【おすすめ】辻原登の全作品を一覧であらすじを紹介します

辻原 登 つじはら・のぼる(1945年12月15日 – )

小説家。和歌山県生まれ。神奈川近代文学館館長・理事長。日本藝術院会員。90年「村の名前」で第103回芥川賞受賞。99年「翔べ麒麟」で第50回読売文学賞受賞。2000年「遊動亭円木」で第36回谷崎潤一郎賞受賞

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:許されざる者
  • 2位:韃靼の馬
  • 3位:翔べ麒麟

作品一覧リスト

『村の名前』(1990年)

中国のはるか奥地を仕事で旅する日本人商社マンが、桃源郷の名をもつ小さな村にふと迷い込んだ。優美な村の名前からは想像もつかない奇怪な出来事が、彼の周りで次々と起こる。謎の溺死体、犬肉を食らう饗宴、つきまとう正体不明の男達……。彼も同行の日本人も、次第に調子がおかしくなってゆく。桃花の薫りがする魅力的な土地の女に導かれるように、知らず知らず村の秘密へと近づき、ついに彼が見た“真の村の姿”とは。話題の第103回芥川賞受賞作と他一篇を収録。

  • 👑第103回芥川賞(「村の名前」)
  • 第94回芥川賞候補(「犬かけて」)

『百合の心』(1990年)

九州高速道路パーキングエリアに始まる、バラバラ死体遺棄事件。交友関係のもつれによる事件の経緯を私は「黒髪殺人事件」として書こうとしていたが、その企画は打ち切りとなってしまった。しばらくして届いた亡き友の講義録「黒髪考」をひもとくうちに……。というブッキッシュな作品「黒髪」を含む、初期傑作短編自選集。

『森林書』(1994年)

  • 第22回平林たい子文学賞候補

『マノンの肉体』(1994年)

『マノン・レスコー』には肉体の描写がないーー発熱が続くゆえか、入院中に娘に朗読してもらった名作に思いもかけない特徴を探り当てた神経は、故郷和歌山で起きた奇妙な無理心中事件の新聞記事や調書の行間に何を見いだすのか。表題作をはじめ、官能の迷宮としての小説の可能性を切り開いた意欲的作品集。

  • 第23回平林たい子文学賞候補

『家族写真』(1995年)

1990年に芥川賞授賞第一作として掲載された「家族写真」を始め、「初期辻原ワールド」が存分に堪能出来る華麗な作品7本が収録された、至極の作品集。15年の時を超えて、初文庫化!

『だれのものでもない悲しみ』(1995年)

『創業者は七代目―ジャスコ会長、岡田卓也の生き方』(1995年)

『黒髪』(1996年)

九州高速道路パーキングエリアに始まる、バラバラ死体遺棄事件。交友関係のもつれによる事件の経緯を私は「黒髪殺人事件」として書こうとしていたが、その企画は打ち切りとなってしまった。しばらくして届いた亡き友の講義録「黒髪考」をひもとくうちに……。というブッキッシュな作品「黒髪」を含む、初期傑作短編自選集。

  • 第25回平林たい子文学賞候補(「黒髪」)

『退屈している暇はない コスモ・コンピュータ・ビジネスという会社の場合』(1996年)

『翔べ麒麟』(1998年)

唐の高官として君臨した阿倍仲麻呂、陰謀埋めく政界を描く歴史活劇!

大唐帝国、華の都長安。朝衡すなわち阿倍仲麻呂は、皇帝の信頼を得、政界で日本人文官として活躍していた。藤原真幸ら遣唐使一行は、新羅王子誘拐の汚名をかぶせられ、朝衡に救いを求めるが。

  • 👑第50回読売文学賞

『遊動亭円木』(1999年)

高座をおりた遊動亭円木、金魚池にはまって死んだはずが…。落語に日常と幻想とが入り交じる十の奇妙な物語。谷崎潤一郎賞受賞作

  • 👑第36回谷崎潤一郎賞

『熱い読書冷たい読書』(2000年)

古典、小説、ミステリー、句集、学術書……。文字ある限り、何ものにも妨げられず貪欲に読み込み、現出する博覧強記・変幻自在の小宇宙。

  • 👑第67回毎日出版文化賞書評賞

『発熱』(2001年)

ウォール街帰りの凄腕ファンド・マネージャーが巨大銀行つぶしに挑む。マネーウォーに複雑な色恋が絡む大人のエンタテインメント

『約束よ』(2002年)

『翔べ麒麟』『発熱』など奇抜な作風で知られる作者の短編集だ。ここには前作『遊動亭円木』の番外編ともいえる短編も収められており、円木ワールドを知っている読者にはなおのこと親しみやすいだろう。

『ジャスミン』(2004年)

中国大陸に消えた父を追って、1989年、上海に降り立った男。37歳、神戸育ち、外資系シンクタンクの辣腕ディレクター。父は二重スパイだったらしい。戦後帰国してまもなく、処刑されたはずの愛人に呼び寄せられて中国に舞い戻り、その後40余年、生死もわからない。

その父が、黄土高原のどこかに捕らえられているという知らせがもたらされたのだ。だが、天安門事件の余燼くすぶる上海で彼が出会ったのは、中国の女。女優、逃亡中の民主活動家の恋人。父をなぞるかのように、危険な恋に落ちた。

上海大履のスイートルームでの奇妙な、しかし甘い日々、公安に追われ、霧のたちこめる江南のクリークを遡る逃避行……やがて訪れる別れ。五年の後、ふたりは神戸で再会する。女は領事夫人となっていた。

恋の行方は?父との再会は果たされるのか?

