【おすすめ】フィリップ・K・ディックの全作品を一覧であらすじを紹介します

フィリップ・キンドレド・ディック(1928年12月16日 – 1982年3月2日)

作家。アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれ。1950年代初期に執筆した処女作となる純文学作品「市に虎声あらん」は出版社に拒否され、1951年に出版社に売れた最初の小説「ルーグ」も修正を指示された。1952年「ウーブ身重く横たわる」が商業誌に掲載されデビュー。純文学作品も書いていたが、その多くが出版社に拒否され、以後SF小説を中心に活躍。1963年、『高い城の男』でヒューゴー賞を受賞。代表作に『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、『流れよ我が涙、と警官は言った』など。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
  • 2位:高い城の男
  • 3位:ユービック

作品年表リスト

市に虎声あらん “Voices from the Street” (1950年)

黙示録的な雰囲気の漂うサンフランシスコを舞台に、不安と妄想に引き裂かれる自我の怪物――1952年、弱冠25歳の「純文学作家」ディックが書いた幻の傑作処女長篇。

2007年に出版された処女作。

偶然世界 Solar Lottery (1955年)

九惑星系の最高権力者ヴェリックは、公共的偶然発生装置のランダムな動きにより失脚した。かわって権力の座についた無級者カートライトも、ボトルのくじ引きにより六十億の人々のなかから選ばれる。だが、数時間後、指名大会で選出された刺客がカートライトの命をねらっていた……著者の第一長篇。

ジョーンズの世界 The World Jones Made(1956年)

保安警察の捜査官がカーニヴァルで出会った奇妙な占い師。個人の占いはお断り──つまり人類の未来だけを占うという、この男がジョーンズだった。一年先までを完璧に予知できる超能力者である。世界政府は彼を監視下におくが、やがて彼のもとに人々は集い、政府を脅かす組織にまで発展する。一方、太陽系には〈漂流者〉と呼ばれる謎の物体が飛来していた。ディック50年代の名編。

いたずらの問題 The Man who Japed (1956年)

2114年、ストレイター大佐による道徳再生運動の結果、世界は小型ロボットに監視される管理社会となっていた。アレン・パーセルは調査代理店の経営者として成功を収めていたが、突然の衝動に駆られて大佐の銅像に「いたずら」してしまう。像の頭を切り取り、手に乗せて蹴ろうとする姿にしてしまったのだ。この事件を機に、アレンは管理社会から落伍していく…。ディストピア社会を戯画化した初期長篇。

宇宙の眼 Eye in the Sky (1957年)

観測台から見下ろしていた見学者たちを、突然の災厄が襲った。陽子ビーム加速器が暴走し、60億ヴォルトの陽子ビームが無秩序に放射され、一瞬で観測台を焼き尽くしたのだ! たまたまその場にいた8人は、台が消滅したためにチェンバーの床へと投げ出された。やがて見学者のひとり、ジャック・ハミルトンは、病院で意識を取り戻す。だがその世界は、彼の知る現実世界とは、ほんの少し違っていた……鬼才の幻の名品登場!

宇宙の操り人形 The Cosmic Puppets (1957年)

ある日故郷へ戻ってみると、そこは街並も住民も見覚えのない見知らぬ街になっていた。いまいる自分は一体何者なのだ?―光の神と闇の神の対決に巻き込まれた男を描いたファンタジー長編の表題作。そのほか、「奇妙なエデン」(本邦初訳)、「地球乗っ取り計画」など、初期の短編三作を併録。

時は乱れて Time out of Joint(1959年)

ディックの初期長篇、待望の復刊! この町でその男の名を知らぬものはいなかった。レイグル・ガム。新聞の懸賞クイズ〈火星人はどこへ?〉に、2年間ずっと勝ち続けてきた全国チャンピオンだ。だが彼には時折、自分が他人に思えることがあった。ほんとうに自分はいったい誰なのか? ある日、同居する弟夫婦の子供が、近所の廃墟からひろってきた一冊の古雑誌が引き金となって、彼を驚くべき真実へと誘っていく……奇才ディックの名作、待望の復刊!

