【おすすめ】山田花子の全作品を一覧であらすじを紹介します

山田 花子 やまだ・はなこ(1967年6月10日 – 1992年5月24日)

漫画家。本名、高市由美(たかいちゆみ)。自身のいじめ体験をベースに人間関係における抑圧、差別意識、疎外感をテーマにしたギャグ漫画を描いて世の中の矛盾を問い続けたが、中学2年生の時から患っていた人間不信が悪化、1992年3月には精神分裂病と診断される。2ヵ月半の入院生活を経て5月23日に退院。翌24日夕刻、団地11階から投身自殺。24歳没。

山田花子の作品年表リスト

神の悪フザケ(1989年5月)

同タイトルの初期作品集に加え、初収録作品を収録。山田花子作品集復刻第二弾。著者がもっとも好んでいた登場人物「たまみ」と「桃子」が登場する表題作、また、小学生時に感動したという新美南吉の「ごんぎつね」をそのままマンガに起こした作品、「神の悪フザケ」のラフも収録。

嘆きの天使(1990年8月)

こうあらねばならぬという世間の常識と、建前を巧く演技できない自分の姿との乖離と、こう思われたくないという視線恐怖の苦しみと。「普通」ならここではこう思わないといけないという規範と、そう思えない自分の本音との隔絶と。
まっとうな生の場ではぎくしゃくする厄介者の心安らかな幸福はもはや死しかないのか。1992年、24歳で自らの命を絶った伝説の漫画家、山田花子の非凡で非情な観察眼が冴え渡る傑作短編集。

花咲ける孤独(1993年1月)

“バカ”“ブサイク”“ビンボウ”の三重苦を抱え、クラス全員からゲロ呼ばわりされる山田花吉と、彼にしか見えない美少女ヒカルが主人公の、「ノゾミカナエタマエ」シリーズ、オーダーが上手く取れないなどの理由でクビとなる喫茶店アルバイトの経験を描いた、「心の暗闇」シリーズをはじめ、「マリアの肛門」「みんな燃えてしまえ」「悲しきダメ人間」など、ヤングチャンピオンやガロに発表の短編を中心に編まれた『花咲ける孤独』。

対人関係に疎外と鬱屈を抱えながらも爆発できず遂には自家中毒を起こしてしまった作家の観察眼は、現在も古びていない。
何気ない日常生活に潜む些細な心の動きを鋭く炙り出し、人間の見たくない部分を突き付ける傑作オムニバス集。

自殺直前日記(1996年6月)

漫画家・山田花子は1980年代半ば〜90年代前半、『ヤングマガジン』『ガロ』等で発表した“いじめ”という主題をベースに生きづらさを描いた作品で人気を博すが、繊細過ぎる性格ゆえ精神を患い、自死に至る。
1992年5月24日没。享年24。
自殺直前まで綴った日記は、出版後ベストセラーに。
残された漫画作品は現在も読み継がれている。
伝説の日記を“底本”として復刊 !

1992年に、高層住宅の11階から飛び降り自殺し、24年の短い生涯を終えた漫画家・山田花子の書き遺した日記をまとめたものです。

漫画家としてはいじめや疎外感を描いたものが多いですが、日記に書かれた自身の体験も似たようなものだったようです。日記だけに実際に体験したエピソードが並んでおり、読んでいくと気分が沈みますが、妙に惹きつけられるものがあります。
>>自殺直前日記(山田花子)の概要・解説・感想

魂のアソコ(1996年7月)

中3から高1まで、裏町かもめ名義で『なかよし』に連載したマンガ、アマチュア時代の習作、コラム、インタビュー、マンガ制作メモ、肉筆日記、写真、図画等々、一部を新たなものと差し替えた改訂普及版。
24年の短い生涯で花開き散った、山田花子の多彩な才能を多方面から再検証する。

からっぽの世界(1998年1月)

その繊細過ぎる観察眼は、他者からの言動をこじらせ、自己をこじらせ、人間関係をこじらせていく…

山田花子はよく、立場の弱く他の人に上手く馴染めない人を主人公に据えた、「いじめ」の物語を描くが、根底のところは、「他者の視線」と「人間のヒエラルキー」が執拗にテーマとなっている。

ヒエラルキー上位の者は、下位の者へ、無意識に、横柄な態度や、“あなたのことを思った”説教をしたがり、下位の者は、たとえムッとしてもそれに耐えてしまう。

下位の者は更に下位の者に、“自分の仲間”だと思われないように——取り入られないように気をつけなければならない新学期。

しかし、彼女の自意識は、「周りにどう思われるか」を更に進んで、「周りにこう思われている自分を自分がどう思うか」というところまで拗らせているから、弱い者をはねつけることもできない。

結果、上位の者には“自然に”居丈高にされ、下位の者には“うっかり”寄生されてしまう……。生きることに絶望しそうになったあなたに寄り添う最後の友として。

『からっぽの世界』では、<人の道シリーズ><花子の女子高生日記>など、学生生活の鬱屈、男女関係に含まれる権力構造を描いた珠玉の傑作短編を収録。

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