【おすすめ】あさのあつこの全作品を一覧であらすじを紹介します

あさの あつこ(1954年9月14日 – )

小説家、児童文学作家。岡山県英田郡美作町出身。10代のころからよく本を読むようになり、作家を志すようになった。青山学院大学文学部卒業。卒業後は小学校の臨時教諭や、歯科医の夫の仕事を手伝う日々を送る。36歳で「季節風」同人となり、「季節風」に連載した『ほたる館物語』が認められ作家デビュー。1997年、代表作『バッテリー』で野間児童文芸賞を受賞しベストセラーになる。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:テレパシー少女「蘭」事件ノート
  • 2位:ガールズ・ブルー
  • 3位:The MANZAI

作品年表リスト

ほたる館物語(1991年~1992年)

温泉町にある老舗旅館「ほたる館」の孫娘・一子は、物怖じしな
いはっきりとした性格。昔ながらの旅館に集う個性豊かな人々や親友の雪美ちゃんに囲まれ、一子は、さまざまな経験を重ね少しずつ成長していく。家族や友達を思いやり、ときには反発しながらも、まっすぐに向き合っていく少女たちの純粋さが眩しい物語を2編収録。著者デビュー作シリーズ第一弾。

  • 1991年 – 1992年 新日本出版社 全3巻
  • 2004年 ジャイブ・カラフル文庫 全3巻
  • 2007年 ジャイブ・ピュアフル文庫 全2巻

バッテリー(1996年~2005年)

「そうだ、本気になれよ。本気で向かってこい。――関係ないこと全部すてて、おれの球だけを見ろよ」岡山県境の地方都市、新田に引っ越してきた原田巧。天才ピッチャーとしての才能に絶大な自信を持つ巧の前に、同級生の永倉豪が現れ、彼とバッテリーを組むことを熱望する。『これは本当に児童書なのか!?』ジャンルを越え、大人も子どもも夢中にさせたあの話題作が、ついに待望の電子化!

  • 1996年 – 2005年 教育画劇 全6巻
  • 2003年 – 2007年 角川文庫 全6巻
  • 2010年 – 2012年 角川つばさ文庫 全6巻

ラブ・レター(1998年)

【きらきら光る緑のなかを、さわやかな思いが吹きぬける】
ラブレターがはやっていた。愛美も便せんと封筒を買った。
クラスの楽くんに書きたいと思った。
馬が大好きで、茶色っぽいきれいな髪をした、笑顔がかわいい男の子。
学校での手紙のやりとりは禁止と先生は言うけれど、
「楽くんへ—-」愛美は書き始めた。
手紙にたくした女の子のみずみずしい思いをあさのあつこが描く。

スポットライトをぼくらに(1998年)

「寂しい大人になりたくない」吉谷美鈴。
「馬鹿な大人になりたくない」雨宮達彦。
「ぼくは一体、どんな大人になりたいんだろう」と、本書の主人公・秋庭樹。

中学2年の4月、進路指導調査書を白紙で提出したことを、担任からとがめられ、樹は自分の将来について、否応なしに考え始める。
実業家である父親は、小さな建設会社を足場に、高利の貸付、土地の売買、レストラン・スナックの経営などで成功をおさめていたが、地元の人からはよく思われてない。
父が経営する店の一つ、トップレスバー〈フラワーヘブン〉の踊り子・ナンシーさんの踊りを見て以来、彼女のことが気になって仕方がない――。

幼なじみである、成績抜群なのにどこか冷めている達彦・病弱な母に変わって家庭をやりくりする美鈴。地方都市の小さな町を舞台に、中学2年生の幼馴染み3人組が、迷い、悩み、成長していく姿を瑞々しく描く。

文庫化を機に、19年ぶりに大幅改稿。5年後の3人を描いた中篇「フラワーヘブン」を特別収録。あさのあつこの原点ともいえる、傑作青春小説。

どばぴょん(1999年)

タンポポ空地のツキノワ(1999年)

【黒ネコがとりもつ新たな出会いは、一筋縄ではいきません】
右の耳が半分ちぎれて、金色の目がぴかっと光る黒ネコのツキノワ。
タワシのような太いしっぽをピンと立てて歩く姿を追ってゆくと……。
タンポポが一面に咲く空地で、真由子は、
黒いワンピースを着た不思議な女の子・小原さんに出会った。
ふてぶてしいツキノワとみもふたもないほど愛想のない小原さん、
真由子は友だちになれる?

THE MANZAI(1999年~2010年)

中学二年の秋、転校生の歩はクラスメートの秋本に呼び出され、突然の告白を受ける。「おれとつきおうてくれ!」だがしかし、おまえもぼくもれっきとした男だろう! 驚愕のあと嫌悪する歩に、秋本は漫才コンビの話だと言って熱烈アプローチ。全身全霊で断る歩だったが、一方的に秋本のペースに呑まれ折しも秋の文化祭、劇『ロミオとジュリエット』を漫才でやる羽目に……。

なんでそんなにぼくに構うんだよ、ぼくなんてこんなにつまらない人間なのに…。歩は前の学校で不登校になり、諍いになった両親の気分を変えようと姉が父をドライブに連れ出して事故死してしまった。遺された母と二人、母の実家近くに引越してきたが、歩の時間は止まっていた。しかし、秋本と出会ってから自分の時計の針が動き出すのを感じていた……。繊細かつユーモラスに描いた青春小説シリーズ第一弾。

  • ジャイブ・カラフル文庫 全6巻
  • 2005年 – 2010年 ジャイブ・ピュアフル文庫 全6巻
  • 2016年 ポプラ文庫ピュアフル 上中下
  • 【改題】The MANZAI 十五歳の章(2018年6月 角川文庫 上下)
  • The MANZAI 十六歳の章(2018年7月 角川文庫)

テレパシー少女「蘭」事件ノート(1999年3月~2008年7月)

蘭は超能力を持っている。といっても、本人にその自覚はあまりない。ところが、転校生の翠と知りあって以来、背すじがぞっとするような視線を感じたり、謎の怪人におそわれたりと、おかしなことがおこったため、のんきな蘭も、ついに調査にのりだした。事件のむこうに見えた真実とはなにか? そして超能力対決の結末は? 蘭とユニークな仲間たちが活躍するSFミステリー。

  • ねらわれた街(1999年3月 青い鳥文庫)
  • 闇からのささやき(2000年6月 青い鳥文庫)
  • 私の中に何かがいる(2001年6月 青い鳥文庫)
  • 時を超えるSOS(2002年2月 青い鳥文庫)
  • 髑髏は知っていた(2003年2月 青い鳥文庫)
  • 人面瘡は夜笑う(2004年2月 青い鳥文庫)
  • ゴースト館の謎(2005年2月 青い鳥文庫)
  • さらわれた花嫁(2006年3月 青い鳥文庫)
  • 宇宙からの訪問者(2008年7月 青い鳥文庫)

いえででんしゃ(2000年~2008年)

  • いえででんしゃ(2000年)
  • いえででんしゃはこしょうちゅう?(2004年)
  • いえででんしゃはがんばります。(2008年)

新ほたる館物語(2002年)

ほたる館を手伝っていた一子は、突然特別室に予約を入れた一条さん一家に違和感を覚え・・・。シリーズ完結編。

ぼくらの心霊スポット(2002年~2004年)

ヒロの右側のほっぺたがぴりぴりした時は、要注意!! 仲良しのかっちゃん、マッキ―と3人で、幽霊が出るとうわさの屋敷を探検していたヒロだけど、井戸のふちにひっかかった人間の手のようなものを見てしまい…!