未来医師 Dr. Futurity (1960年)

有能な医師パーソンズは、ある夜突如として24世紀の北米へ時間転移した。そこは人類の混交が進み、平均寿命は15歳、しかも他人を治療することが禁じられた社会だった。

ヴァルカンの鉄鎚 Vulcan’s Hammer (1960年)

20年以上続いた第1次核戦争が終結したのち、人類は世界連邦政府を樹立し、重要事項の決定を巨大コンピュータ〈ヴァルカン3号〉に委ねた。極秘とされるその設置場所を知るのは統轄弁務官ディルただ一人。だが、こうした体制に反対するフィールズ大師は〈癒しの道〉教団を率いて政府組織に叛旗を翻した。ディルは早々に大師の一人娘を管理下に置くが……。ディック最後の本邦初訳長編SF!

高い城の男 The Man in the High Castle (1962年)

第二次世界大戦が枢軸国側の勝利に終わってから十五年、世界はいまだに日独二国の支配下にあった。日本が支配するアメリカ西海岸では連合国側の勝利を描く書物が密かに読まれていた……現実と虚構との間の微妙なバランスを、緻密な構成と迫真の筆致で描いた、D・K・ディックの最高傑作!

タイタンのゲーム・プレーヤー The Game-Players of Titan (1963年)

星間戦争に敗北し、タイタンの生物に支配された地球。人口が激減したこの世界では、自らの土地を賭けた〈ゲーム〉が流行していた。

アルファ系衛星の氏族たち Clans of the Alphane Moon (1964年)

地球とアルファ系の星間戦争はとうに終結していた。だが敵国アルファ系帝国の領地であるその衛星には、地球人の精神疾患者達が今も取り残され、連絡を断ったまま独自の文化を形成していた。この地を再び奪取せんと地球側は調査部隊を送り込む。だが部隊には一人の人造人間が潜入していた。著者が精神疾患への関心を元に取り組んだ名編。

火星のタイム・スリップ Martian Time-Slip (1964年)

火星植民地の大立者アーニイ・コットは、宇宙飛行の影響で生じた分裂病の少年をおのれの野心のために利用しようとした。その少年の時間に対する特殊能力を使って、過去を変えようというのだ。だがコットが試みたタイム・トリップには怖るべき陥穽が……フィリップ・K・ディックが描く悪夢と混沌の世界。

最後から二番目の真実 The Penultimate Truth (1964年)

世界を二分して終わりなくつづく核戦争。地上を汚染する放射能をのがれて人々は無数の巨大な地下塔にひそみ、過酷な生活を送りつつ戦闘用ロボットの生産に追われている。ときおり地上の模様が上映されるが、戦争は帰趨を決する気配もない―だが、これはすべてまやかしだった。戦争は10年以上前に終結しており、少数の特権階級の支配する世界ができあがっていたのだ。新訳決定版。

シミュラクラ The Simulacra (1964年)

時は21世紀半ば、世界はワルシャワを中心とする共産主義体制とヨーロッパ・アメリカ合衆国とに完全に二極化されていた。USEAで絶大な権力を握る美貌の大統領夫人ニコル・ティボドーは、タイムトラベル装置を使って秘かにゲーリング元帥を呼び寄せ、恐るべき計画を実行しようとするが…模造人間、超小型違法宇宙船、火星生物などのガジェットを満載、現在の世界を照射するテーマ性を持った異色の長篇、待望の新訳版。

ドクター・ブラッドマネー 博士の血の贖い Dr. Bloodmoney (1965年)

1981年、一組の夫婦が火星へ出発した。直後に核戦争が勃発、地球を回る衛星と化した植民ロケットからの放送のみが、人びとの情報のよりどころとなった。各地に点在するコミュニティーのひとつでは、かつて核実験に失敗し人びとの憎しみを集める物理学者、超能力をもつ肢体不自由者の修理工、双子の弟を体内に宿す少女らが暮らしていた。ディック中期の異色作を待望の新訳で刊行。

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 The Three Stigmata of Palmer Eldritch (1965年)

謎につつまれた人物パーマー・エルドリッチが宇宙から持ち帰ったドラッグは、苦悶に喘ぐ人々に不死と安寧をもたらした。だが幻影にのめりこみ、酔い痴れる彼らを待ちうけていたのは、死よりも恐るべき陥穽だった! 鬼才ディックが、現実と白昼夢が交錯する戦慄の魔界を卓抜な着想と斬新な手法で描く傑作長篇!

