慟哭(貫井徳郎)のあらすじ(ネタバレなし)・感想

連続する幼女誘事件の捜査が難航し、窮地に立たされる捜査一課長。若手キャリアの課長を巡って警察内部に不協和音が生じ、マスコミは彼の私生活をすっぱ抜く。そして事態は思わぬ方向へと向かっていく。

慟哭(貫井徳郎)の作品情報

タイトル
慟哭
著者
貫井徳郎
形式
小説
ジャンル
ミステリ
執筆国
日本
版元
東京創元社
初出
新人賞応募作
刊行情報
創元推理文庫
受賞歴
第4回鮎川哲也賞最終候補
このミステリーがすごい! 1994年度12位

慟哭(貫井徳郎)のあらすじ(ネタバレなし)

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。

こうした緊張下で事態は新しい方向へ。幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

慟哭(貫井徳郎)の目次

作者

貫井 徳郎 ぬくい・とくろう(1968年2月25日 – )

小説家。東京都渋谷区生まれ。早稲田大学商学部卒業。高校時代から執筆を開始するも、文学賞受賞には至らなかった。大学卒業後、不動産会社に就職するも退社。失業期間に書いた『慟哭』が第4回鮎川哲也賞の最終候補作となりデビュー。代表作に『後悔と真実の色』『乱反射』など。
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慟哭(貫井徳郎)の刊行情報

  • 『慟哭』東京創元社、1993年10月
  • 『慟哭』創元推理文庫、1999年3月

慟哭(貫井徳郎)の登場人物

佐伯
警察官。捜査一課長。連続幼女誘事件の捜査を担当する。

慟哭(貫井徳郎)の感想・解説・評価

追い詰められた人間の行動を描くデビュー長編

本作は2つのストーリーが並行して進んでいく。

幼女殺人事件が発生し、警視庁は捜査本部を立ち上げるも捜査は行き詰まる。幼女殺人事件は連続幼女誘拐事件に発展し、主人公である課長は難航する捜査を世論と上司に批判され苦悩し、さらには私生活も順風満帆とはとても言い難い苦境に立たされる。

孤独をかみしめている男が新興宗教にのめり込んでいく。

そんな二つのストーリーが進行していく。当初はなんの関係もなかったストーリーが徐々に絡み合っていく。熱心なミステリファンなら真相に気が付いてしまうかもしれないが、僕は明かされていく真相に驚くことになった。

捜査本部の長である本作の主人公・佐伯は連続養女殺人事件の進行していく中で、自分の娘が行方不明になったことに気付く。そして読み進めていくうちに、読者も自分が想像していたようなストーリーではないことに気が付く。

本作はミステリ小説だ。だが、作中に隠されているのは真相だけではない。読み進めていくうちに、主人公・佐伯の愛情も徐々に明らかになってくる。真相を想像するより、登場人物たちの心境に思いを馳せたい小説だ。

合わせて読みたい本

乱反射

地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。

重大な犯罪ではなく、ちょっとしたトラブルやモラルに反することが積み重なり、一人の人間の命が失われる。そんなやりきれなさを描いた小説です。

慟哭(貫井徳郎)の評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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