[PR]、記事内リンクはAmazonで商品検索を行います。
ボリス・ポール・ヴィアン Boris Paul Vian(1920年3月10日 – 1959年6月23日)
作家、詩人。フランス、パリ郊外のヴィル=ダヴレー生まれ。エコール・サントラル・パリに入学、土木技師の学位を取得した。フランス標準化協会に就職したが閑職であったため、暇をもてあましていたヴィアンは出版や作曲にふけるようになった。第二次大戦後にアメリカのハードボイルド小説を翻訳するよう依頼されたヴィアンは、翻訳より執筆の方が早いと「ヴァーノン・サリヴァン」名義で『墓に唾をかけろ』を短期間で執筆。好評を博すがその内容から裁判沙汰に発展してしまう。一方、ヴィアン名義では、みずからが本命とする前衛的な作品を次々に発表していった。1946年『日々の泡』ではプレイヤード文学賞最終選考まで進むも惜しくも落選した。存命中の評価は低かったが、没後に再評価が進み、1968年フランス五月革命頃から若い世代の読者を獲得している。
おすすめ作品ランキング
長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!
- 1位:うたかたの日々
- 2位:お前らの墓につばを吐いてやる
- 3位:心臓抜き
作品一覧リスト
『墓に唾をかけろ』J’irai cracher sur vos tombes(1946年)ヴァーノン・サリバン
白人どもを殺せ! おれの黒い血が騒ぐ――パーティーで出会った金持ち美人姉妹を獲物に狂気の行動に走る白い肌の黒人青年リー。真夏に爆発する若者たちの暴力とセックスを描く衝撃の発禁小説!
- 『お前らの墓につばを吐いてやる』河出文庫、2018年
『アンダンの騒乱』Trouble dans les Andains(1947年、1966年)
ボリス・ヴィアン全集第一巻。没後に出版されたヴィアンの最初の小説で、妻を楽しませるために書いたのだという。日本語になっていない滅茶苦茶な訳文がつづくのだが、『うたかたの日々』の伊東守男が訳したのだから、原文がこうなのだろう。 階段の擬宝珠に隠された謎の秘密兵器をめぐって、スラップスティックな追跡劇がくりひろげられるということはかろうじてわかる。パーティーの喧噪と、地面の下で押しつぶされる強迫観念はまさにヴィアンだが、翻訳ではわからないところが多すぎる。原文を読んでもわからないのかもしれないが。 伊東氏による「すり切れた人生」という評伝がついているので、買って損はない。
1947年の習作。
『死の色はみな同じ』Les morts ont tous la même peau(1947年)ヴァーノン・サリバン
『ヴェルコカンとプランクトン』Vercoquin et le plancton(1947年)
『日々の泡(うたかたの日々)』L’Écume des jours (1947年)
青年コランは美しいクロエと恋に落ち、結婚する。しかしクロエは肺の中に睡蓮が生長する奇妙な病気にかかってしまう……。愉快な青春の季節の果てに訪れる、荒廃と喪失の光景を前にして立ち尽くす者の姿を、このうえなく悲痛に、美しく描き切ったラブストーリー。ヴィアンの代表作であり、20世紀フランス文学の「伝説の作品」が、鮮烈な新訳で甦る! 映画『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』原作。
『北京の秋』L’Automne à Pékin(1947年)
『醜いやつらは皆殺し』Et on tuera tous les affreux(1948年)ヴァーノン・サリバン
Barnum’s Digest(1948年)詩
『彼女たちにはわからない』Elles se rendent pas compte(1949年)ヴァーノン・サリバン
まるでスポーツに熱中するように麻薬、セックス、レズ・ホモ行為にふける若者たち。アメリカのハードボイルドに挑戦する異色青春小説!
『蟻 – しびれ』Les Fourmis(1949年)
『凍った哀歌』Cantilenes en gelée (1949年)詩
『赤い草』L’Herbe rouge(1950年)
『屠殺屋入門』L’Équarrissage pour tous(1950年)戯曲
『最高の職業』Le Dernier des métiers(1950年)戯曲
『メドゥーサの首』Tête de Méduse(1951年)戯曲
『心臓抜き』L’Arrache-cœur(1953年)
『帝国の建国者』Les Bâtisseurs d’Empire(1959年)戯曲
Le Goûter des généraux(1962年)戯曲
『ぼくはくたばりたくない』Je voudrais pas crever(1962年)
『人狼』Le Loup-garou(1970年)
『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』1995年11月
『すべての子供たちに ボリス・ヴィアン詩集』1994年
『ボリス・ヴィアンのジャズ入門』2010年
作家として、書店のフランス文学コーナーには全集も置かれているヴィアンだが、音楽家・音楽批評家としての横顔を持つことも有名。彼はジャズ黎明期、自国フランスで発売されたレコード盤に、執筆・翻訳含め多数のライナーノーツを寄せていた。
本書はそれを集め1冊にまとめたものだが、同時にヴィアンによるその盤の“批評”“アーティスト評”集でもある。ヴィアンによるジャズのなんたるか、没後50年に当たるこの 2009年にあっても、それは何ら色あせることはない。『うたかたの日々』だけにあらず、ヴィアン・ファンはもちろんジャズ・ファンも必読、異色のジャズ・エッセイ集。