去年を待ちながら Now Wait for Last Year (1966年)

星間戦争のさなか、人工臓器移植医エリックは、国連事務総長の主治医モリナーリに任命されるが……。ディック中期の傑作、新訳版。

ライズ民間警察機構 Lies,INC. (1966年)

テレポート装置の発明で人類の他星系への植民が始まった。だが奇妙にも装置は片道通行で誰も地球に戻ってこない。疑いを抱いた主人公は装置を使わず宇宙船で、植民星へ往復36光年の旅に出ようとする。彼を支援するのは民間の超巨大組織ライズ社。だが何重もの妨害工作の中、計画は予想もしない展開に。著者の死後発見された完全版で贈る。

空間亀裂 The Crack in Space (1966年)

西暦2080年、世界は人口爆発に苦しんでいた。史上初の黒人大統領候補となったブリスキンは、かつて夢見られ今は放棄された惑星殖民の再開を宣言するが……。本邦初訳長編!

逆まわりの世界 Counter-Clock World (1967年)

ザップ・ガン The Zap Gun (1967年)

東西両陣営の兵器ファッション・デザイナー二人。日々、独創的で戦慄すべき殺戮兵器を開発しているというのは大嘘で、兵器に殺傷能力はなかった。だが、エイリアン襲来という地球の危機に、二人は協力して究極兵器の開発に着手する……!?

ガニメデ支配 Ganymede Takeover (1967年)

地球人類は戦争に敗北し、ワーム形の生命、ガニメデ人によって支配されていた。だが絶大な支持を受ける指導者パーシイXは……。本邦初訳長編!

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Do Androids Dream of Electric Sheep? (1968年)

第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しか飼えないリックは、かくて火星から逃亡した〈奴隷〉アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って、決死の狩りを始めた! 現代SFの旗手が斬新な着想と華麗な筆致で描く悪夢の未来世界!

銀河の壺なおし Galactic Pot-Healer (1969年)

壺なおしを職業とするジョーのもとに、シリウス星系から奇妙な依頼が届いた。ディック的モチーフに溢れた幻の長篇、待望の新訳版

ユービック Ubik (1969年)

一九九二年、予知能力者狩りを行なうべく月に結集したジョー・チップら反予知能力者たちが、予知能力者側のテロにあった瞬間から、時間退行がはじまった。あらゆるものが一九四〇年代へと逆もどりする時間退行。だが、奇妙な現象を矯正するものがあった――それが、ユービックだ! ディックが描く白昼夢の世界。

死の迷路 A Maze of Death (1970年)

目的も告げられずに、未開の辺境惑星デルマク・Oに送り込まれた14人の男女。使命を伝えるはずだった通信は未達のまま、外部との接触を絶たれてしまった彼らは、その惑星で奇怪な光景を目にすることになる。謎めいた構造物、歌う人工蠅、光線を発射するミニチュア・ビル、不完全な複製を作り出す生命体……。やがて、一人また一人とメンバーが奇怪な死を遂げ始める!? 緊迫感溢れる筆致で描かれる鬼才の異色サスペンスSF。

フロリクス8から来た友人 Our Friend from Frolix 8 (1970年)

22世紀、世界は高い知能を有する〈新人〉と、超能力を持った〈異人〉が、60億の〈旧人〉を支配する階級社会と化していた。タイヤの溝堀り職人ニック・アップルトンは、息子を公務員にすることを願う典型的な〈旧人〉だが、黒髪の少女チャーリーと出会って……。一方、〈旧人〉の期待を背負って深宇宙へ旅立った伝説の人物プロヴォーニが、地球外生命体の“友人”とともに帰還しようとしていた…。 鬼才のディストピアSF!

