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Vシリーズ1作目。
作品情報
- タイトル
- 黒猫の三角
- 著者
- 森博嗣
- 形式
- 小説
- ジャンル
- ミステリ
- 執筆国
- 日本
- 版元
- 講談社
- 初出
- 書き下ろし
- 刊行情報
- 講談社文庫
あらすじ・概要(ネタバレなし)
1年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、6月6日、44歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。
森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第1作、待望の文庫化。
目次
- プロローグ
- 全8章
- エピローグ
作者
森 博嗣 もり・ひろし(1957年12月7日 – )
小説家。愛知県生まれ。東海中学校・高等学校を経て、名古屋大学工学部建築学科卒、名古屋大学大学院修士課程修了。工学博士。1995年に初めての小説『冷たい密室と博士たち』を執筆。メフィストに投稿し、編集部から高い評価を受ける。第4作『すべてがFになる』に合わせ編集部がメフィスト賞の開催を決定。同作が第1回メフィスト賞受賞作となり、デビューを飾った。
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刊行情報
- 1999年5月 講談社ノベルス
- 2002年7月 講談社文庫
漫画版
那古野市では、ある規則にもとづき1年に一度、連続殺人が起きていた。アパートに阿漕荘に住む、探偵・保呂草潤平のもとへ入った依頼。それは、脅迫状に怯える家主。小田原静江の警護だった。保呂草は、阿漕荘に住む個性的な住民たちと共に、静江の警護にあたるが…!? この世で最も華麗な連続殺人の幕が上がる!!
登場人物
瀬在丸紅子(せざいまる べにこ)
元旧家の令嬢にして自称科学者。本シリーズの探偵役。かつては旧家の令嬢であり、桜鳴六画邸と呼ばれる屋敷に住んでいたが、瀬在丸家が落ちぶれてしまったことで、現在は市が管理する桜鳴六画邸の敷地内にある無言亭と呼ばれる小屋で、一人息子と執事と共に、細々と暮らしている。
保呂草潤平(ほろくさ じゅんぺい)
無言亭の近所に位置するアパート、「阿漕荘」の住人。私立探偵と便利屋を兼業している。他人の前では飄々とした態度をとるが、非常に頭のきれる冷静沈着な人物でもある。
小鳥遊練無(たかなし ねりな)
無言亭の近所に位置するアパート、「阿漕荘」の住人。国立N大学医学部二年生。女性的な性格の持ち主で、男性でありながら女装癖があり、スカートが広がるファンシーな服装を好む。その一方で少林寺拳法の心得もあり、その実力はかなりのもの。
香具山紫子(かぐやま むらさきこ)
無言亭の近所に位置するアパート、「阿漕荘」の住人。神戸出身のため、関西弁。私立女子大生で文芸学部だが、ろくに大学には行っていない。男っぽい性格をしており、長身でショートカット、ボーイッシュな服装を好む。練無からは「しこさん」、保呂草からは「しこちゃん」と呼ばれている。
根来機千瑛(ねごろ きちえい)
瀬在丸家の執事。今は無言亭で1人で紅子を支えている。格闘家であり、練無の少林寺拳法の師匠。
書評・感想・解説
#森博嗣「黒猫の三角」#読了
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年5月13日
☆☆☆☆★
Vシリーズ第1作。それまでのS&Mシリーズから登場人物を一新。どことなく四季博士や萌絵を思わせるインテリな瀬在丸紅子や探偵・保呂草潤平など個性的な面々が印象的。凝ったトリックのミステリというよりも、キャラの掛け合いが楽しいhttps://t.co/yQ5nqUIj7t pic.twitter.com/19tGQqPQOL
犯人は意外だったものの、トリックはちょっとチープかなとも。よく言えば現実的だとも思いますけど。
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年5月13日
最大の不満は、トリックや犯人に直結する証言が登場人物の間でそれほど吟味されず、他の点が検証されたこと。真相を探る登場人物たちがその点をスルーしたのが恣意的に感じました。
