【おすすめ】泡坂妻夫の全作品を一覧であらすじを紹介します

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泡坂 妻夫 あわさか・つまお(1933年5月9日 – 2009年2月3日)

小説家。東京府東京市神田区(現・東京都千代田区)出身。東京都立九段高等学校卒。家業の紋章上絵師の仕事をするかたわら推理小説を書き、1976年「DL2号機事件」で第一回幻影城新人賞に入賞しデビュー。1978年『乱れからくり』で日本推理作家協会賞を、1988年『折鶴』で泉鏡花文学賞を、1990年『蔭桔梗』で直木賞を受賞。マジシャンとしても著名で、創作奇術で石田天海賞を受賞している。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:湖底のまつり
  • 2位:乱れからくり
  • 3位:迷蝶の島

作品一覧リスト

11枚のとらんぷ(1976年10月)

真敷市公民館で開かれた奇術ショウ。演目の直後、水田志摩子が姿を消した。自宅で発見された彼女の屍体の周囲には、奇妙な品物の数々が。奇術小説「11枚のとらんぷ」に対応しているという。傑作奇術ミステリ!

乱れからくり(1977年12月)

馬割一族が経営する玩具会社の製作部長馬割朋浩は、旅行に出発する直前、隕石に当たり急死した。その葬儀も終わらぬうち、今度は彼の愛児が睡眠薬を誤飲し、死亡した。二つの奇禍をきっかけに、奇妙な方法による連続殺人が、この一家を襲いはじめた。事件の裏にあった、江戸時代にまでさかのぼる馬割家の秘められた謎と、ねじ屋敷に作られた大迷路の秘密を追って、男まさりの美人探偵と、新米助手の活躍が開始された。第31回日本推理作家協会賞を受賞した、本格推理の最高傑作。

亜愛一郎シリーズ

亜愛一郎の狼狽(1978年5月)

雲や虫など奇妙な写真を専門に撮影する青年カメラマン亜愛一郎は、長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなく、グズでドジなブラウン神父型のキャラクターである。ところがいったん事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。空中密室ともいうべきテーマを扱った「右腕山上空」や、暗号トリックものの「掘り出された童話」など、どれをとってもトリッキーな味わいの逸品ぞろい。第一回〈幻影城〉新人賞佳作入選作であり、作家・泡坂妻夫のデビュー作である「DL2号機事件」など全8話を収録した。

亜愛一郎の転倒(1982年7月)

集中豪雨がもたらした土砂崩れで、列車は駅と駅のド真中で完全にストップ。乗客たちは復旧を待つことにしたが、先を急ぐ三人の男たちは徒歩での山越えを決意した。またたく間に道に迷い途方にくれる一行。その時、幸いにも遠くに人家の灯がポツンと見えた。一夜の宿を借りたのはよかったが、これが災難の始まり。前の晩、たしかにあった家が、翌朝には跡形もなく消え失せていた。この地方の伝説通りの怪事件が勃発した! 名探偵亜愛一郎が活躍する傑作事件簿第二弾!

亜愛一郎の逃亡(1984年12月)

フツ国国王、トレミー大博士の病状が回復。世界中の人々が愁眉を開いたというニュースの後、テレビは北海道・東北地方を襲った地震をマグニチュード7と告げた。突然の地震と大雪で、北国のホテルニューグランド宮後は一人の客もいなかった。追い打ちをかけるように殺人事件が発生、直後に犯人とおぼしき男が二人飛び込んできたが、追いつめた時、人魂が二つ飛んで二人はかき消えてしまった。亜愛一郎最後の事件簿、そして逃亡。

湖底のまつり(1978年11月)

渓流の平らな岩に座り、紀子は足を伸ばした。その時、突然、彼女は川が大きくふくらむのを感じ、次の瞬間には濁流に呑み込まれていた……。傷心を癒すため旅に出た香島紀子は、旅先の峡谷で増水に遭い、危ういところを土地の若者に助けられた。その夜、彼女は村はずれのあばら家で、男と一夜を共にした。だが翌朝、なぜか男が消えている。探しに出た彼女は、村人から、男が一月前に毒殺されていたと聞いて愕然とした! 本格推理の構成の中で、幻想美を追求したミステリー・ロマン。

