TUGUMI(吉本ばなな)のあらすじ(ネタバレなし)・感想

二度とかえらない少女たちの輝かしい季節。光みちた夏の恋の物語。

TUGUMI(吉本ばなな)の作品情報

タイトル
TUGUMI
著者
吉本ばなな
形式
小説
ジャンル
青春
執筆国
日本
版元
中公公論社
初出
マリ・クレール、1988年4月号~1989年3月号
刊行情報
中公文庫
受賞歴
第2回山本周五郎賞

TUGUMI(吉本ばなな)のあらすじ・概要

病弱で生意気な美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った-。少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。第2回山本周五郎賞受賞。

作者

吉本 ばなな よしもと・ばなな(1964年7月24日 – )

小説家。東京都文京区出身。日本大学芸術学部文芸学科卒業。同年、「キッチン」が第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1989年に刊行された『TUGUMI』が年間ベストセラーの総合1位を記録した。

TUGUMI(吉本ばなな)の刊行情報

  • 『TUGUMI』 中央公論社、1989年3月20日
  • 『TUGUMI』 中公文庫、1992年

映画版関連動画

映画『つぐみ』松竹、1990年10月20日

監督:市川準、出演:牧瀬里穂、中嶋朋子、白島靖代、真田広之、安田伸、渡辺美佐子

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TUGUMI(吉本ばなな)の登場人物

白河まりあ(私)
つぐみの1歳年上の従姉で物語の語り手。大学生。幼い頃から頻繁につぐみの悪戯の被害を受けているが仲はよく、つぐみのことをよく理解している。

山本つぐみ
まりあの母の妹の娘。生まれつき病弱で入院や自宅療養を繰り返してきた少女だが、甘やかされて育ったため、粗野でわがままで口が悪い。

山本陽子
つぐみの2歳上の姉で女子大生。性格はつぐみと違い温和で、涙もろい。

TUGUMI(吉本ばなな)の感想・解説・評価

美しい儚げな雰囲気が心地よい傑作

主人公の大学生・まりあは、子ども時代を過ごした伊豆の旅館に帰省します。本作では、まりあと、従姉妹の陽子と病弱な少女・つぐみが過ごす、ひと夏の日々を描いています。

吉本ばななが「あの夏のことを書き残しておきたかった」としているように、主人公・まりあが過去の思い出を振り返るという形で書かれています。

小説では、大学生になったまりあの物語と、子どものときの懐かしいエピソードが語られていきます。劇的なドラマが展開されるというよりも、日常的な思い出がづつられています。

その描写が美しく儚げなのです。夜眠れなくて散歩をする場面があります。ただ、散歩をしているだけで、大きな事件に遭遇するわけでもありません。それでも青春の1ページとして、とても綺麗に素敵に紹介されます。

読み終わると、まりあ、つぐみ、陽子の姿がキラキラと輝いていること、作者の描写が光る海や街の素晴らしさが心に残ります。デビューしたばかりの時期に書かれた作品ですが、完成度はとても高い。なんどでも読み返したくなる作品です。

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