【おすすめ】バルガス=リョサの全作品を一覧であらすじを紹介します

ホルヘ・マリオ・ペドロ・バルガス・リョサ(1936年3月28日 – )

小説家。ペルー南部のアレキパに生まれる。生活のためにさまざまな職業につきながらリマの国立サンマルコス大学にて法律、文学を学ぶ。スペインのマドリード・コンプルテンセ大学にて博士号を取得。卒業後はパリでAFP通信社などに勤めた。1959年、短編集『ボスたち』でデビュー。1963年に初長編『都会と犬ども』を発表し、ビブリオテーカ・ブレーベ賞を受賞。1966年に発表した『緑の家』にて作家的地位を確立した。ボルヘス、ガルシア=マルケスと並び、ラテンアメリカ文学を代表する作家と目される。1976年から1979年、国際ペンクラブ会長。2010年にはノーベル文学賞を受賞した。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:楽園への道
  • 2位:密林の語り部
  • 3位:緑の家

作品年表リスト

※ノンフィクション作品は日本語に翻訳されたもののみ紹介しています。

『小犬たち/ボスたち』Los cachorros (1959)  

『都会と犬ども』La ciudad y los perros (1963)

『緑の家』La casa verde (1966)

インディオを手下に従えて他部族の略奪を繰り返す日本人、アマゾン奥地の村の尼僧院で暮らすインディオの少女、砂の降りしきる町に流れ着き、娼館「緑の家」を建てる盲目のハープ弾き……。広大なペルー・アマゾンを舞台に、さまざまな人間たちの姿と現実を浮かび上がらせる、物語の壮大な交響楽。現代ラテンアメリカ文学の傑作。

かなり読みにくい小説であることは間違いありません。5つのストーリーが並行に進んでいきますし、なんの説明も改行もなく過去と現在の描写が交差しつつ続いていきます。(何の説明も改行もなく細かくシーンが入れ替わるので、蛍光ペンで塗り分けたくなるほどでした。)

読んでいるうちに混乱してもくるんですが、それでもめちゃくちゃおもしろいのが不思議なところ。キャラクターが生きているし、絡み合った人間関係の中で描かれる無数のエピソードがどうなるのかが気になる小説です。

語りがいいのか、親しみのない単語を含んだ文章でも頭にスッと入ってくるんですよね。

時系列はぐちゃぐちゃ、あまりにも不親切なシーンの転換、350ページにしては多すぎるほどの登場人物、小出しにされた限定的な情報、慣れないスペイン語の固有名詞。とても読みにくい小説ですが、くらいついて読んでいけば最後には文学的感動を感じることができると思います。

『ラ・カテドラルでの対話』Conversación en La Catedral (1969)

独裁者批判、ブルジョアジー批判、父と子の確執、同性愛――。居酒屋ラ・カテドラルにおける二人の人物の会話をとおして、独裁政権下ペルーの腐敗しきった社会の現実を描く初期の代表作。「これまでに書いたすべての作品の中から一冊だけ、火事場から救い出せるのだとしたら、私はこの作品を救い出すだろう」(バルガス=リョサ)。

『疎外と叛逆 ガルシア・マルケスとバルガス・ジョサの対話』García Márquez: historia de un deicidio (1971) (dissertation at the publication was ceased in the mid-1970s)

“ラテンアメリカ小説の稀代の語り部らが、自作の秘密を明かす”(鼓直)。厳密な理論派で文学への熱い情熱を隠さないM・バルガス・ジョサと、辛辣な知性から諧謔的ユーモアを繰り出すG・ガルシア・マルケス――共にノーベル文学賞を受賞した、現代ラテンアメリカ作家の頂点2人による若かりし頃の貴重な対談。バルガス・ジョサによるガルシア・マルケス論の白眉「アラカタカからマコンドへ」、文学への誠実な態度が垣間見える「バルガス・ジョサへのインタビュー」を収録。

昔はリョサではなく、ジョサと訳されていました。

『パンタレオン大尉と女たち』Pantaleón y las visitadoras (1973)

『果てしなき饗宴 フロベールと「ボヴァリー夫人」』La orgía perpetua: Flaubert y “Madame Bovary”(1975)

『フリアとシナリオライター』La tía Julia y del escribidor (1977)

『世界終末戦争』La guerra del fin del mundo (1981)

『マイタの物語』Historia de Mayta (1984)

1958年、ペルー山間部でごく小規模な反乱があった。首謀者はトロツキー派の組合運動家、名前はマイタ。その20年後、とある作家はこの事件を小説で再現しようと、事件の証言者たちを辿ってインタビューを試みる。しかし、証言者たちの語りは食い違い、反乱の全貌は窺えないまま最後の証言者マイタの居場所を突き止めることになる……。