  • ぼくらの心霊スポット(2002年 / 2006年 第2巻との合本 / 2009年)
  • 首つりツリーのなぞ(2004年 / 2006年 第1巻との合本 / 2011年)
  • 真夏の悪夢(2004年 / 2011年)

「ガールズ・ブルー」シリーズ(2003年~2008年)

「けどさ、あたし、夢とかないし。特になりたいものとかないし、就職とか言われても困るよね。あたし、ずっと稲野原の生徒でいたいなあ」落ちこぼれ高校に通う理穂、美咲、如月。17歳の誕生日を目前に、理穂は失恋。身体が弱く入院を繰り返す美咲は、同情されるのが大嫌い。授業中も寝てばかりの如月は、天才野球選手の兄・睦月と何かと比較される。それでもお構いなしに、夏は輝いていた。『バッテリー』のあさのあつこによる、切なくて透明な青春群像小説!

  • ガールズ・ブルー(2003年 ポプラ社 / 2006年 文春文庫 / 2008年 ポプラ文庫)
  • ガールズ・ブルーII(2008年 ポプラ文庫 / 2009年 ポプラ社 / 2009年 文春文庫)

もっと読むガールズ・ブルーⅡ(あさのあつこ)のあらすじ(ネタバレ)・解説・感想

NO.6(2003年~2011年)

『バッテリー』のあさのあつこが描く「破滅」と「希望」の物語
2013年の理想都市《NO.6》を舞台に2人の少年の運命が交錯する!

2013年の未来都市《NO.6》。人類の理想を実現した街で、2歳の時から最高ランクのエリートとして育てられた紫苑は、12歳の誕生日の夜、「ネズミ」と名乗る少年に出会ってから運命が急転回。どうしてあの夜、ぼくは窓を開けてしまったんだろう? 飢えることも、嘆くことも、戦いも知らずに済んだのに……。

  • 2003年 – 2011年 YA!ENTERTAINMENT 全9巻
  • 2006年 – 2014年 講談社文庫 全9巻

えりなの青い空(2004年)

光と闇の旅人(2005年1月~2017年3月)

あさの作品のすべての魅力が詰まった
待望の新エンターテイメント・シリーズ、登場!

「命をかけて、守ってみせる」

地方都市で続出する不穏な事件。
〈闇の力〉と戦う使命を負った、引っ込み思案な
少女・結祈の運命が動き出す――

  • 時空ハンターYUKI 1(2005年1月 ジャイブ・カラフル文庫)
  • 【改題】光と闇の旅人I 暗き夢に閉ざされた街(2010年5月 ポプラ文庫ピュアフル)
  • 時空ハンターYUKI 2(2005年9月 ジャイブ・カラフル文庫)
  • 【改題】光と闇の旅人II 時空の彼方へ(2010年11月 ポプラ文庫ピュアフル)
  • 光と闇の旅人III 決戦のとき(2017年3月 ポプラ文庫ピュアフル)

福音の少年(2005年)

16歳の明帆は同級生の藍子と付き合っている。だが二人はすれ違ってばかりで、明帆は藍子の幼なじみの少年・陽に近づいていく。ある日、藍子のアパートが火事で全焼し、藍子も焼死体で発見される。不可解さを感じ、真相を探る明帆と陽だが――。「死んでほしゅうない。おまえに生きていてほしい。おれは、おまえを失いたくないんや」友情でもなく、同情でもなく、仲間意識でもない。少年たちの絆と闇に迫る、著者渾身の物語!

「白兎」シリーズ(2005年4月~2012年9月)

一時の絶望に駆られ、行きずりの女を絞殺した吉行明敬。殺人現場から離れようと自動車で山道を走る途中、彼は古臭いおかっぱ頭の幼女を連れた、白兎(はくと)と名乗る不思議な少年に出会う。「お家に帰る」という幼女と、付き添いだという少年。やむをえず2人を車に乗せ山間の温泉宿にたどり着くが、吉行は白兎たちの不可思議な言動に混乱していく。

  • 透明な旅路と(2005年4月 講談社)
  • 【改題】白兎1 透明な旅路と(2012年9月 講談社)
  • 地に埋もれて(2006年3月 講談社)
  • 【改題】白兎2 地に埋もれて(2012年9月 講談社)
  • 白兎3 蜃楼の主(2012年9月 講談社)
  • 白兎4 天国という名の組曲(2012年9月 講談社)

「弥勒」シリーズ(2006年2月~2019年5月)

小間物問屋・遠野屋(とおのや)の若おかみ・おりんの水死体が発見された。同心・木暮信次郎(こぐれしんじろう)は、妻の検分に立ち会った遠野屋主人・清之助(せいのすけ)の眼差しに違和感を覚える。ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之助に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治(いさじ)とともに、事件を追い始める……。“闇”と“乾き”しか知らぬ男たちが、救済の先に見たものとは? 哀感溢れる時代小説!

  • 弥勒の月(2006年2月 光文社 / 2008年8月 光文社文庫)
  • 夜叉桜(2007年9月 光文社 / 2009年11月 光文社文庫)
  • 木練柿(2009年10月 光文社 / 2012年1月 光文社文庫)
  • 東雲の途(2012年2月 光文社 / 2014年8月 光文社文庫)
  • 冬天の昴(2014年3月 光文社 / 2016年11月 光文社文庫)
  • 地に巣くう(2015年11月 光文社 / 2018年2月 光文社文庫)
  • 花を呑む(2017年1月 光文社 / 2019年2月 光文社文庫)
  • 雲の果(2018年5月 光文社 / 2020年2月 光文社文庫)
  • 鬼を待つ(2019年5月 光文社)

ありふれた風景画(2006年)

高2の琉璃は「ウリをやっている」という噂を流され、上級生に絡まれていたところを美少女・綾目周子に助けられる。周子もまた、動物や自然の声と対話ができるという特異な能力をもつために、周囲から浮いた存在だった。2人は魅かれあい、互いをかけがえのない存在として純粋に求めていくが――。親、姉妹、異性…一筋縄ではいかない関係性に悩む10代女子の、脆くてフキゲンな日常。大ヒット「バッテリー」シリーズのあさのあつこが贈る、瑞々しい青春小説!

