蝉しぐれ(藤沢周平)のあらすじ(ネタバレなし)感想

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蝉しぐれの作品情報

タイトル
蝉しぐれ
著者
藤沢周平
形式
小説
ジャンル
時代劇
執筆国
日本
版元
文藝春秋
初出
山形新聞夕刊、1986年7月9日~1987年4月11日
刊行情報
文春文庫

蝉しぐれのあらすじ(ネタバレなし)

作者

藤沢 周平 ふじさわ・しゅうへい(1927年12月26日 – 1997年1月26日)

小説家。山形県鶴岡市出身。江戸時代を舞台に、庶民や下級武士の哀歓を描いた時代小説作品を多く残した。とくに、架空の藩「海坂藩(うなさかはん)」を舞台にした作品群が有名である。代表作に『たそがれ清兵衛』『海鳴り』『蝉しぐれ』など。

蝉しぐれの刊行情報

映画版

テレビドラマ『蟬しぐれ』NHK総合「金曜時代劇」、2003年8月22日~10月3日

映画『蟬しぐれ』東宝、2005年10月1日

監督:黒土三男、出演:市川染五郎、木村佳乃、原田美枝子、緒形拳

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蝉しぐれの登場人物

牧文四郎
本作の主人公。牧助左衛門の一人息子。物語開始時15歳。義理の父・助左衛門が藩の政争に敗れ切腹させられたことにより、「反逆者の子」の烙印を押される。

小柳ふく
本作のヒロイン。牧家の隣家である小柳家の娘。物語開始時12歳。文四郎とは相思相愛の仲だが、藩主の正室に仕えるために江戸のに奥屋敷に勤めることになる。

小和田逸平
文四郎の親友。物語開始時16歳。文四郎の父が刑死して、世間が文四郎を白い目で見るようになってからも、変わらぬ友情を示し続けた。

島崎与之助
文四郎の親友。物語開始時15歳。剣の腕はさっぱりだが、居駒塾では始まって以来の秀才。

蝉しぐれの感想・解説・評価

残酷な運命を背負って武士へと成長する一人の少年の物語

本作で描かれる15歳の主人公、牧文四郎はまさに子どもから大人へ変わるその真っ直中にいる。文四郎は、文武両道に特に武である剣術の稽古に励み、隣家の娘であるふくに淡い恋心を抱き、先のことについて親友である小和田逸平や島崎与之助と語り合う。

元服を間近に予定しつつも、どこにでもいるような平凡な少年である彼が、剣術を極め、自分を高めていく中で、何を経験したのかと問われればそれは「諦めること」に他ならなかった。尊敬する父助左右衛門、恋い慕うふく、その両方をどうしようもない大きな力によって奪われてしまったのだ。

そこにあったのは、やりきれなさでも、苛立ちでもなかった。ただ諦め、悔しがり妥協する一連の行為だけであった。その結果残ったのは後悔だけである。父との対面の際、父を安心させるような、または感謝するような言葉をかけてやれなかったとの思い、江戸へ行くふくが会いに来たときには、自分の私用のために居合わせることもできなかった。それらは、将来を変えたかもしれなかったのに。

その後、文四郎は元服し一家の主になり妻を娶り子を授かる。順風満帆とは言えないまでも、普通の生活を送る。だが、そこには自分が行った行いに対する後悔はない。

決して明るい話でもないし、ハッピーエンドと言えるかどうかもわからない。だが、親子愛、友情、剣術、身分の壁など時代小説の素晴らしさが詰まった作品であることは間違いない。藤沢周平の筆が冴えた傑作であり、藤沢周平を読んでみたいという方にまずおすすめする作品だ。

合わせて読みたい本

風の果て

首席家老・桑山又左衛門の許に、ある日果たし状が届く。「恥を知る気持ちが残っているなら、決闘に応じよ」というのです。

相手は野瀬市之丞。同門・片貝道場の友人だった。戸惑いつつ、又左衛門は親友たちと過ごした日々を振り返りながら、人生で得たものと失ったものを確かめていきます。

蝉しぐれの評判・口コミ・レビュー

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