あなたをつくります We Can Build You (1972年)

弱小電子楽器業者が起死回生の策として打ち出した新商品は精巧な模造人間の製造だった。宇宙開発用ロボットを改造し、歴史上の人物に関する生前のありとあらゆるデータを詰め込んで、この世に“再生”させたのだ。しかも驚いたことに、そいつらは人間以上に人間らしかった。彼らはこれをアメリカ一の実業家に売り込もうと画策するが……。

流れよわが涙、と警官は言った Flow my Tears, the Policeman Said (1974年)

〔ジョン・W・キャンベル記念賞受賞〕三千万の視聴者から愛されるマルチタレントのタヴァナーは、ある朝安ホテルで目覚めた。やがて恐るべき事実が判明した。世界中の誰も自分のことを覚えていないのだ!

ジャック・イジドアの告白 Confessions of a Crap Artist (1975年)

古タイヤの溝掘り職人であるジャックの日常はある日狂い始める……。ディックの自伝的作品にして主流文学の代表作を、新訳で刊行。『戦争が終り、世界の終りが始まった』改題。

怒りの神 Deus Irae (1976年)

地図にない町(1976年)

フィリップ・K・ディックが黄金の50年代に発表した色とりどりの短編から、ブラッドベリ風の幻想味の濃い12編を訳者が独自に選んで訳した傑作集。存在するはずのない駅で列車は止まった。駅前にひろがるのは地図にない町だった……この表題作のほか、「おもちゃの戦争」「薄明の朝食」「レダと白鳥」「森の中の笛吹き」「輪廻の豚」「超能力者」「名曲永久保存法」「万物賦活法」「クッキーばあさん」「あてのない船」「ありえざる星」を収録。

スキャナー・ダークリー A Scanner Darkly (1977年)

カリフォルニアのオレンジ郡保安官事務所麻薬課のおとり捜査官フレッドことボブ・アークターは、上司にも自分の仮の姿は教えず、秘密捜査を進めている。麻薬中毒者アークターとして、最近流通しはじめた物質Dはもちろん、ヘロイン、コカインなどの麻薬にふけりつつ、ヤク中仲間ふたりと同居していたのだ。だが、ある日、上司から麻薬密売人アークターの監視を命じられてしまうが……P・K・ディック後期の傑作、新訳版。

パーキーパットの日々(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック I)The Best of Phillip K. Dick (1977年)

火星人との戦争で人類はかつての豊かな生活を奪われた。地下シェルターに暮らすカリフォルニア地区の住民に残された楽しみといえば、パーキー・パットという女の子の人形と古き良き時代の町の模型を使うシミュレーション・ゲームだけ。そんなある日、オークランド地区ではパットよりずっと成熟した女性人形を使っているという噂が…。表題作ほか、処女短篇「ウーブ身重く横たわる」など鬼才ディックの傑作短篇10篇を収録。

時間飛行士へのささやかな贈り物(サ・ベスト・オブ・P・K・ディック II)The Best of Phillip K. Dick (1977年)

アメリカで行なわれた国家的なタイム・トラベル実験で、タイム・トリップ中に爆発事故が起きた。ひとつの空間に同時に複数の物体は存在できないという原則を破ってしまったらしい。時間飛行士たちの運命は…。表題作。ある日チャールズは、ガレージにいる父親がふたりになっているのに気がついた…。「父さんに似たもの」など、読む者を現実と非現実のはざまへと引きずりこむ、名手ディックならではの悪夢にみちた9篇。

ゴールデン・マン(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック III)The Golden Man (1980年)

美しい黄金像のような姿の青年、クリス・ジョンソンには驚くべき能力――未来を見る能力がそなわっていた。だが、現人類にはない超能力をもつクリスを執拗に追う組織が迫っていた……映画『NEXT―ネクスト―』の原作「ゴールデン・マン」をはじめ、豪雨の夜に妖精たちに出会った男の不思議な冒険「妖精の王」、名作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の原型となった「小さな黒い箱」など、7篇を収録する傑作集。

まだ人間じゃない(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック IV)The Golden Man (1980年)