『枯葉の中の青い炎』(2005年)

老いた名投手の悲願を叶えるため、災いが襲うことを承知で呪術を使う男の話「枯葉の中の青い炎」。一カ月だけ愛人と同棲したい、という夫の望みを聞き入れる妻が妖しい「ちょっと歪んだわたしのブローチ」。奇妙な匂いに誘われて妻の妹をレイプしてしまった男のモノローグ「水いらず」など、濃密な味わいを持つ六つの物語。

  • 👑第31回川端康成文学賞(「枯葉の中の青い炎」)

『花はさくら木』(2006年)

江戸時代中期、宝暦11(1761)年。京・大坂を舞台に、即位前の女性天皇・智子内親王(後桜町)、権謀術数で知られる田沼意次が活躍する。人・歴史・地理があやなす華麗な恋と冒険のとびきりの時代小説!

  • 👑第33回大佛次郎賞

『恋情からくり長屋』(2006年)

「治兵衛さん、しぼり尽させてもらいますえぇ」。島原女郎の請け出しに身代賭けた大店の旦那。菊の香りを懐かしむ消えた恋女房に瓜二つの歌比丘尼。国もとの妻の胸を騒がす不思議な夢が暴く、見てはならないこの世の闇……。浪花で恋に焦がれ、江戸で情けに溺れる女と男。西鶴もかくや、の情念にじむからくり話を自在に操る名うての著者の絶品世話物競演! 

  • 『夢からの手紙』(新潮社、2006年)
  • 『恋情からくり長屋』新潮文庫

『円朝芝居噺 夫婦幽霊』(2007年) 

ある文学者の遺品から見つかった奇妙な暗号文。明治期に隆盛した田鎖式速記で書かれた暗号を解読すると、そこに書かれていたのは江戸時代の噺家、名人・三遊亭円朝、幻の落語だった!?  安政の大地震以前、江戸城から盗まれた四千両、その金に絡む色と欲。円朝よりも円朝らしい噺には、もうひとつ大きな噺が隠されていた……。磨き上げられた文章で円朝の怪談噺を蘇らせた手練れの一作。

『許されざる者』(2009年)

紀伊半島、熊野川河口の街を舞台に描く歴史小説。

20世紀初頭、和歌山県新宮を思わせる架空の街、森宮。「毒取ル先生」

と呼ばれて親しまれる医師・槙と周囲の人々には、日露戦争開戦の足音がすぐそこに迫っていた。当時の情勢と熊野の人々を瑞々しく描く。

  • 👑第51回毎日芸術賞

『抱擁』(2009年) 

「抱擁」は、二・二六事件の翌年、昭和12年の東京駒場の前田侯爵邸を舞台に展開する。18歳の小間使い(わたし)の検事に向かっての供述で語られる物語。5歳の令嬢・緑子の不可思議な行動、ゴシック建築の洋館で起こる異様な事件、物語は謎をたたえて結末に向かって走り出す。ヘンリー・ジェイムズの傑作『ねじの回転』をパスティーシュした傑作である。

『闇の奥』(2010年) 

太平洋戦争末期、北ボルネオで気鋭の民族学者・三上隆が忽然と姿を消した。彼はジャングルの奥地に隠れ住む矮人族(ネグリト)を追っていたという。三上の生存を信じる捜索隊は、彼の足跡を辿るうち、ジャングルの奥地で妖しい世界に迷い込む──。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』に着想を得、その思想を更に発展させた意欲的な一大冒険ロマン。2011年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

『東京大学で世界文学を学ぶ』(2010年)

小説はいつの時代も、いたるところで書かれてきた。古くは神話から始まり聖書へ、日本では漢語の輸入から文学の成熟へ。『ドン・キホーテ』、『ボヴァリー夫人』、『白痴』など、世界の名作を細部まで読み解き、物語の歴史を考察することで、小説の誕生からその構造や手法、作品同士の繋がりまでを面白く丁寧に解説する。現役東大生が熱中した特別講義を完全収録した究極の“世界文学”読本。

『韃靼の馬』(2011年)

江戸中期。対馬藩士・阿比留克人は朝鮮通信使の警固を務める傍ら、幕府からある極秘任務を請け負う。日本、中国、モンゴル…。世界を股にかけて活躍した男たちを描く歴史巨編。第15回司馬遼太郎賞受賞作。

