣って食用とする赤貧生活を送る准教授クワコーを見舞った2つの怪事件。答案用紙と女子大生の水着はなぜ消失したのか?

『虫樹音楽集』(2012年11月)

虫への〈変身〉を夢見た伝説のサックス奏者。彼の行方を追い求めた先に私が見たのは絶対にありえない戦慄の光景だった……。カフカの『変身』を通奏低音にして描く音楽ミステリー。

『第十一回 岡山県 内田百閒文学賞 受賞作品集』(2013年3月)

《最優秀賞》受賞作 「平野の鳥」岩朝清美 母の愛を一心に求めつつも報われぬ思いの孤独と焦心。四国の山村から岡山の農家に子守奉公に出た十五歳の多感な少女の煩悶とゆくりなくも知る無言の愛の形。 《優秀賞》受賞作 「セピア色のインク」木下訓成/「伯備線の女――断腸亭異聞」三ツ木茂 選評:小川洋子・奥泉光・重松清

『メフィストフェレスの定理 地獄シェイクスピア三部作』(2013年6月)

『夏目漱石、読んじゃえば?』(2015年4月)

『吾輩は猫である』は全部読まなくていい!『坊っちゃん』はコミュ障主人公!?『それから』に仕掛けられた謎を解こう!漱石を愛してやまない作家・奥泉光が、名作を面白く読む方法、伝授します。

  • 『夏目漱石、読んじゃえば? 14歳の世渡り術』(2015年4月 河出書房新社)
  • 『夏目漱石、読んじゃえば?』(2018年5月 河出文庫)

『東京自叙伝』(2014年5月)

舞台は東京。地中に潜む「地霊」が、歴史の暗黒面を生きたネズミや人間に憑依して、自らの来歴を軽妙洒脱に語り出す。唯一無二の原理は「なるようにしかならぬ」。明治維新、第二次世界大戦、バブル崩壊から福島第一原発事故まで……首都・東京に暗躍した、「地霊」の無責任一代記! 史実の裏側で、滅亡へ向かう東京を予言する。果てしないスケールで描かれた第50回谷崎潤一郎賞受賞作。

『ビビビ・ビ・バップ』(2016年6月)

現代文学のトップランナーが、AI社会をポップに描いたSFジャズエンタメ巨編!「僕の葬式でピアノを弾いて頂きたいんです」それがすべての始まりだった。電脳内で生き続ける命、アンドロイドとの白熱のジャズセッション。大山康晴十五世名人アンドロイドの謎、天才工学少女、迫り来る電脳ウィルス大感染…。平成の新宿から近未来の南アフリカまで、AI社会を活写し、時空を超えて軽やかに奏でられるエンタテインメント近未来小説!

『雪の階』(2018年2月)

昭和十年、秋。笹宮惟重伯爵を父に持ち、女子学習院高等科に通う惟佐子は、親友・宇田川寿子の心中事件に疑問を抱く。冨士の樹海で陸軍士官・久慈とともに遺体となって発見されたのだが、「できるだけはやく電話をしますね」という寿子の手による仙台消印の葉書が届いたのだ――。富士で発見された寿子が、なぜ、仙台から葉書を出せたのか?この心中事件の謎を軸に、ドイツ人ピアニスト、探偵役を務める惟佐子の「おあいてさん」だった女カメラマンと新聞記者、軍人である惟佐子の兄・惟秀ら多彩な人物が登場し、物語のラスト、二・二六事件へと繋がっていく――。

『ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3』(2019年3月)

あのクワコーが帰ってきた!

下流大学教師クワコーへの、次なる指令は……閉所灼熱地獄。
いったいオレはこんなところで何をしているんだろう?
文壇のマエストロ、奥泉光の脱力系ミステリー!
「日本のジーヴズ」と讃えられるユーモアミステリ不屈のカムバック。
次なるミッションは「ゆるキャラ」だ!

クワコーこと桑潟幸一准教授が、たらちね国際大学に転勤して最初の夏休み。
低偏差値大学の「受験生応援プログラム」というリクルート大作戦の一環として、
ティッシュ配りにあけくれていたクワコーへの、次なる指令は?

「ゆるキャラの恐怖」……大学対抗ゆるキャラコンテストに着ぐるみで出場せよ。
審査委員長はみうらじゅん、「おそろしき事がおこるぞよ」との脅迫状が届いて……。

「地下迷宮の幻影」……セミの次はキノコだ! 理想の食材を求めるクワコーは、
エロナマズ大王に恫喝され、学園に渦巻く権力闘争の暗流に巻き込まれる。

『死神の棋譜』(2020年8月)

――負けました。これをいうのは人生で何度目だろう。将棋に魅入られ、頂点を目指し、深みへ潜った男は鳩森神社で不詰めの図式を拾って姿を消した。彼の行方を追う旅が始まったが……。北海道の廃坑、幻の「棋道会」、美しい女流二段、地下神殿の対局、盤上の磐、そして将棋指しの呪い。前代未聞の将棋エンタテインメント。

この記事を書いた人
右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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