花嫁のさけび(1980年1月)

映画スター・北岡早馬と再婚し幸福の絶頂にいた伊都子だが、北岡家の面々は謎の死を遂げた先妻・貴緒のことが忘れられない。そんな中殺人が起こり、さらに新たな死体が……傑作ミステリ復刊。

煙の殺意(1980年11月)

問答無用の面白さ、騙される快感!泡坂ミステリのエッセンスが詰まった名作品集。

困っているときには、ことさら身なりに気を配り、紳士の心でいなければならない、という近衛真澄の教えを守り、服装を整えて多武の山公園へ赴いた島津亮彦。折よく近衛に会い、2人で鍋を囲んだが……知る人ぞ知る逸品「紳士の園」や、加奈江と毬子の往復書簡で語られる南の島のシンデレラストーリー「閏の花嫁」、大火災の実況中継にかじりつく警部と心惹かれる屍体に高揚する鑑識官コンビの殺人現場リポート「煙の殺意」など、騙しの美学に彩られた8編を収録。/収録作=「赤の追想」「椛山訪雪図」「紳士の園」「閏の花嫁」「煙の殺意」「狐の面」「歯と胴」「開橋式次第」

迷蝶の島(1980年12月)

太平洋に漂うヨットの上から落とされた女、絶海の孤島に吊るされた男。一体、誰が誰を殺したのか……そもそもこれは夢か、現実か?手記、関係者などの証言によって千変万化する事件の驚くべき真相とは?

喜劇悲奇劇(1982年5月)

右から読んでも左から読んでも「きげきひきげき」
ミステリ界の魔術師が贈る、他の追随を許さない会心作!

アルコール浸りの落ちぶれ奇術師七郎は、動く一大娯楽場〈ウコン号〉の処女航海で冴えない腕前を披露することになった。紹介されたアシスタントを伴い埠頭に着いたところが、出航前から船内は何やら不穏なムードに満ちている。案の定というべきか、初日直前の船内で連続殺人の騒動が持ち上がり、犠牲者には奇妙な共通点が見出され……。章題はすべて回文、「台風とうとう吹いた。」の一文で始まる、奇抜な謎とぺてんの楽しさてんこ盛りの本格長編ミステリ。言葉遊びへの造詣こよなく深いミステリ界の魔術師泡坂妻夫が物した、他の追随を許さない会心作。

曾我佳城シリーズ

天井のとらんぷ(1983年6月)

花火と銃声(1988年6月)

美貌の奇術師・曽我佳城探偵シリ-ズ第2弾魔術の舞台さながらに次々に発生する不可思議な殺人事件! 捜査に行き詰まるたびに刑事から相談を受ける奇術師・曽我佳城が、犯行のトリックを鮮やかに解明!

奇術探偵 曾我佳城全集(2000年7月)

このミステリーがすごい! 2001年版』(宝島社)国内編第1位
亜愛一郎、ヨギガンジーと並ぶ奇術探偵の華麗な謎解き
奇術トリックが仕掛けられた11編

若くして引退した、美貌の奇術師・曾我佳城。普段は物静かな彼女だが、不可思議な事件に遭遇する度に、奇術の種明かしをするかのごとく、鮮やかに謎を解く名探偵でもあった。殺人事件の被害者が死の間際、天井に貼りつけたトランプの意味を解き明かす「天井のとらんぷ」。少女歌劇団に附属する音楽学校の寮で起きた、集団食中毒事件の真相を暴く「白いハンカチーフ」。弾丸を受け止める奇術中、本物の銃が使用された事件の謎を追う「消える銃弾」など、珠玉の11編を収録する。

「天井のとらんぷ」「花火と銃声」を合わせ、さらに短篇を収録しています。

妖女のねむり(1983年7月)

