【おすすめ】スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの全作品を一覧であらすじを紹介します

スヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ・アレクシエーヴィッチ Svetlana Alexandrovna Alexievich(1948年5月31日 – )

作家、ジャーナリスト。ウクライナ・ソビエト社会主義共和国生まれ。ベラルーシ人の父とウクライナ人の母をもつ。父親が第二次世界大戦後に軍隊を除隊すると、ベラルーシ・ソビエト社会主義共和国に移住した。ベラルーシ大学でジャーナリズムを専攻し、卒業後はジャーナリストとして活動。『チェルノブイリの祈り』は、大勝利賞(ロシア)、ヨーロッパ相互理解賞(ライプツィヒ)、最優秀政治書籍賞(ドイツ)、クルト・トゥホルスキー賞(スウェーデン)、第30回全米批評家協会賞ノンフィクション部門(アメリカ)出版協会平和賞(ドイツ)など各国の賞を総なめにするが、ベラルーシでの出版は独裁政権による言論統制のために取り消された。2015年、ジャーナリストとして初めてノーベル文学賞を受賞した。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:戦争は女の顔をしていない
  • 2位:チェルノブイリの祈り
  • 3位:セカンドハンドの時代

作品年表リスト

※邦訳作品のみ紹介しています。

『戦争は女の顔をしていない』У ВОЙНЫ НЕ ЖЕНСКОЕ ЛИЦО (1985)

ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――。500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞作家の主著。

200万部を売り上げた著者の代表作です。

『ボタン穴から見た戦争』ПОСЛЕДНИЕ СВИДЕТЕЛИ (1985)

1941年にナチス・ドイツの侵攻を受けたソ連白ロシア(ベラルーシ)では数百の村々で村人が納屋に閉じ込められ焼き殺された。約40年後、当時15歳以下の子供だった人たちに、戦争の記憶がどう刻まれているかをインタビューした戦争証言集。従軍女性の声を集めた『戦争は女の顔をしていない』に続く、ノーベル文学賞作家の代表作。

『アフガン帰還兵の証言』ЦИНКОВЫЕ МАЛЬЧИКИ (1991)

『死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録』Зачарованные смертью (1994)

ソ連崩壊に際して、社会主義思想が世界から消え失せたことに耐えられず、自殺した人、自殺未遂を起こした人の記録です。

世の中は常に変化していくわけですが、その新たな世界を受け入れることができるかどうかはその人次第です。本作は受け入れることのできなかった人々を描いています。

『チェルノブイリの祈り』ЧЕРНОБЫЛЬСКАЯ МОЛИТВА. ХРОНИКА БУДУЩЕГО (1997)

1986年の巨大原発事故に遭遇した人々の悲しみと衝撃とは何か。本書は普通の人々が黙してきたことを、被災地での丹念な取材で描く珠玉のドキュメント。汚染地に留まり続ける老婆。酒の力を借りて事故処理作業に従事する男、戦火の故郷を離れて汚染地で暮らす若者。四半世紀後の福島原発事故の渦中に、チェルノブイリの真実が蘇える。

世界各国で翻訳され、ロシア、ドイツ、フランスなど世界各国で大反響を巻き起こしました。多数の賞も受賞しています。

ベラルーシはソ連が崩壊したのちも民主化に移行せず、独裁構造を構築しつつあります。その国の真実を追求しようとする著者の姿勢が表れています。

『セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと』Время секонд хэнд (2013)

1991年、ソ連が崩壊した。20世紀の壮大な実験ともいわれるこの国での日々は、人びとの心になにを残したのだろうか。共産主義下の暮らしを生きていた人間の声を書き残すべく、作家はソ連崩壊直後から20年以上にわたって数多くの聞き取りをおこなった。自殺者の家族、収容所の経験者、クレムリンの元幹部、民族紛争を逃れた難民、地下鉄テロの被害者、デモに参加して逮捕拘禁された学生。街頭や台所で交わされ響きあう幾多の声から、「使い古し(セカンドハンド)の時代」に生きる人びとの姿が浮かび上がる――。21世紀に頭をもたげる抑圧的な国家像をとらえたインタビュー集。著者のライフワーク「ユートピアの声」完結作。

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