風の館の物語(2007年~2010年)

母親の入院で、しばらくの間、田舎の親戚の家に世話になることになった小学6年生の水内洵と5歳の妹・沙菜。姉妹が訪れたその家は、地元の人たちが「風の館」と呼ぶ大なお屋敷だった。
突然、台風のような激しい風が部屋に吹き込んでくるなどの不思議な現象にとまどいながらも、どうにか館での暮らしに慣れてきたある夜、洵の前に少年の幽霊があらわれる。
その翌日、それまで洵と会うことを拒んでいた館主の主、風間琴音が洵たちを自室に招き入れる–。

  • 講談社 全4巻
  • 2013年 1 – 4 青い鳥文庫

あかね色の風 / ラブ・レター(2007年)

陸上部で怪我をして自棄になっている遠子のクラスに転校生の千絵がやってきた。複雑な家庭の事情も屈託なく話す千絵に、遠子は不思議な魅力を感じる。二人の友情と成長を描いた「あかね色の風」。大好きなクラスメイトに手紙を出そうとする愛美の純粋な想いを綴った「ラブ・レター」。思春期の少女達の揺れる感情を照らし出す、青春小説の金字塔。

舞は10さいです。(2007年)

【秘密をもつあなたへ、すてきな友だちと出会えますように…】
舞は4年生。
ママのおしゃべりのせいで、おねしょしたことをクラスのなおみちゃんに知られてしまった!
学校に行くのがこわい。
「だれにもいわないで」そうなおみちゃんに話しかける勇気が出せない…。
秘密を知られてしまった女の子の心模様をやさしく描くあさのあつこの作品が、
おしゃれでハンディーな新装版に!

晩夏のプレイボール(2007年)

「野球っておもしろいんだ」――甲子園常連の強豪高校でなくても、自分の夢を友に託すことになっても、女の子であっても、いくつになっても、関係ない…。野球を愛する者、それぞれの夏の甲子園を描く十の傑作短編。

楓子と悠の物語 12歳 出会いの季節(2007年)

ピュアでノスタルジックな、感動の物語!
12歳の少年と少女の、奇跡の出会い。

楓子は、小学校最後の春休み、亡くなった母親の故郷に引っ越すことになった。そこでは、古い洋館に住むことになったが、楓子はその洋館に足を踏み入れたとたん、あざやかに古い記憶がよみがえってきた。楓子は、ここに来たことがあったのだ。そして、楓子は不思議な少年と出会う。彼とも、会ったことがあるような気がするが……!?

近未来入門!(2007年)共著 福江純

抱腹絶倒!人気作家VS天文学者!
宇宙で暮らし、異星人と恋に落ちる日も近い?

地球はこれからどうなる? 宇宙で暮らすと、人間はどう変わる? 水のある惑星に住む宇宙人は、どんな生物? 人気作家・あさのあつこが「今度SFを書くときのために」という想定のもと、好奇心いっぱいの質問を連発! 答えるのは、SFにも造詣が深い、大阪教育大学教授・福江純。刺激あふれる知的創造の現場がここにある。

なによりも大切なこと (心の友だち)(2007年)作品フレーズとエッセイ

「10代って、残酷な時間なんだ。否応なく全てが変わっていく。変らされてしまう。留まることは許されず、立ち止まることも許されない。ただ、前へ、前へ、先へ、先へと進むだけだ。急流に浮かぶ小舟みたいだ」「人間てな、十年も生きていたら、たいていのことはできるよ。やる気さえあったらできるよ」—-友だち、将来の夢、恋愛、自分のことを考える言葉を『バッテリー』『NO.6』など、あさのあつこの人気作品から集めました。

10代の揺れる思い、強い気持ち、ドキドキする言葉と、読者に語りかけるような、読者を包みこむような、あさのあつこさんの書き下ろしエッセイを収録しました。そして、多数挿入されたとっても素敵なカラーイラストのどこかに、あなたが見つかるかもしれません。
どんなふうに生きていきたいか ?どんな大人になりたいか ?あさのあつこの世界をコンパクトな1冊にした10代のための、おまもりのようなメッセージブックです。

ラスト・イニング(2007年2月)

大人気シリーズ「バッテリー」屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語られる、彼らのその後の物語。新田東中と横手二中。運命の試合が再開された! ファン必携の一冊!

『バッテリー』の続編スピンオフ。

「ランナー」シリーズ(2007年6月~2018年10月)

長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李は、家庭の事情から陸上部を退部しようとする。だがそれは、一度レースで負けただけで、走ることが恐怖となってしまった自分への言い訳にすぎなかった。逃げたままでは前に進めない。碧李は再びスタートラインを目指そうとする――。少年の焦燥と躍動する姿を描いた、青春小説の新たなる傑作!

  • ランナー(2007年6月 幻冬舎 / 2010年4月 幻冬舎文庫)
  • スパイクス(2011年4月 幻冬舎 / 2013年4月 幻冬舎文庫)
  • レーン(2013年5月 幻冬舎 / 2016年8月 幻冬舎文庫)
  • ラストラン(2018年10月 幻冬舎)

十二の嘘と十二の真実(2007年10月)

美しい王妃は侍女ツルの言葉によって、しだいに圧政者となり、人の道から外れてゆく。そして現代の小さな街に住む老女との関わりは?  時代はうねる。物語が生まれる。寓意が深まる。「わたしは、人の心にとり憑いて、わたしにとり憑かれるような心を持った人間を滅ぼしてやるの。人間を滅ぼすほど面白いことはないものね。え? 恐ろしいって? わたしのこと?」毒のあるファンタジー!

ぬばたま(2008年1月)

ときどき、こんな人がいるのです。山に入ったまま、帰って来られなくなってしまった人が──。仕事も家族も失い、絶望のうちに山を彷徨う男が見た恐ろしい幻影。少女の頃に恋した少年を山で失った女の、凄絶な復讐。山で見たおぞましい光景が狂わせた、幼なじみ三人の運命。死者の姿が見える男女の、不思議な出会い。闇と光、生と死、恐怖と陶酔が混じり合う、四つの幻想的な物語。

金色の野辺に唄う(2008年5月)

稲穂が金色に輝き、風に揺れてシャラシャラと唄を奏でる山陰の秋。
娘の奈緒子、孫の嫁・美代子、曾孫・東真、近所の花屋の店員・史明の四人に送られ、九十二歳の松恵は息を引き取ろうとしていた。
松恵は、先だった夫が今際の際に発した残酷な言葉を思い出す。
奈緒子は、だれの子だ…。
「百年近くを生きれば、全て枯れ、悟り、遺す思いもなくなり、身軽に旅立てるとばかり信じておりましたが、どうしてどうして、人間って簡単に軽くはならないようです」
多くの人の心を受けとめ救った大おばあちゃんが、美しい風景に送られ、今日旅立ちます。