楽しいのはS&Mシリーズからしている作者の死生観や世界の認識なんかを読むところ。その間は本筋の事件に関する話は進まないんですが、そんなこと全然気にならないんですよね。それが見事。
— 右手@ものかき (@migite1924) 2020年5月13日
一風変わった名前のキャラと言い、普段ミステリを読まない人でも楽しめる作品だ思いました。
個性豊かなキャラクターが多数登場する新シリーズ第1作
「黒猫の三角」はVシリーズ第1作。それまでのS&Mシリーズから登場人物を一新されています。その中でも魅力的なのは探偵役でもある瀬在丸紅子。科学者でもある彼女は、どことなく四季博士や萌絵を思わせるインテリな理系美女といった趣。口調も男性的でもあり、優雅でもあり、読んでいて楽しい存在です。
「黒猫の三角」で描かれるのは一定の規則を持った連続殺人事件。共通の凶器と法則性のある日付と被害者を持つ事件に登場人物たちが挑むことになります。
個人的な印象としては凝ったトリックのミステリというよりも、キャラの掛け合いが楽しいミステリ作品だなと感じました。作中で保呂草が言っているように個性的な面々が登場し、事件について推測を重ねていきます。キャラの名前が少し変わっていることもその傾向を強めているかもしれません。
おもしろい小説ですが、不満だった点を挙げるとすれば、事件やトリックについての掘り下げ方がイマイチだったかなと。登場人物たちが集まって予想を話し合うシーンがあるんですが、それほど掘り下げられるわけでもないなと感じてしまいました。
とくに真犯人やトリックに直結しそうな証言について充分に触れられなかったのは残念。読者的にも一番引っかかる証言が、登場人物たちの間ではそれほど語られなかったのはあり得ないだろうと思いました。とくに鋭い紅子なら気になるポイントだと思うんですが。
合わせて読みたい本
すべてがFになる
デビュー作であり、S&Mシリーズの一作目です。
ネタバレを見ることなく読んでほしい作品です。理系の知的な会話。犀川&萌絵の気になる関係。きっとシリーズが読みたくなると思います。
もっと読むすべてがFになる(森博嗣)のあらすじ(ネタバレあり)・感想
評判・口コミ・レビュー
「黒猫の三角」森博嗣読了。
— おとは@読書垢 (@pyhd32UT7oLsPQt) 2019年10月9日
Vシリーズ一作目。
面白かった!意外な犯人!
ネタバレ禁止の作品ですね。
森哲学の様な会話が楽しい。
理系作家さんならではの蘊蓄も楽しい。二作目も読みたいです。#読書好きと繋がりたい pic.twitter.com/knz4MWrTMF
黒猫の三角 / 森博嗣 #読了
— 名無し。 (@ihsanan1239) 2019年8月11日
年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環境のも密室で静江は殺されてしまう。 pic.twitter.com/hcsK1CKzWa
森博嗣『黒猫の三角 Delta in the Darkness』読了。衆人環視かつ鍵の掛かった密室での絞殺事件。どうやら規則的に起きている連続殺人であるらしく……。不可解で魅力的な謎に翻弄されると共に、凸凹なカルテットのチーム感も存分に堪能した。どこか浮世離れした雰囲気が大好きだ。続きもとても楽しみ。
— りこ (@pistolstar_1742) 2019年8月1日
『黒猫の三角』(森博嗣)#読了
— ヤマシタ (@Yamashitanakato) 2018年8月30日
探偵の保呂草は護衛の依頼を受け、同じアパートの住人と共に屋敷を監視する。パーティーの最中に起こった抜け道の無い密室殺人。
一作目でシリーズの虜になった。密室トリックにはアンフェアさがあるが、それを不満には思わない。見事に騙されたことが喜ばしかった。 pic.twitter.com/5YIGaGHHdd
森博嗣さん著
— なつ (@Summer_river_s) 2020年3月9日
「黒猫の三角」#読了
探偵、男の娘、京言葉のモラトリアム女学生、謎多き美人を始めとする一癖も二癖もある登場人物
その中でも軽やかさが消えないのは、言葉遊びと魅力的な謎のお陰かな☺️✨
頭にクラシックが流れる。ロジカルで、複雑で、美しい。
理屈は思考を狭める、いい言葉。 pic.twitter.com/HFM2LxqLuu