名匠が幻想味あふれる物語に仕掛けた本格ミステリの罠。

廃品回収のアルバイト中に見つけた樋口一葉の手になる一枚の反故紙。小説らしき断簡の前後を求めて上諏訪へ向かった真一は、妖しの美女麻芸に出会う。目が合った瞬間、どこかでお会いしましたねと口にした真一が奇妙な既視感に戸惑っていると、麻芸は世にも不思議なことを言う。わたしたちは結ばれることなく死んでいった恋人たちの生まれかわりよ。今度こそ幸せになりましょう。西原牧湖だった過去のわたしは、平吹貢一郎だったあなたを殺してしまったの……。前世をたどる真一と麻芸が解き明かしていく秘められた事実とは。

ヨギ ガンジーシリーズ

ヨギ ガンジーの妖術(1984年1月)

名(酩? 迷?)探偵ヨギ ガンジー登場! ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の血をひき、ロンドンではヨーガを教え、シカゴではすりの実演、東京では医者を相手に催眠術の講義をする、謎の男ヨギ ガンジー。心霊術、念力術、予言術、枯木術、読心術、分身術、そして遠隔殺人術……。頭にターバンを巻き、長い白衣を着た正体不明の名探偵が、超常現象としか思えない不思議な事件の謎に挑む!

しあわせの書〜迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術(1987年7月)

驚愕! こんなことが出来るとは。マジシャンでもある著者が企んだ、「紙の本ならでは」の仕掛け。 未読の人には、絶対に本書のトリックを明かさないで下さい。

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体〝惟霊(いれい)講会〟。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ――。
マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。

生者と死者〜酩探偵ヨギ ガンジーの透視術(1994年10月)

「消える短編小説」入ってます!
そのまま読むと短編小説。袋とじを開いて読むと、なんと!
〔お願い〕はじめは各頁を切り開かず、必ず袋とじのままお読み下さい。

この本は絶対に立ち読みできません。はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。そのあと各ページを切り開くと、驚くべきことが起こります――。そして謎の超能力者と怪しい奇術師、次々にトリックを見破るヨギ ガンジーが入り乱れる長編ミステリー「生者と死者」が姿を現すのです。
史上初、前代未聞驚愕の仕掛け本です。読み方にご注意してお楽しみください。

花嫁は二度眠る(1984年4月)

山形県米沢の旧家蘇芳(すおう)家の当主カナが二度殺された! 喜寿の祝いの夜、犯人はカナを絞殺し、翌朝、さらに鴨居から吊ったのだ。 半年後、事件の目撃者・富樫幹夫が結婚式を挙げるのと同時に、挙式予定の従妹・貴詩が、その前夜、死体となって発見された。 鬼才が放つ奇抜なトリックと斬新な構成で描く本格推理の秀作!

ゆきなだれ(1985年2月)

海方・小湊シリーズ

死者の輪舞(1985年5月)

競馬レースの最中、しかも大観衆のど真中で、一人の男が殺された! しかもこれが合図かのように、奇妙極まりない殺人事件が続発。特殊犯罪捜査課のベテラン&新米の名物刑事コンビが乗り出して、右往左往の末に解明した事件の驚くべき全貌。緻密なトリックと軽妙な語り口。新境地を拓く鬼才の傑作長編。

毒薬の輪舞(1990年4月)

青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件。自称億万長者、拒食症の少女、休日神経症のサラリーマン……はたして殺人鬼は誰か? 患者なのか、それとも医師なのか? 病人を装って、姿なき犯人の行方を追う警視庁の名物刑事・海方の活躍。全編、毒薬の謎に彩られた蠱惑的ミステリー空間!

猫女(1985年12月)

ダイヤル7をまわす時(1985年12月)

戸根市にはびこる二つの暴力団・北浦組と大門組は、ことごとにいがみ合い、まさに一触即発。そんな時、北浦組の組長が何者かに殺害された! 果たして殺害現場で電話をかけたのは犯人か?(表題作) 奇術師としても高名な著者ならではのトリックを各作品にちりばめ、あなたに挑戦する“犯人捜し”。 推理ファン必読の珠玉の短編集!