あした吹く風(2008年12月)

年齢差17歳。心を焦がし、相手を求めてやまない欲望に囚われる、そんな相手に出逢ってしまった。あさのあつこが描く本格恋愛小説。

17歳の少年と34歳の女性歯科医。心を焦がし、渇き、相手の全てを求めてやまない欲望に囚われる、そんな相手に出会ってしまったら……

復讐プランナー 14歳の世渡り術(2008年)

チュウガクセイのキモチ(2008年)

悩み多き10代の心に元気と勇気をくれる本
『バッテリー』シリーズで幅広い年齢層の心をつかんだ著者が、様々な背景をもつ中学生と出会い、語り合った。
往復書簡、対談、座談会、書き下ろしのエッセーで構成する、悩み多き10代の心に勇気をくれる一冊。

ミヤマ物語(2008年~2013年)

階層が厳しく分けられたウンヌに暮らす少年ハギは、母親のトモと二人暮らし。彼らは最下層である「クサジ」だった。その村を統治するのは、「ミドさま」と呼ばれる存在で、その姿を見ることは決して許されなかった。ウンヌで恐れられる存在がもう一つあった。それは「マノモノ」と呼ばれるもの。その名を声に出すと口が腐り落ちると言われた。ある日、トモに死罪が言い渡される。トモはミドさまのための水を絶壁の泉から汲みあげる水汲み女だったが、そこで粗相があったというのだ。――別次元の世界、現代に生きる小学校6年の透流(とおる)はマスコミで活躍する母親のことで学校でいじめにあい、家の中でもまた孤立していた。絶望的な気持ちのまま家を出て大きなクスノキに登ってみた透流は、そこで不思議な声を聞く。「ウンヌへいけ!」生まれも育ちも、世界も違う二人の少年が出会う、運命の第一部!

  • ミヤマ物語 第一部(2008年)
  • 結界の森へ ミヤマ物語 第2部(2011年)
  • 偽りの支配者 ミヤマ物語 第3部(2013年)

「ヴィヴァーチェ」シリーズ(2008年~2010年)

近未来の地球。最下層地区に暮らす聡明な少年ヤンと親友ゴドは宇宙船乗組員を夢見る。だが、城に連れ去られた妹を追ってクーデターに巻き込まれたヤンだけが、伝説のヴィヴァーチェ号に瓜二つの宇宙船で飛び立ち…!

  • 紅色のエイ(2008年 / 2013 文庫)
  • 漆黒の狙撃手(2010年 / 2013 文庫「宇宙へ地球へ」に巻改題)

待ってる 橘屋草子(2009年2月)

「藪入りには帰っておいで。待ってるからね」母の言葉を胸に刻み、料理茶屋「橘屋」へ奉公に出たおふく。下働きを始めたおふくを、仲居頭のお多代は厳しく躾ける。涙を堪えながら立ち働く少女の内には、幼馴染の正次(しょうじ)にかけられたある言葉があったが――。江戸深川に生きる庶民の哀しみと矜持を描いた人情絵巻。

朝のこどもの玩具箱(2009年6月)

『バッテリー』をはじめとした児童文学から、恋愛小説、SF、時代小説まで幅広いジャンルで活躍し続けているあさのあつこさん。そんな著者ならではの、色とりどりの作品が詰まった短編集が文春文庫に加わりました。

父を亡くし若い継母とふたり年を越す高校生、目が覚めたら魔法のしっぽが生えていたイジメられっ子、許されない相手への恋を祖母に相談する〈青年〉……希望がきらめく瑞々しい気持ちがギュッと詰まった、まさに小説の〝玩具箱〟。

姉妹篇『夜のだれかの玩具箱』と二ヶ月連続刊行。いずれも、あさのあつこワールド入門にも最適です。

夢うつつ(2009年8月)エッセイと小説による短編集

霧で視界が遮られる中、邦彦はタクシーで自宅へ戻ろうとする。けれどその運転手は死んだはずの幼馴染で(「どっちだ?」)――「どんな慎ましやかな、地味な生であったとしても物語の宝庫となりうる」というあさのあつこが、新たに試みた意欲作。日常生活の一場面を綴ったエッセイから一転、現実と空想が交錯する物語が展開される、6つの連作短篇集。ファンタジックで哀しく愛おしい作品群は必読!

夜のだれかの玩具箱(2009年12月)

温厚な父が秘めていた40年前の不思議な恋、江戸から消えた女房が見せる奇妙な夢、少年時代の後悔を振りきれない男の帰郷──切ない恋愛から艶めく時代小説まで自在に描きだす、著者の才が冴えわたる6篇。恐怖や迷いに立ち止まってしまった大人たちの、切なくて、ちょっと妖しい世界から多彩なストーリーが弾け出す。姉妹篇『朝のこどもの玩具箱』と併せて、幅広い作風のあさのあつこワールド入門にも最適な短篇集。一話ごとに寄せる想いを綴った【自作解説】付き。

「おいち不思議がたり」シリーズ(2009年12月~2018年6月)

あれは何? なんで見えたの?
おいちは十六歳。江戸深川の菖蒲長屋で、医師である父の仕事を手伝っている。おいちが他の娘と違うのは、この世に思いを残して死んだ人の姿が見えること。そんなおいちの夢に、必死で助けを求める女が現れる。
悩みながらも己の力で人生を切り拓き、医者を目指す娘が、自分に宿った不思議な力を生かし、絡み合う因縁の糸を解きほぐしていく青春「時代」ミステリー。

  • ガールズ・ストーリー おいち不思議がたり(2009年12月 PHP研究所)
  • 【改題】おいち不思議がたり(2011年11月 PHP文芸文庫)
  • 桜舞う おいち不思議がたり(2012年3月 PHP研究所 / 2015年2月 PHP文芸文庫)
  • 闇に咲く おいち不思議がたり(2015年5月 PHP研究所 / 2018年5月 PHP文芸文庫)
  • 火花散る おいち不思議がたり(2018年6月 PHP研究所)

ねこの根子さん(2009年)

あさのあつこの新作。子ども達に名作を! 講談社100周年企画として、あさのあつこが書き下ろした、小学生低学年向けの物語。笑えて、泣ける。じんわりと優しさが伝わってくる、動物と家族の物語です。

ささやかな物語たち。(2009年)フォトエッセイ

あさのあつこ初のフォトエッセー! 中国山地の山間部に暮らす著者が、故郷の名もなき風景を見つめて書き綴った12の物語。写真は最愛のパートナーが撮影! 日本の原風景が、ここにある。