12歳以下の子どもたちが“生後堕胎”の名のもとに殺戮される戦慄の未来を描いた問題作「まだ人間じゃない」、異星人による奇妙な侵略をうけた地球の物語「フヌールとの戦い」、広告戦争が極限まで達した騒々して未来社会を描いた「CM地獄」などの秀作中短篇8篇をおさめたほか、詳細な自作解説や、孤高の天才ディックが心情を赤裸々につづり、作品世界への鍵となる貴重なエッセイも併録した決定版ディック傑作集第四巻。

ヴァリス VALIS (1981年)

友人グロリアの自殺をきっかけにして、作家ホースラヴァー・ファットの日常は狂い始める。麻薬におぼれ、孤独に落ち込むファットは、ピンク色の光線を脳内に照射され、ある重要な情報を知った。それを神の啓示と捉えた彼は、日誌に記録し友人らと神学談義に耽るようになる。さらに自らの妄想と一致する謎めいた映画『ヴァリス』に出会ったファットは……。ディック自身の神秘体験をもとに書かれた最大の問題作。

聖なる侵入 The Devine Invasion (1981年)

外宇宙の惑星で処女懐胎によって生をうけたエマニュエルは、地球に帰還中の事故で両親を失い、自らも過去の記憶を失ってしまう。帰還後、特殊学校で少女ジーナと出会ったエマニュエルは、彼女の導きで自らの役割に覚醒していく……。自身の神秘体験を元に『ヴァリス』の世界観を展開させた三部作新訳版・第二弾。

人間狩り(1982年)

ティモシー・アーチャーの転生 The Transmigration of Timothy Archer (1982年)

ジョン・レノンが死んだ日、ラジオからはビートルズの曲がずっと流れていた……。その日、エンジェルは、かつての友人たちを悲しみとともに回想する。死海砂漠で遭難して死んだ義父ティモシー・アーチャー主教。精神の安定を失い自殺した義父の愛人キルスティン。父への劣等感とキルスティンへの欲望に耐え切れず自ら死を選んだ夫のジェフ。絶望の70年代に決別を告げる〈ヴァリス〉三部作完結篇にして鬼才の遺作・新訳版。

顔のない博物館(1983年)

すこし怖いような超現実世界を描く第一人者ディックの初期短編集。「ディックの原点ともいえるこの初期の短編に、センス・オブ・ワンダーと、それを超える何かを見い出し、楽しんでくれる若いSFファンの諸君に、本書を捧げる」と訳者はいう。「パパそっくり」「フォスター、お前は死んでいるところだぞ」「ドアの向こうで」「ハンギング・ストレンジャー」「消耗品」「根気のよい蛙」「廃品博物館」など11編を収めてある。

宇宙の操り人形(1984年)

ある日故郷へもどってみると、そこは町並みも住民も見覚えのない街になっていた。いまいる自分はいったい何者なのか、おまけに18年前の自分の死亡記事まで見つかった……光の神と闇の神との対決に巻き込まれた男を描いたこの表題作長編のほか、ディックならではの短編3編を併録。

ユービック:スクリーンプレイ Ubik:The Screenplay(1985年)

あらゆるものが退行し朽ち果てていく。この世界はいったい!?―ディックが終生追い求めた“現実とは?”というテーマを突き詰めた60年代の傑作『ユービック』。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と並んで代表作に数えられるこの作品を、作者自身が再解釈を加えてシナリオ化。細部から結末にいたるまで加筆・修正が行われ、生まれ変わった“もうひとつの『ユービック』”、ついに刊行。

アルベマス Radio Free Albemuth (1985年)

ウォー・ゲーム(1985年)

子供たちの玩具に隠された秘密を見つけだせ。地球輸入基準局はやっきになった他の星から送られてくる輸入玩具をチェックする。“ウォー・ゲーム”と名付けられたゲームに隠されている謎とは―?彼らは地球を守ることができるのか?―表題作他、本邦初訳を含む初期短篇9篇収録。

小さな場所で大騒ぎ Puttering about in a Small Land (1985年)

1950年代後半のロサンゼルス。小さな電気器具商を営むロジャー・リンダールは、7歳の息子を南カリフォルニアの私立学校に入学させた。妻のヴァージニアがそれを望んだからではない。入学を取り消すために学校を訪ねたとき出会った、ひとりの女のせいだ。第二次大戦後のアメリカの小市民生活を、2組の夫婦の不倫騒動をとおしてクールに描く、人気SF作家ディックの傑作リアル・ノベル第2弾!