妖盗S79号(1987年7月)

奇想天外な手口で華麗にお宝を盗む、神出鬼没の怪盗S79号。その正体、そして真の目的とは!?ユーモラスすぎる見事なトリックが光る傑作ミステリ、ようやく復刊!北村薫氏、法月綸太郎氏推薦!

奇跡の男(1988年2月)

バスの転落事故で一人だけ生き残った男が、今度は袋くじの特賞に大当たり。そんな強運、あり!?(奇跡の男) 小さな飲み屋「糀屋」の客が死に、なぜか警察に被害者の香典が送られてきて……(狐の香典)。“卯の花健康法”や“健脳法”など、珍妙なことばかり思いつくナチ先生が殺された。雪に残された足跡が唯一の手掛かり?(ナチ式健脳法)など、ユーモラスで奇想天外な極上ミステリ短編集。

折鶴(1988年3月)

縫箔の職人田毎はパーティでかつての恋人だった鶴子と再会した。かたくなに手仕事をつづける田毎と手広く事業を広げる鶴子。この二人の出逢いが悲劇へとつながる表題作「折鶴」。友禅差しの模様師脇田が旅先でふと聞いた新内がきっかけで、酒と女で身を持ちくずした名新内語りの末路を知る「忍火山恋唄」の直木賞候補作二篇に、「駆落」「角館にて」を収めた。自ら紋章上絵師という職を持つ筆者が、職人の世界に男と女の結びつきの不可解さをからませて描く好短篇集。

宝引の辰捕者帳

鬼女の鱗(1988年3月)

自来也小町(1994年6月)

蛙一匹百両の絵が消えた……。瞬く間に値の上がる吉祥画ばかりを狙う怪盗自来也小町。迎えうつは宝引の辰親分。奇想天外!七篇の競演

凧をみる武士(1995年5月)

大名の下屋敷から空高く揚がる大凧。その三枚の凧にはなぜか十両の小判が結びつけられていた……。江戸情緒満載の人気シリ-ズ登場

朱房の鷹(1999年4月)

四十二歳。円熟の十手さばき
将軍様の鷹が殺された──。ご公儀の威光を笠にきて威張る鷹匠に対する庶民の恨みか? 辰親分、円熟の十手さばき。表題作など八篇

鳥居の赤兵衛(2004年8月)

貸本屋の急死で消えた全十巻の読本『鳥居の赤兵衛』。続きが読みたい私はこの読本に隠された秘密を探るが……。表題作など全八篇

織姫かえる(2008年8月)

七夕の直前に手習いの師匠の奥方が姿を消した。捕者が終わり、傷心の奥方の心を癒した短冊に秘められた謎とは? 表題作など10篇

夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選(2018年8月)

ミステリ界の魔術師が贈る、いなせな親分の名推理
奇抜なトリックと逆説に満ちた至高の13編

幕末の江戸。神田千両町に暮らす岡っ引の辰親分は、御用のかたわら福引きの一種である“宝引”作りをしていることから、“宝引の辰”と呼ばれていた。親分は不可思議な事件に遭遇する度に、鮮やかに謎を解く! 殺された男と同じ彫物をもつ女捜しの意外な顚末を綴る「鬼女の鱗」。謎の画家が残した吉祥画を専門に狙う、怪盗・自来也の真意を探る「自来也小町」。美貌の女手妻師・夜光亭浮城の芸の最中に起きた、殺人と盗難事件の真相を暴く「夜光亭の一夜」。ミステリ界の魔術師が贈る、それぞれの事件関係者の一人称視点から描かれた傑作13編。

斜光(1988年7月)

写真館主夕城香留の縁談相手は、華丘弥宵といい、新橋の老舗呉服商の妹で、初婚、香留より七つ若い三十八歳ということだった。写真の中の弥宵に男の影を感じとった香留だったが、見合いの席で弥宵のはかなげな美しさに魅せられてしまう。そんなある夏の朝、温泉町で腐乱屍体が発見された。捜査の結果、被害者が新進政治家の父親で、漁色家だったことが浮かび上る。香留が弥宵に抱いた影は、結婚後も妖しく膨んで行き、因縁に絡めとられた男と女たちを、崩壊の隘路へと駆り立てる――。