「少女の友」創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション(2009年)所収エッセイ

「少女にこそ一流の作品を」のモットーのもと、川端康成、吉屋信子、中原中也らが筆をふるい、若き中原淳一が表紙画家として活躍した雑誌、『少女の友』。明治41(1908)年に創刊、昭和30(1955)年の終刊まで48年間続いた月刊誌です。これは日本の出版史上、もっとも長きにわたり刊行された少女雑誌であり、この記録はいまなお破られていません。『少女の友』の誕生から100周年という節目を記念して、“幻の雑誌”が「1号だけ復活」します。

「神々」シリーズ(2009年~2013年10月)

その昔、神と人が共に暮らす世界があった。ある日、雨の神に選ばれたばかりのシムが降らせた恵みの雨が、止まなくなってしまう。姉を心配し、彼女のもとへ向かった弟のリュイは、その原因がシムの恋にあることを知る。彼女は人間の若き細工師に一目惚れをしていた……。恋愛や友情が人間のものだけでなかった頃の、優しく切ない6つの連なる物語。

  • 神々の午睡(うたたね)(2009年 / 2013年 幻冬舎文庫)
  • 神々と目覚めの物語 (2013年)
  • 神々の午睡(うたたね)金の歌、銀の月(2013年10月)

13歳のシーズン(2010年)

中学に入学してひと月。茉里(まり)は同じクラスの男子・真吾(しんご)から告白される。しかし、それが罰ゲームだったとわかり、傷つく茉里。一方、クラスに馴染めない茉里を理解し応援してくれる深雪(みゆき)、そして幼馴染の千博(ちひろ)。四人は、自分のため、そして友達のために、ある挑戦を始めた。さまざまな困難や壁を乗り越えて逞(たくま)しく成長する姿を描いた甘酸っぱくて、でも爽やかな青春小説。

火群のごとく(2010年5月)

山河豊かな小舞(おまい)藩、父代わりの兄を何者かに殺された林弥(りんや)は友らに支えられ剣の稽古に励む日々を送るが、江戸から来た家老の息子・透馬との出会いから運命が動きだす。やがて藩の政争と陰謀が少年たちをも巻き込み……。身分や立場の差を超えてつながる少年剣士の成長に清々しい風が吹く、著者の新たな代表作。

グラウンドの空(2010年7月)

甲子園に魅せられ地元の小さな中学校で野球を始めたキャッチャーの瑞希。ある日、ピッチャーとしてずば抜けた才能をもつ透哉が転校してくる。だが彼は心に傷を負っていて──。少年達の鮮烈な青春野球小説!

ようこそ、絵本館へ(2011年)

季節の1冊、感涙の1冊、アートな1冊……初めて本を手にする子供も心休めたい大人も喜ぶ、珠玉の絵本をセレクト。プレゼントにも!

あさのあつこのマンガ大好き!(2011年)

「本当は、マンガ家になりたかった!」と、小さい頃からずっとマンガを読み続け、マンガに育てられたという、あさのあつこさんが、自分のマンガ遍歴を語りつくすエッセイ。
児童文学からヤングアダルト、SF、時代小説、戦争小説と幅広いジャンルを展開している作家の創作の原点は、実はマンガだったと言ってもいいでしょう。
昭和30年代から平成の今日まで、あさのあつこさんのマンガワールドをお楽しみください。

「燦」シリーズ(2011年4月~2016年8月)

少年たちの葛藤と成長を描く、文庫書き下ろしシリーズ第1弾。江戸から遠く離れた田鶴藩。その藩主が襲われた。疾風のように現れた刺客は鳥獣を操り、剣も達者な謎の少年・燦(さん)。筆頭家老の嫡男・伊月(いつき)は、その矢面に立たされるが、2人の少年には隠された宿命があった――。尋常でない能力を持つ「神波(かんば)の一族」の正体とは? 一気読み必至のエンターテインメント時代小説。江戸の世を少年たちが駆ける!

  • 燦1 風の刃(2011年4月 文春文庫)
  • 燦2 光の刃(2011年12月 文春文庫)
  • 燦3 土の刃(2012年7月 文春文庫)
  • 燦4 炎の刃(2013年6月 文春文庫)
  • 燦5 氷の刃(2014年7月 文春文庫)
  • 燦6 花の刃(2015年5月 文春文庫)
  • 燦7 天の刃(2016年5月 文春文庫)
  • 燦8 鷹の刃(2016年8月 文春文庫)

スーサ(2011年)

時を超え、空間を超え、あらゆる品を扱う幻の商人、スーサ。一度交わした契約は決して違えぬのがその掟。十四歳の歩美にとって、スーサの存在は、幼なじみの祖母が語ってくれた、心震わせる物語の登場人物だった。だが、その幼なじみが事故で死んだ時……もう一度友に会いたいと願った歩美の前に、スーサは現れた。歩美の黒髪と引き替えに、友に会わせてくれるという。夢見がちで運動が苦手な歩美だが、スーサとともに冒険の旅に出ることに! 勇気を与えてくれるファンタジー。

10代の本棚 – こんな本に出会いたい (2011年)編著 収録文

10代という多感な時期にどんな本に出会い、どんなことに心揺さぶられながら大人への階段をのぼったのか。あさのあつこさんをはじめ、荒木源さん、石井睦美さん、川端裕人さん、佐藤多佳子さん、はやみねかおるさん、前田司郎さんといった若い世代に人気の作家の方々と個性豊かな大人たちが綴る「私と本」の物語。

たまゆら(2011年5月)

人の世と山との境界に、夫の伊久男とひっそり暮らす老女、日名子。雪の朝、その家を十八歳の真帆子が訪れた。愛する少年が、人を殺めて山に消えたのだという。彼を捜す真帆子に付き添い、老夫婦は恐ろしい山に分け入ることに。日名子もまた、爛れるほどの愛が引き起こしたある罪を、そこに隠していたのだ――。山という異界で交錯する二つの愛を見つめた物語。島清恋愛文学賞受賞。

桃の花は(2011年8月)

特別授業3.11 君たちはどう生きるか(14歳の世渡り術)「国語・表現する力をつけてほしい」(2012年)

3.11で何が問われ、何を学び、どう生きるのか。これからを担う10代から20代に向けて、[国語]あさのあつこ、[歴史]池澤夏樹など、全9教科、紙上特別授業。豊富な注釈、資料データ入り。

国語 「表現する力をつけてほしい」 あさのあつこ

うふふな日々(2012年)

『バッテリー』『NO.6』『おいち不思議がたり』シリーズなど、ベストセラーを次々と生み出している人気作家・あさのあつこ。
都会のきれいな書斎で、パソコンに向かって優雅に執筆しているのかと思いきや、生まれ故郷・岡山の緑豊かな町で、家事、育児と悪戦苦闘しながら物語を紡ぎ出してきたという。
子ども達の成長に一喜一憂、ずっこけまくり、妄想一杯の日常生活。散歩で目にした風景はいつしか霧のロンドンにすり替わり……。
田舎暮らしを愉しむなかで、奇跡のように出会った本や、滾るような想いを抱きながら悶々としていた日々にも思いを馳せる。 大切で愛おしい日常をユーモアたっぷりに綴ったエッセイ集。
読むだけで元気になれること請け合います。