  • 👑第15回司馬遼太郎賞

『熊野でプルーストを読む』(2011年)

優れた物語性と大胆な舞台設定によって多くの読者を魅了し続けている著者が、「本のある生活」を逍遥し、自らの作品とその周辺を描いた文庫オリジナル。

『新聞小説の魅力』(2011年)

『父、断章』(2012年)

怒りに駆られ、私の胸ぐらをつかんだ父。旅先の宿で、ふと姿を消した母。混雑するプラットフォームで、私を探し続けた恋人――。訪れた土地や手に取った書物の中に息づく過去の断片が、作家自身の記憶を揺さぶるとき、もう二度と会うことのない人への思いが湧き上がる。自伝的要素の強い表題作ほか、全7篇を収める短篇集。

『冬の旅』(2013年)

妻の失踪を皮切りに、緒方の人生は転落の一途を辿った。失職、路上生活、強盗致死。そして二〇〇八年六月八日午前九時、緒方は五年の刑期を終え滋賀刑務所を出所する。自らの人生の意味を問い直すかのように大阪の街を彷徨い、やがて和歌山のとある村へと流れついた緒方。流浪の旅の末、彼が目にしたのは地獄か、それとも極楽か。

  • 👑第24回伊藤整文学賞

『寂しい丘で狩りをする』(2014年)

映画のフィルム・エディターの野添敦子は、かつてレイプされて告訴した押本史夫の逆恨みに脅え、女性探偵の桑村みどりに出所間近の押本の尾行を依頼する。みどりもまた交際していた久我の暴力に苦しめられていた。予想どおり出所するや否や敦子の行方を執念深く調べ始めた押本の足音が刻一刻と迫る……。

『東大で文学を学ぶ ドストエフスキーから谷崎潤一郎まで』(2014年)

いま最も脂がのっている小説家が、東大生150人を前に、
14回にわたって、 挑発的、刺激的、縦横無尽に、世界文学、日本文学を語りつくした名講義。

小説の起源を古代中国の歴史と志怪・伝奇にまでさかのぼって見極め、翻って、
横光利一「純粋小説論」、
小林秀雄「私小説論」、
柳田國男「山の人生」から
ドス トエフスキーの小説の重要な場面に必ず差し込む斜めの光を発見する。
斜光は いったいどこから来るのか、そして何を照らし出すのか?
われわれは斜光に導 かれて、フロイトの「家族小説」へ、
そして『源氏物語』へ、
さらに谷崎潤一郎 へとたどり着く……。

学生には全講義の要約がレポートとして課せられた。
そのレポート16本を収録 する。

『Yの木』(2015年)

作家志望の男はある作家と親交を持つ。デビュー時に注目を集め、賞の候補にもなった作家だったが……。味わいの異なる四篇を収録。

『籠の鸚鵡』(2016年)

詐欺事件を種に不動産屋を強請り、長崎から流れつきバーBergmanのママをつとめる蠱惑的な妻カヨ子を奪いとった地廻りのヤクザ、春駒組若頭の峯尾。彼はさらにカヨ子を使って町役場出納室長の梶に公金横領を唆す。折しも山一抗争の拡大で全国で血みどろの戦いが展開する中、峯尾に組長暗殺のヒットマンという大役が命ぜられる。バブル期の紀州を舞台にエロスと欲望が突き抜ける犯罪巨編!

『辻原登の「カラマーゾフ」新論 ドストエフスキー連続講義』(2017年)

『不意撃ち』(2018年)

「不意撃ち」。それは、運命の悪意か………人生の“予測不可能”な罠。人間存在を揺さぶる、至極の作品集。

『歌仙はすごい-言葉がひらく「座」の世界』(2019年)

五七五の長句と七七の短句を互い違いに組み合わせ、一巻三十六句の連句を作る歌仙。この第一句(発句)が独立したのが俳句であり、かの松尾芭蕉も歌仙こそが「座の文藝」である俳句の原点と考えていた。題材の見つけ方、季語の詠み込み方、時事的な話題の扱い方など、俳句上達のヒント満載。作家、歌人、俳人による言葉の競演/饗宴を経て、感覚がみがかれていくさまを追体験する。

『卍どもえ』(2020年)

東京・青山にデザイン事務所を構える瓜生甫と妻のちづるは、セックスレスの関係にあった。ちづるはある日、知人に紹介された年下のネイリスト塩出可奈子に誘われ て、性愛の関係を結ぶ。
また甫には、旅行会社のプランナー中子毬子と古い付き合いがある。毬子の夫・中子脩は語学学校の経営者だが、女性関係が派手で夫婦の仲は冷えて久しい。中子夫妻は 自宅のパーティーに瓜生夫妻を呼び、そこでちづるは毬子と意気投合する。
後日、ちづるから毬子を紹介された可奈子は、毬子も誘って三人でホテルに行かないかと、ちづるに提案する――。

都会の喧噪の中で交わされる、優雅で淫靡な秘密のささやき。錯綜する彼らの思惑がたどり着く先とは。

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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