夢裡庵先生捕物帳

びいどろの筆(1989年2月)

からくり富(1996年5月)

飛奴(2002年10月)

倒幕軍と徹底抗戦を誓った八丁堀同心・夢裡庵は大砲隊の前に仁王立ちーー。果たしてみごと砲弾を受け止めるのか? 人気シリーズの最後を飾る「夢裡庵の逃走」ほか、奇跡の天文導師をめぐる表題作など、江戸風物にまつわる洒落た連作推理七編。

夢裡庵先生捕物帳(2017年12月)

絵馬の中の人物がまるで矢を放ったように見える殺しの現場の真相は──(びいどろの筆)。味競(あじくらべ)番付で上位になった店ばかり次々と強盗に襲われているが……(泥棒番付)。砂を金に変える秘術をおらんだ人から教わったという者が持ち込んできた話とは(砂子四千両)。空中楼夢裡庵こと八丁堀定町廻り同心の富士宇衛門が、江戸の風物詩をめぐる不可思議で魅惑的な事件と対峙する(解説:芦沢央)。

文庫化に際して、上記3冊を上下巻2冊に再編成しています。

蔭桔梗(1990年2月)

紋章上絵師の章次のもとに、かつて心を寄せあっていた女性から、二十年前と同じ蔭桔梗の紋入れの依頼があった。あの時は事情があって下職に回してしまったのだが、それは彼女が密かな願いをかけて託した紋入れだった……。微妙な愛のすれ違いを描き直木賞受賞作となった表題作はじめ、下町の職人世界と大人の男女の機微を、しっとりと描いた十一編の物語を収録する、珠玉の短編集。

黒き舞楽(1990年3月)

砂のアラベスク(1990年10月)

雨女(1991年1月)

雨の日に限って、向津刑事が見かける美しい女。まさか、こんなときに出会うとは!?――大学教授が病いを苦にして首吊り自殺! だが、現場検証に訪れた向津は、不審の念を抱く。踏み台に使った火鉢を、重病の彼が動かせたはずがないのだ。そこへ、妻である彼女が……“雨女”が、現れた。(表題作)直木賞作家が描く、本格ミステリーのベストセレクト!(『ぼくたちの太陽』改題)

旋風(1992年5月)

八星流柔術の復興を胸に鹿児島から上京した若き柔術家・織口哲。だが、珠月院道場で修業する哲は、何者かによって殺されかかった。誰が、なぜ?事件の裏に意外な事実が…。

写楽百面相(1993年7月)

夢の密室(1993年8月)

来条美箱(らいじょうみはこ)は、就寝前に“カヴァハイ”という飲み物を飲んで不思議な夢をみた。ホテルの一室での密室殺人。しかも容疑者は、別れた夫・靖彦だった。彼の虚言癖が原因で別れたのだが、なぜか憎めない。靖彦が助けを求めてのテレパシーではないか、と感じた美箱は、謎解きを開始するが……(表題作)。鬼才が放つ、奇妙で不思議なファンタジック・ミステリー。

恋路吟行(1993年10月)

仲間が集まってたどる能登への俳句の吟行。途中から参加した人妻の転落死は、事故か殺人か。表題作他、男と女の危険で妖しい情念をミステリーの視点で綴る作品集。

弓形の月(1994年4月)

泡坂妻夫の怖い話(1995年5月)

からくり東海道(1996年9月)

天保十年正月。尾張藩江戸下屋敷で余興を演じた角兵衛獅子のみつと文吉は、屋敷の庭に“宿場町”が造られているのを見た。十年後、文吉は、小田原宿でたかと名を改めたみつと再会。美少年を引きつれ、悪事を働くたかと手を組む文吉。三人は、箱根山中に眠るという大久保長安の埋蔵金を狙うが……。奇抜な発想、幾重にも仕掛けを絡ませた痛快時代ミステリー。