ことばの力(2012年~2013年)

  • ことばの力 第1巻: ぐっとくるまんがのセリフ101(2012年 鈴木出版)
  • ことばの力 第2巻: ぐっとくる文学のセリフ101(2012年 鈴木出版)
  • ことばの力 第3巻: ぐっとくる映画のセリフ101(2013年 鈴木出版)

「一年四組の窓から」シリーズ(2012年3月~2013年4月)

中学1年の夏に引っ越すことになった井嶋杏里。転校でなじめない中学の校舎で、使われなくなった教室『1-4』に入った杏里は、市居一真と出会う。杏里に出会った一真は、杏里に絵のモデルになって欲しいと頼む。そこから物語は始まった――。杏里、一真、そして、かけがえのない友だちと家族。悩みながらも成長する14歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。

  • 一年四組の窓から (2012年3月 光文社BOOK WITH YOU / 2016年3月 光文社文庫)
  • 明日になったら 一年四組の窓から(2013年4月 光文社BOOK WITH YOU / 2016年4月 光文社文庫)

花宴(2012年7月)

江戸から西に一八〇里の嵯浪藩で代々勘定奉行を務める西野家。一人娘で小太刀の名手である紀江は、父の弟子の青年にほのかな想いを寄せる。別の弟子と夫婦になった後も彼のことを忘れられぬ紀江だが、うしろめたさに苦しみながらも少しずつ夫と共に笑い合えるようになっていく。しかしある朝、思いもよらぬ事実が……。著者は『弥勒の月』『東雲の途』や、『燦』シリーズで時代小説家としても高い評価を受けるあさのあつこ。武士の家の娘として強く生きた女性を主人公に、人生のままならなさや真の愛情の意味を、四季や剣のみずみずしい描写とともにしっとりと描く傑作時代小説。

NO.6 beyond(2012年11月)

西ブロックに稀な、春の日のような穏やかな一日。NO.6崩壊後にNO.6に留まった紫苑。風のようにさすらうネズミ。そして、紫苑の父の秘密―。惜しまれつつ完結した物語に、さらなる命を与え、それぞれの生の一瞬を、鮮やかに切り取る。

「闇医者おゑん秘録帖」シリーズ(2013年2月~2016年1月)

江戸の町、竹林に囲まれたしもた屋で、産んではいけない子どもを孕んだ女たちを受け入れ、子堕ろしを行ってきた「闇医者」のおゑん。彼女の元には、奉公先の若旦那と恋仲になった女中、あやかしの子を孕んだと訴える武家の奥方など、複雑な事情を持つ者たちがやってくる――。
時代小説の名手が、悩める女たちが自分の人生を切り開いてゆく様を彫り深く描いた、祈りと再生の物語。

  • 闇医者おゑん秘録帖(2013年2月 中央公論新社 / 2015年12月 中公文庫)
  • 闇医者おゑん秘録帖 花冷えて(2016年1月 中央公論新社 / 2018年12月 中公文庫)

かんかん橋を渡ったら(2013年3月)

四方を中国山地に囲まれた、寂れた温泉町にかかる小さな石橋『かんかん橋』。食堂『ののや』の一人娘真子は、毎日その橋を渡って学校に通っていた。真子と父を残して出て行った母。かつて白無垢をまとい嫁入りしてきた写真館の老婆。町を去り愛する人とともに帰ってきた踊り子。誰もが『かんかん橋』を渡る……。小さな食堂を舞台に、精一杯生きる女たちのたくましさ、しなやかさを鮮やかに描き出した、人気作家の長編傑作!

「Team・HK」シリーズ(2013年3月~2015年10月)

ポストに入っていた一枚のビラ。「家事力、主婦力、主夫力を発揮させましょう」夫と結婚して15年。家事が、「力」だなんて! 美菜子はビラに導かれるようにハウスキーパー事務所を訪れると、いきなり実力を試されることに。そこへ電話が鳴った。常連客で作家の那須川先生が、死ぬしかないほど家がぐちゃぐちゃだという。ユニフォームを渡され美菜子もチームメンバーと共に急いで那須川宅へ!

  • Team・HK(2013年3月 徳間書店 / 2015年9月 徳間文庫)
  • 殺人鬼の献立表 Team・HK(2015年10月 徳間書店 / 2018年9月 徳間文庫)

グラウンドの詩(2013年7月)

心を閉ざしていたピッチャー・透哉とバッテリーを組む瑞希。お互いを信じて練習に励み、ついに全国大会への出場が決まるが、野球部で新たな問題が起き……。中学球児たちの心震える青春野球小説、第二弾!

もう一枝あれかし(2013年8月)

すれ違う子供が泣き出すほどの醜男の、愚直な恋のゆくえ(「甚三郎始末記」)。騙されていると知りながら待ち続ける遊女の哀しき運命(「風を待つ」)。自ら始末をつけるべく散り急ぐ男に、残された妻の覚悟を描く表題作など、心に染み通る5篇。四季の彩り溢れる情景と、男女の一途な愛を細やかに綴る傑作時代小説。

花や咲く咲く(2013年8月)

太平洋戦争下に生きる少女たちの夢と運命 昭和18年、初夏。小さな温泉旅館の娘・三芙美は、女学校の友だちと、思いがけず手に入った美しい布でブラウスを縫い始める。おしゃれにときめき、夢を語り、笑いあう――そんな仲良し4人組にも、やがて戦争の暗い影が忍び寄ってきた。「現代の日本でたたかっている少女たちに贈りたい」――祈るような想いで著者がつづった、心ゆさぶる“戦時下”青春小説。

「さいとう市立さいとう高校野球部」シリーズ(2013年8月~2017年8月)

ロシア人の血をひくイケメン高校生の山田勇作。中学校では野球部に所属していたが、訳あって今は帰宅部で自由を満喫していた。ところが四月のある放課後、似合わないユニフォーム姿の男が現れ、勇作を野球部に勧誘する。男は美術教師にして野球部の監督、鈴ちゃんこと鈴木先生だった。幼馴染にも食い下がられ、お試し入部をした勇作は、独創的な練習方法に驚きの連続だったが、いつしかチームに愛着を感じはじめ──

  • さいとう市立さいとう高校野球部(2013年8月 講談社 / 2017年8月 講談社文庫上下)
  • さいとう市立さいとう高校野球部 甲子園でエースしちゃいました(2014年8月 講談社 / 2018年8月 講談社文庫)
  • さいとう市立さいとう高校野球部 おれが先輩?(2017年8月 講談社)

