終戦後の文学とは?日本のおすすめ戦後小説・文学ベスト10選

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時代を越えて受け継がれる、日本の名作文学、傑作小説を紹介します。

今回の記事では第二次世界大戦、太平洋戦争の終結直後に書かれた作品を選びました。

未だ戦争の傷跡が残り、混乱の最中にあった時代の小説です。戦争によって一度中断してしまった感のある日本文学が、戦後の廃墟の中からどう立ち上がり、復興してきたのか。今回の記事の小説を読めばその一端が見られるのではないでしょうか。

日本のおすすめ戦後小説・文学10選

三島由紀夫『金閣寺

【新装版、新・三島由紀夫】

金閣を焼かなければならぬ――。破滅に至る青年の「告白」。

最も読まれている三島作品。国際的評価も高い。〔新解説〕恩田陸

「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか? 現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く〈現象の否定とイデアの肯定〉──三島文学を貫く最大の原理がここにある。

福永武彦『死の島

冬の朝、薄気味の悪い夢からさめた相馬鼎は創作ノートを繰りながら机の上に掛けられた絵を眺める。彼は300日前に展覧会場でみたその「島」という作品にひきつけられ、作者の萌木素子を尋ねる。暗い蔭をたたえた被爆者の彼女は、あどけなく美しい年上の相見綾子と二人で住んでいる。相馬が勤務先の出版社について間もなく、広島の病院から二人が心中したという報せをうける……。

埴谷雄高『死霊

晩夏酷暑の或る日、郊外の風癲病院の門をひとりの青年がくぐる。青年の名は三輪与志、当病院の若き精神病医と自己意識の飛躍をめぐって議論になり、真向う対立する。三輪与志の渇し求める<虚体>とは何か。三輪家4兄弟がそれぞれのめざす窮極の<革命>を語る『死霊』の世界。全宇宙における<存在>の秘密を生涯かけて追究した傑作。序曲にあたる1章から3章までを収録。日本文学大賞受賞。

藤枝静男『欣求浄土

緊張した透明度の高い硬質な文体。鋭角的に切り抉られた精神の軌跡。人間の底深い生の根源を鋭く問い続ける藤枝静男の名篇「欣求浄土」「一家団欒」を含む『欣求浄土』、藤枝文学の極北と称賛された感動の名作、野間文芸賞受賞の『悲しいだけ』を併録。

大岡昇平『俘虜記

日本人はいまも敗者として、生かされ続けているのかもしれない。

2019年は大岡昇平、生誕110年。今読みたい戦中戦後文学の傑作。

一等兵として太平洋戦争に従軍した著者の体験に基づく連作小説。フィリピン・ミンドロ島への米軍上陸から復員までの約一年間を描く。なぜ自分は米兵を殺さなかったかという感情を異常なほどに平静かつ精密に分析した「捉まるまで」と、俘虜収容所を戦後日本の縮図と見た文明批評の続編からなる。

孤独という真空状態での人間のエゴティスムを明晰な文体で凝視し、戦争小説とは一線を画する。

椎名麟三『深夜の酒宴

なぜ人間は生きねばならないのか――?
戦後文学のカリスマ椎名麟三の代表的2篇!

焼け残った運河沿いの倉庫を改造したアパートに蠢く住民達。瀕死の喘息患者、栄養失調の少年、売春婦の救いのない生態を虚無的な乾いた文体で描き、「重い」「堪える」の流行語と共に作家椎名麟三の登場を鮮烈に印象づけた「深夜の酒宴」。電車の運転の仕事を熱愛する平凡な男が現実の重さに躓きつつ生き抜く様を特異なユーモアで描く「美しい女」(芸術選奨)。戦後の社会にカリスマ的光芒を放った椎名文学の代表作2篇。

安部公房『壁―S・カルマ氏の犯罪

自分と他人が、もう一つ別の自分、別の他人に変容する。

カフカ以上にカフカ的なグロテスクな世界――。

ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。

独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った芥川賞受賞の野心作。

野間宏『崩解感覚

梅崎春生『桜島

処女作「風宴」の、青春の無為と高貴さの並存する風景。出世作「桜島」の、極限状況下の青春の精緻な心象風景。そして秀作「日の果て」。「桜島」「日の果て」と照応する毎日出版文化賞受賞の「幻化」。不気味で純粋な“生”の旋律を伝える作家・梅崎春生の、戦後日本の文学を代表する作品群。

武田泰淳『ひかりごけ

「おめえ、おらが死んでも喰わねえな」

「喰わねえてば、喰わねえでねえか。同じ村の同じ船に乗ってるもんをよ。誰が喰うだ……」

昭和19年、厳冬の北海道羅臼で起きた「難破船長人喰事件」。

実在の事件をもとにした、戦後文学の極北。

雪と氷に閉ざされた北海の洞窟の中で、生死の境に追いつめられた人間同士が相食むにいたる惨劇を通して、極限状況における人間心理を真正面から直視した問題作「ひかりごけ」。仏門に生れ、人間でありながら人間以外の何ものかとして生きることを余儀なくされた若き僧侶の苦悩を描いて、武田文学の原点をうかがわせる「異形の者」。ほかに「海肌の匂い」「流人島にて」を収録する。

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