史実とフィクションを意図的に交錯させる大胆な手法を試みた、ノーベル賞作家によるメタ・フィクション。

『誰がパロミノ・モレーロを殺したか』¿Quién mató a Palomino Molero? (1986)

初期の傑作『緑の家』から20年後、あの懐かしき砂漠の町ピウラや主人公リトゥーマを再登場させて、推理小説仕立てのエンターティンメントの世界に新しい境地を開く。

『密林の語り部』El hablador (1987)

都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の「語り部」として転生する一人のユダヤ人青年……。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の砦を描きながら、「物語る」という行為のもっとも始原的な形である語り部の姿を通して、われわれにとって「物語」とはどのような意味を持つのかを問う傑作。

『継母礼賛』Elogio de la madrastra (1988)

美貌の継母ルクレシアを慕う、幼い息子アルフォンソ。その正体は、無垢な天使か、好色な悪魔か? 夫リゴベルトは衝撃の事実に直面する。

『嘘から出たまこと』La verdad de las mentiras: ensayos sobre la novela moderna(1990)

『アンデスのリトゥーマ』Lituma en los Andes (1993)

苛烈な〈革命〉の嵐吹き荒れるペルー。『緑の家』のアマゾンとは一転、テロリストの影に怯えながらアンデス山中に駐在する伍長リトゥーマと、愛すべき助手トマスの目の前で、三人の男が消える。彼らの身に何が起こったのか? 迷信、悪霊、暴力、正義──交錯する語りのなかに、悪夢と現実が溶け合う。ノーベル賞作家・バルガス=リョサの世界を堪能できる一作。

『水を得た魚 バルガス・ジョサ自伝』El pez en el agua. Memorias (1993)

『官能の夢 ドン・リゴベルトの手帖』Los cuadernos de don Rigoberto (1997)

『若い小説家に宛てた手紙』Cartas a un joven novelista (1997)

小説を愛するリョサが小説家を志す若い人へと向けた文章がまとめられた一冊です。小説家志望への手紙という形式で書かれており、相手を励ます内容になっています。

読んでいて感じるのは、「地道に頑張るしかないんだよ」ということ。小説は音楽や詩とは違い、若くして才能が花開くことはないと語り、長い間コツコツ書き続けた人だけが、自分の能力を超えた作品を書けるようになるのだと説いています。

自分に才能がない、自分の小説がつまらないことに失望している、それでも小説への憧れがあるという作家志望の方には大きな励みになると思います。

『チボの狂宴』La Fiesta del Chivo (2000)

1961年5月、ドミニカ共和国。31年に及ぶ圧政を敷いた稀代の独裁者、トゥルヒーリョの身に迫る暗殺計画。恐怖政治時代からその瞬間に至るまで、さらにその後の混乱する共和国の姿を、待ち伏せる暗殺者たち、トゥルヒーリョの腹心ら、排除された元腹心の娘、そしてトゥルヒーリョ自身など、さまざまな視点から複眼的に描き出す、圧倒的な大長篇小説! 2010年度ノーベル文学賞受賞!

『楽園への道』El Paraíso en la otra esquina (2003)

ゴーギャンとその祖母で革命家のフローラ・トリスタン。飽くことなく自由への道を求め続けた二人の反逆者の激動の生涯を、異なる時空を見事につなぎながら壮大な物語として描いたノーベル賞作家の代表作。

『悪い娘の悪戯』Travesuras de la niña mala (2006)

50年代ペルー、60年代パリ、70年代ロンドン、80年代マドリッド、そして東京……。世界各地の大都市を舞台に、ひとりの男がひとりの女に捧げた、40年に及ぶ濃密かつ凄絶な愛の軌跡。ノーベル文学賞受賞作家が描き出す、あまりにも壮大な恋愛小説。

『つつましい英雄』El sueño del celta (2010)

ノーベル賞作家最新作。マフィアに屈しなかった実在の人物がモデルの章と、大金持ちの老人の破天荒な結婚を巡る章が交互に展開。

『シンコ・エスキーナス街の罠』Cinco esquinas (2016)

ノーベル賞作家最新作。ペルーの大富豪がゴシップ誌に乱交写真をネタに脅迫されるが、その背後には国家の恐るべき闇が隠されていた。

『プリンストン大学で文学/政治を語る バルガス=リョサ特別講義』(2019)

キューバ革命、ペルー大統領選、ドミニカの独裁政治など、ノーベル賞作家が自らの足跡も交えて政治・暴力と文学の密接な関係を語る。

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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