チューリップルかほちゃん(2013年11月)絵本

「チューリップようちえん」に通うかほちゃんは、四歳の女の子。
ある朝幼稚園に着くと、大変な事件が起こっていました。
かほちゃんの大好きなチューリップの花壇が、何者かによってむちゃくちゃにされています。
いったいだれがこんなことをしたのでしょう! ?
折れた一本をお家に持ち帰った夜、かほちゃんに不思議なことが……。

敗者たちの季節(2014年7月)

夏の甲子園地方大会、決勝戦9回の攻防。あと、一人打ち取れば延長にもつれ込む……と、その瞬間、サヨナラホームラン。敗者となった海藤高校の投手直登は、試合後も悔しさから立ち直れないでいた。そこに、思わぬ報せが届く。優勝した東祥学園が、出場を辞退したというのだ。繰り上がり甲子園出場が決まるが、それはどちらのチームにとっても重い結果だった。「敗者のままでは、終われないんだ!」少年たちの熱い思いに、思わず胸が高鳴る、著者真骨頂の青春野球小説!

かわうそ お江戸恋語り。(2014年8月)

「グリーン・グリーン」シリーズ(2014年8月~2018年9月)

翠川真緑(みどりかわみどり)、通称グリーン・グリーンは県立農林高校の新米教師。畜産科には山羊と豚がいるし、園芸科には花、果樹、野菜の畑、ビニールハウスが並んでいる。真緑は失恋のショックを、炊きたてのおにぎりで救われたことがある。お米の力に感動し、赴任した彼女は農林高校で出会う厳しい現実と、季節ごとの行事を体験しながら、教師として成長してゆく。

  • グリーン・グリーン(2014年8月 徳間書店 / 2017年3月 徳間文庫)
  • グリーン・グリーン 新米教師二年目の試練(2018年9月 徳間書店)

ゆらやみ(2015年6月)

幕末の石見銀山。間歩と呼ばれる鉱山の坑道で生まれたお登枝は、美貌を見込まれ女郎屋に引き取られた。初めて客を取る前の晩、想いを寄せる銀掘の伊夫を訪ねるが、別の男に襲われる。とっさに男を殺め、窮地を救ってくれた伊夫と身体を重ねたお登枝。罪と秘密をともに抱えた二人の行く末は──。変わりゆく世を背景に、宿命を背負った男女の灼けつくような恋を官能的に描き切った力作時代長編。

透き通った風が吹いて(2015年11月)

おれはなんで、こんなに空っぽなんじゃ――野球部を引退し受験勉強に邁進するはずだった高校3年生の渓哉。だが自分の将来を思い描けず、焦燥感に苛まれている。ある日、道に迷っていた美しい女性・里香を案内することになるが……あさのあつこが故郷・美作を舞台に描く“直球”青春小説。書き下ろし短篇「もう一つの風」を収録。

かんかん橋の向こう側(2016年3月)

父の亡き後、常連客に支えられながら残された食堂『ののや』を守リ続ける継母の奈央と高校生の娘真子。客の笑い声があふれる店にある晩、新顔の青年が現れる。東山と名乗るその男は、ネットで評判の小説を読み、その舞台になっている『ののや』と登場人物のモデルを見にやって来たという。「小説? ののやが?」「いったい誰が?」みなの驚きをよそに、すっかり気に入って町に滞在する東山。しかし間もなく、胡散臭い探偵が町にやってきて……。「人は帰る場所があるから、旅立つことができる」小さな食堂を舞台に、毎日をせいいっぱい生きる人々の絆とそこから巣立っていく少女の成長を描いた傑作長編!

風を繡う 針と剣 縫箔屋事件帖(2016年8月)

剣才ある町娘と、刺繡職人を志す若侍。
一途なふたりの人生が交わったとき、事件が――
深川の縫箔(刺繡)屋丸仙の娘・おちえは、「弟子入りしたい」と丸仙を訪れた若侍・吉澤一居に心を奪われる。娘斬殺事件が江戸を震撼させるなか、新たな事件が――。あでやかな刺繡を生み出す職人技と、その対極にあるような剣術。ふたつの世界に生きるおちえと一居の葛藤と成長をみずみずしい筆致で描く、一気読み必至の時代青春ミステリー!

  • 風を繍う(2016年8月 実業之日本社)
  • 【改題】風を繡う 針と剣 縫箔屋事件帖(2019年8月 実業之日本社文庫)

I love letter(2016年9月)

小学生からの殺害予告に引きこもり人間からの告発――。
文通会社に届くワケありの手紙には、手紙で立ち向かえ!

「ねぇ、まめに手紙をくれてた人と急に音信不通になるって、どんな場合だと思う?」
叔母さんが突然切り出した質問にたじろぐ、17歳の岳彦。

叔母さんのむぅちゃんは秘密裏に、ILL(I love letter)という会員制の文通会社をやっている。
年会費を納めると、会員は自分のペースでILLの社員宛てに手紙を書いて出す。
毎日でも、ひと月に一度でも構わないが、姓と住所は本物を明記しなくてはならない。
子供の頃、せっせと叔母さんに手紙を書いていた岳彦はその腕を見込まれ、ILLの臨時スタッフとして雇われることに。

二年間、ずっとILLと文通していた水元さんに何があったのか。
岳彦は叔母さんに変わり、水元さんに手紙を書き始めるが……。

「ぼくはママをころそうと思います」――八歳の少年からの殺害予告や、「どうしても、あの恋文を見つけたい」――大女優からの無茶な依頼などなどの難問に、自分自身の言葉を便箋に書き連ねて向き合う岳彦。

メールや電話では伝わらない想いがある――。
温かくて切なくて、ちょっと怖い六つの物語。

X-01 エックスゼロワン(2016年9月~2019年11月)

N県稗南(ひなん)郡稗南町。由宇(ゆう)の15歳の誕生日の前日、大好きな父親が「X-01(エックスゼロワン)」と言い残して急死した。そして黒づくめの男たちが、「X-01」を求めて、町を破壊しにやってきた!? 一方、ラタの住む小国、永依(えい)の国は滅亡の危機を迎えていた。隻眼(せきがん)の将軍に拾われたラタは戦士としての血の道を歩み始める。運命に翻弄される由宇とラタ、2人の魂の物語。

  • X-01 エックスゼロワン[壱](2016年9月 YA!ENTERTAINMENT)
  • X-01 エックスゼロワン[弐](2017年9月 YA!ENTERTAINMENT)
  • X-01 エックスゼロワン[参](2019年11月 YA!ENTERTAINMENT)

アレグロ・ラガッツァ(2016年10月)

吹奏楽はもうやらないと高校の入学式で美由は心に決めていた。だが大人びた久樹さんや人懐っこい菰池くんとの出会いがその気持ちを徐々に変えて……。新しい世界の扉を開けたばかりの16歳の揺れる心を、にぎやかにキュートに描く。元気の出る青春小説。

天を灼く(2016年10月)

『バッテリー』の〈巧&豪〉、『NO.6』の〈紫苑&ネズミ〉…に続く
名コンビ〈藤士郎&左京〉が魅せる鮮烈な青春。
著者の新たなる代表作、ここに誕生!