砂時計(1996年12月)

親友に“離婚した女と一緒になってくれ”と頼まれたら……? 二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻・波妙(はたえ)と奇妙な同居生活を始める。半月後、能勢は殺人容疑で逮捕された。波妙は「計画的犯行だった」と二見に告白。親友の確信犯的殺人の背後には何が……!?(表題作) 紋章上絵師、仕立職人、奇術師等々――奇才が仕掛けた綺羅星(きらぼし)の如く並んだトリック。哀歓漂う傑作選。

亜智一郎の恐慌(1997年12月)

鬼子母像(1998年12月)

離婚経験のあるタウン誌編集長の奥山美知子は、15歳下のアルバイト・西木総一と愛人関係にある。ある日、二人は取材で訪れた寺の住職から、子を思う鬼子母神の由来を聞く。事故で母親を亡くしたばかりの総一は、いつしか美知子の中に母の面影を求めるが……(表題作)。恐怖、官能、怪奇……。奇才が誘う妖しき世界。多彩な仕掛けのびっくり箱!(全12編)

比翼(2001年2月)

●恋人が身を引いた理由が、片方だけ不自然にずれた着物の紋の位置から判明する(「風神雷神」)●マジックをテーマに、複雑な殺人の謎を解く(「赤いロープ」)●カメラマンが盆栽造りの男によって、妖しい官能の世界に引き込まれていく(「思いのまま」)●ペアルックに拘(こだわ)る女心の奥に潜む危険な香り(「比翼」)人情、奇術、怪異、愛憎……。名人の筆捌(さば)きが冴える傑作集!

蚊取湖殺人事件(2005年3月)

スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。被害者の首には包帯が!? 警察は二人を疑っているらしい。そこで彼女たちは身の潔白を証明するため、スキー場で知り合った男と協力して犯人捜しを始めるが……(表題作)。「謎解き」「奇術」そして「伝統職人もの」、バラエティに富んだ泡坂マジック、巧みの世界!

春のとなり(2006年4月)

揚羽蝶(2006年11月)

トリュフとトナカイ(2006年11月)

一流のコレクターを目指すため、殺人に走る「金津の切符」や氷上の殺人事件に出くわした若き女性のよる犯人探し「蚊取湖殺人事件」。表題作他4編を収録。

泡坂妻夫引退公演(2012年8月)

ミステリ界の魔術師泡坂妻夫の単行本未収録短編と戯曲を纏めてお届け。お馴染みキャラクター、紋章上絵師ものや奇術専門店のシリーズ、そのほか多彩な単発作品が一堂に会する。

泡坂妻夫引退公演 絡繰篇(2019年4月)

ミステリ界の魔術師による最後の贈り物
<亜智一朗>シリーズ、時代物、幻想小説ほか傑作17編。
単行本未収録の短編などを集成。

緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。著者の生前、単行本に収録されなかった短編小説などを収めた作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。絡繰篇は、大胆不敵な盗賊・隼小僧の正体を追う「大奥の七不思議」ほか、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、五節句の紋を誂えた着物にこめられた想いを読み解く「五節句」ほか、紋章上絵師たちのシリーズ、背中に見事な彫物を持つと評判の美女を巡る「荼吉尼天」といったノンシリーズなど、17編を収めた。

泡坂妻夫引退公演 手妻篇(2019年4月)

本格ミステリ、マジックを愛した騙しの名人
<ヨギガンジー>シリーズ、書籍初収録「酔象秘曲」ほか名品13編。
巨匠によるラストステージ!

ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。手妻篇は、辛辣な料理評論家を巡る事件の謎を解く「カルダモンの匂い」ほか、ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギ ガンジーが活躍するミステリシリーズ、酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる、単行本刊行後に発見され初書籍化となる「酔象秘曲」、マジシャン同士の心の機微を描く「ジャンピング ダイヤ」ほか、マジックショップ・機巧堂を舞台にした奇術もの、住人が次々と死んだマンションの一室で交霊会を行い、真実を暴く戯曲「交霊会の夜」など13編を収録。

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