ラスト・テスタメント P・K・ディックの最後の聖訓 Philip K. Dick the Last Testament Philip K. Dick (1985年)インタビュー

哲学や心理学に対する関心の起源、 アメリカ市民としての宗教観・政治観、そしてかの有名な”ヴァリス”事件へ・・・・・・みずからの霊的ヴィジョンを余すところなく語ったロング・インタビュー集。

悪夢機械(1987年)

核戦争後の地球、人間とミュータントの世代交代をテーマにした「訪問者」、パラノイアの狂気を描く「スパイはだれだ」、中国との戦争に敗れ、奇妙な宗教が支配するようになったアメリカを描く「輪廻の車」など、初期作品から晩年の作品まで、日本未紹介の短編を10編収録。アメリカSF界の鬼才、P.K.ディックが創り出した悪夢的イメージを集約した、傑作オリジナル短編集。

メアリと巨人 Mary and the Giant (1987年)

メアリアンはゆっくりと人々から切り離され、孤立してきた。隅っこに追い詰められて、今はそこに座りこんでいる。手に膝をのせて。ほかに道はない。ほかに行くところはない。ディックの青春小説。

ニックとグリマング Nick and the Glimmung (1988年)

グリマング、ウーブ、オトウサンモドキ、フクセイetc.ディックおなじみの奇妙な「動物たち」が大活躍するキッチュな預言の物語。待望の本邦初訳。

模造記憶(1989年)

しがない安月給のサラリーマン、ダグラス・クウェールは火星への憧憬を拭いさることができず、架空の記憶を売る会社を訪ねた。クウェールの記憶の分析した担当の技術者は困惑の表情を浮かべた。すでに、クウェールの記憶中枢には火星での生活が刻みこまれていたのだ。さらに、その深層に隠された記憶を探ると…偽の記憶を扱った「追憶売ります」など12編収録のオリジナル短編集。

フィリップ・K・ディック 我が生涯の弁明 In pursuit of Valis: selections from the exegesis (1991年)

ディックは1974年2月から不思議な体験を重ね、これらを解釈しようとする企てに邁進し、日々展開する持論を日誌のように書きとめて、後にこの記録を釈義と呼ぶにいたった。

ウォー・ベテラン(1992年)

永久戦争(1993年)

核戦争で灰燼に帰した地球、疑似生命体へと進化していくロボット、社会システムのために踏みにじられてしまう人間の尊厳、相互に浸透し交錯しあう複数の現実、絶望的状況の中で苦闘を続けるごく普通の職業の主人公たち―デビュー以来、近未来を舞台に悲惨な人間の状況を書き続けてきたP・K・ディックの終末的ヴィジョンの数々。「戦争」をテーマにした日本オリジナル短編集第三弾。

フィリップ・K・ディックのすべて -ノンフィクション集成 The Shifting Realities of Philip K. Dick (1995年)

SF界の巨人ディックの創作の秘密を解き明かすファン垂涎の書、ついに刊行!未訳のエッセイ、ノートなど多数収録。

少数報告(マイノリティ・リポート)(1999年)

プレコグ(予知能力者)の助けを借りて犯罪を取り締まる犯罪予防局が設立され、あらゆる犯罪行為を未然に防ぐことができるようになった。その結果、現実の殺人はこの5年起こっていない。そんなある日、犯罪予防局長官アンダートンが、いつものようにプレコグの予知を分析したカードをチェックしていると、その中に自分が翌週までにある男を殺すというカードを見つける。これは自分を陥れる陰謀に違いない。カードに細工をするには、内部に共犯者が必要だが、それは果たして誰なのか。新しく赴任してきたウィットワー、局の高官でもある妻のリサ、部下のペイジ、それとも…。警察に追われながらも真相に迫っていくアンダートンの前に、突然謎の男が現れる。