止まぬ雨はない。明けぬ夜もない。少年は、ただ明日をめざす。

父は切腹、所払いとなった天羽藩上士の子・伊吹藤士郎は、
一面に藺草田が広がる僻村の大地を踏み締める――
過酷な運命を背負った武士の子は、何を知り、いかなる生を選ぶのか?

紅く焼ける空の下篠突く雨の中を、元服前の天羽藩大組組頭・伊吹家嫡男の藤士郎は、父・斗十郎の佩刀を抱え、山奥にある牢屋敷に向かっていた。姉・美鶴が嫁ぎ、両親や親友の風見慶吾、大鳥五馬と送る平穏な日々が暗転したのは二十日前。豪商・出雲屋嘉平と癒着し藩を壟断したという咎で斗十郎が捕縛されたのだ。切腹が申し渡されたこの日、謎の若者・柘植左京に牢屋敷に呼び出された藤士郎に、斗十郎は身の潔白と藩政改革の捨て石になると告げ、介錯を命じた……。

薫風ただなか(2017年6月)

江戸時代中期、十五万石を超える富裕な石久藩。上士の息子でありながら、鳥羽新吾は藩校から郷校「薫風館」に転学する。母からは強く反対されたが、毎日仲間たちと切磋琢磨しつつ青春を謳歌していた。かつて通った藩校は家格で全ての順列が決まる息苦しい場所だった。ある日、気の強い母を厭い落合町の妾の家に暮らす父が久しぶりに家に戻ってきた。新吾と二人きりになると「薫風館」を探る間者になれと新吾に命じる。「薫風館」の教授陣の中に、藩主の暗殺に関わる陰謀があるという。それは新吾の仲間たちまでも巻き込む嵐の前触れだった!

末ながく、お幸せに(2017年8月)

全ての親娘に。もらい泣き必至の結婚式小説。

「あたし、生まれてきてよかった」
ベストセラーシリーズ『バッテリー』完結から12年!
ついに辿り着いた
あさの文学の最高到達点!

謹啓 光がきらめきを増し、本格的な夏の到来を感じるころとなりました。
この眩しい季節に、わたしたちは結婚いたします。
つきましては、わたしたちの結婚の宴にぜひとも
ご臨席をお願いしたく、 招待状をお送りさせていただきます。
わたしたちが、わたしたちの新たな旅立ちを
祝っていただきたいと思う方々だけを
ご招待した、ささやかな宴です。
ご多用中とは存じますが、どうか、よろしくお願い申し上げます。

ぼくがきみを殺すまで(2018年3月)

囚われの身であるベル・エイドの青年Lは敵国ハラの兵士に語り聞かせる、かつてハラの友人ファルドと過ごした日々のことを──。少年が武官養成校を経て戦場に出るまでを描く物語。反響を呼んだ新聞連載の表題作に、対となる中編を加えた鮮烈な小説集。

にゃん! 鈴江藩江戸屋敷見聞帳(2018年4月)

鈴江藩の江戸屋敷に奉公することになった呉服商の娘・お糸。仕えた正室・珠子には猫の化身疑惑が!? しかも屋敷内は権謀術数が飛び交い、何やら不穏な空気。一目惚れした殿さまを守りたい…そんな珠子の心意気に打たれ、お糸も立ち上がる! 町娘の目を通して、人(猫)情と世情を描いた極上のエンターテインメント!!

地に滾る(2018年7月)

ならば、真っ直ぐに生きてみせる。 藩政の刷新を願い脱藩した天羽藩上士の子・伊吹藤士郎は、 人が行き交い、物が溢れる江戸の大地を踏み締める―― 人生に踏み出した武士の子は、 貧し、迷い、慟哭しながら、自由に生きる素晴らしさを知る。 著者渾身、鮮烈な青春時代小説!

あさのあつこ 特別授業『マクベス』―別冊NHK100分de名著 読書の学校(2019年2月)

中・高生から絶大な支持を集め続けている人気小説家が、シェイクスピアの戯曲『マクベス』を題材に行った、10代につよく響く特別授業。そこで語られたのは、感性を研ぎ澄ませて生きることや自分の頭で考え続けることの大切さ、そして読書が人生を切り拓くこと──。自作のベストセラー『NO.6』シリーズに大きな影響を与えた『マクベス』の世界から見えてくるものとは?

飛雲のごとく(2019年8月)

「おれたちの命は意味もなく散っていいほど軽くはない」
身分や立場の差を超えて時代を変えようとする少年剣士の友情と成長を描く青春時代小説!

十六歳になり元服の儀を済ませ、名実ともに当主となった新里林弥。義姉への告げられない想いを募らせながら、運命の濁流に翻弄される。

林弥は友らに支えられ剣の稽古に励む日々を送るが、江戸から戻った家老の息子・樫井透馬との出会いから運命が動きだす。
藩の政争に巻き込まれようとする透馬は、家臣として林弥を重用することを決意するが……。

試練が大きいほど、少年剣士は強くなる。
身分や立場の差を超えてつながる少年剣士の友情と成長を描く傑作青春時代小説。
自然豊かな六万石の小舞藩から、『火群のごとく』『もう一枝あれかし』に続く新たな物語が生まれた!

アスリーツ(2019年9月)

結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上広島県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の超進学校・大明学園高校へ進学し、射撃部に入部する沙耶。初めて構えるビームライフルの重さに驚き、個性豊かな先輩たちに励まされ、童顔の監督・磯村辰馬の指導を受けつつ、未知の競技に戸惑いながらも花奈とともに励む毎日だったが――。
オリンピック種目のマイナー競技と格闘する少女たちの喜怒哀楽に心震える、五輪に向けて注目度アップの青春スポーツ小説。

人を乞う(2019年10月)

スポーツのおはなし 野球 ぼくだけのファインプレー(2020年2月)

●オリンピックの種目をテーマにした童話シリーズ「スポーツのおはなし」。
2020年の東京オリンピックに向けて、新しくとりあげられた種目も含め、10人の豪華執筆陣がスポーツをテーマに描き下ろした、小学中級向けの創作童話です。

●小4の球真は、野球チームのスーパースター。昨日もホームランを打った。将来は、球真に野球選手になってほしい!とお父さんにも友だちにも期待されている。でも、実は誰にも秘密の夢がある!“本当にやりたいこと”をみつけた少年が、夢をかなえようとする物語。

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