シビュラの目(2000年)

古代ローマ人の生まれ変わりのSF作家がたどる奇妙な人生と、未来を見られる摩訶不思議な目をめぐる物語を描く表題作『シビュラの目』をはじめ、ホワイトハウスに設置されたコンピュータが大統領をつとめる未来の合衆国で、思いがけず大統領の待機員に任命された男を軽妙に描く『待機員』、本邦初訳の『聖なる争い』と『カンタータ百四十番』、大実業家の死後に起こる異様な出来事を描く『宇宙の死者』など全六篇を収録。

髑髏 (2009年)

アジャストメント ディック短篇傑作選1(2011年)

世界のすべてを陰でコントロールする組織の存在を知ってしまった男は!? マット・デイモン主演の同名映画の原作をはじめ、デビュー作「ウーブ身重く横たわる」、初期の代表作「にせもの」(映画化名『クローン』)から、中期・後期の傑作。さらに1972年執筆の幻の短篇「さよなら、ヴィンセント」を初収録。ディックが生涯にわたって発表した短篇に、エッセイ「人間とアンドロイドと機械」を加えた全13篇を収録する傑作選。

トータル・リコール ディック短篇傑作選2(2012年)

夜ごと火星に行く夢を見ていたクウェールは、念願の火星旅行を実現しようと、リコール社を訪れるが……。現実と非現実の境界を描いた映画化原作「トータル・リコール」、犯罪予知が可能になった未来を描いたサスペンス「マイノリティ・リポート」(スピルバー グ映画化原作)をはじめ、1953年発表の本邦初訳作「ミスター・スペースシップ」に、「非(ナル)O」「フード・メーカー」の短篇集初収録作ほか、全10篇を収録した傑作選。

変数人間 ディック短篇傑作選3(2013年)

すべてが予測可能になった未来社会、時の流れを超えてやって来た謎の男コールは、唯一の不確定要素だった……波瀾万丈のアクションSF中篇の表題作、奇妙なゲームに明け暮れる地下シェルターに暮らす人々を描く中期の傑作「パーキー・パットの日々」、同名映画原作のSFアクション「ペイチェック」をはじめ、短篇集初収録の掌篇「猫と宇宙船」ほか、ディック得意の超能力アクション&サスペンス全10篇を収録した傑作選。

変種第二号 ディック短篇傑作選4(2014年)

米ソの全面戦争により地球全土は荒廃、わずかに残るのは戦い続ける両軍の兵士だけとなった世界。米軍が投入した“新兵器”によって戦局は大きな転換点を迎えていた……。「スクリーマーズ」のタイトルで映画化されたディック短篇中屈指の傑作である表題作、特殊能力を持った黄金の青年を描く「ゴールデン・マン」(映画化名「NEXT-ネクスト-」)、本邦初訳短篇「戦利船」ほか、戦争をテーマにした全9篇を収録する傑作選。 [収録作品]「たそがれの朝食」「ゴールデン・マン」「安定社会」「戦利船」「火星潜入」「歴戦の勇士」「奉仕するもの」「ジョンの世界」「変種第二号」

小さな黒い箱 ディック短篇傑作選5(2014年)

謎の組織によって供給されるその金属の黒い箱は、別の場所の別人の思考へとつながっていた……。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』原型短篇である表題作、タイムトラベルをテーマにした後期の傑作「時間飛行士へのささやかな贈物」、近未来アメリカを描く政治風刺連作「待機員」「ラグランド・パークをどうする?」、書籍初収録作「ラウタヴァーラ事件」をはじめ、政治/未来社会/宗教をテーマにした全11篇を収録。

人間以前 ディック短篇傑作選6(2014年)

人間と認められるのは十二歳以上、十二歳未満の子供は狩り立てられてしまう……衝撃のディストピアを描く表題作を新訳で収録。『ユービック』と同一設定の中篇「宇宙の死者」、現実崩壊SFの傑作「地図にない町」(新訳)、晩年の異色作「シビュラの目」ほか、幻想系/子供テーマSF全十二篇を収録する傑作選。

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右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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