【おすすめ】三島由紀夫の全作品を文庫別に一覧であらすじを紹介します

三島 由紀夫 みしま・ゆきお(1925年1月14日 – 1970年11月25日)

小説家、劇作家。東京市四谷区(東京都新宿区)生まれ。東京大学法学部卒。大蔵省に勤務した後、1949年に『仮面の告白』を刊行しデビュー。1954年『潮騒』で新潮社文学賞、1956年『金閣寺』で読売文学賞、1965年『サド侯爵夫人』で芸術祭賞を受賞。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:豊饒の海四部作
  • 2位:金閣寺
  • 3位:午後の曳航

文庫別作品一覧リスト

※この記事では年代順ではなく、各文庫の刊行順に紹介しています。

※作品発表順のリストは新潮社公式サイト内の『三島由紀夫全集』目次が参考になると思います。

新潮文庫

『仮面の告白』

この告白によって、私は自らを死刑に処す――。
初の書き下ろし長編。のちのすべてが包含された代表作。


女に魅力を感じず、血に塗れた死を憧憬しつつ自らの性的指向に煩悶する少年「私」。軍靴の響き高まるなか、級友の妹と出会い、愛され、幸福らしきものに酔うが、彼女と唇を重ねたその瞬間「私には凡てがわかった。一刻も早く逃げなければならぬ」――。少年が到達した驚異の境地とは? 自らを断頭台にかけた、典雅にしてスキャンダラスな性的自伝。

『頭文字』

  • 花ざかりの森
  • 中世
  • 春子
  • 山羊の首
  • 頭文字
  • 宝石売買
  • 魔群の通過
  • 遠乗会

『愛の渇き』

沼のような情念。罪は誰にあるのか――。

杉本悦子は、度重なる不倫で彼女を苦しめ続けた夫を突如亡くし、舅の弥吉や夫の兄弟家族が住む別荘兼農園に身を寄せた。やがて舅との肉体関係に陥った悦子は、その骸骨のごとき手で体をまさぐられながらも、雇われ庭師、三郎の若い肉体と質朴な心に惹かれていく。だが三郎には女中の美代という恋人がいた。嫉妬と歪んだ幸福が荒々しい結末を呼ぶ野心的長編。

『盗賊』

内省的で繊細な青年・明秀は避暑地で出会った奔放な娘・美子に失恋し、死を決意する。思い詰めた明秀の前に現れた少女・清子もまた恋に破れ、自殺を考えていた。ふたりは若く瑞々しい恋人同士に擬態しながら、「ただ一つの目的」に向かって周到に共謀する。親や友人たちの無邪気な祝福を受け、結婚式当日を迎えるが……。青春の秘密と美を精緻に描く心理小説。

『禁色』(上巻)
『禁色』(下巻)

『潮騒』

「その火を飛び越して来い」、永遠の青春がここに――。
その名を不動のものとした、三島29歳の作品。


古代の伝説が息づく伊勢湾の小島で、逞しく日焼けした海の若者新治は、目もとの涼しげな少女初江に出会う。にわかに騒ぎだす新治の心。星明りの浜、匂う潮の香、触れ合う唇。嵐の日、島の廃墟で二人きりになるのだが、みずみずしい肉体と恋の行方は――。
困難も不安も、眩しい太陽と海のきらめきに溶けこませ、恩寵的な世界を描いた三島文学の澄明な結晶。

『金閣寺』

「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか? 現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く〈現象の否定とイデアの肯定〉──三島文学を貫く最大の原理がここにある。

『美徳のよろめき』

優雅なヒロイン倉越夫人にとって、姦通とは異邦の珍しい宝石のようなものだったが……。魂は無垢で、聖女のごとき人妻の背徳の世界。

『永すぎた春』

家柄の違いを乗り越えてようやく婚約にこぎつけた若い男女。一年以上に及ぶ永すぎた婚約期間中に起る二人の危機を洒脱な筆で描く。

『沈める滝』

天性の美貌と豊かな財力にめぐまれた貴公子城所昇は、愛を信じない青年である。彼は子供のころ、鉄や石ばかりを相手にしてすごし、漁色も即物的関心からで、愛情のためではない。最後の女顕子に惹かれたのも、この人妻が石のように不感症だったからなのだ。──既成の愛を信じないという立場に立って、その荒廃の上にあらためて人工の愛の創造を試みた、三島文学の重要な作品。

『禁色』

おねがいだ。女を愛さぬことで、私の仇を討ってくれ――。
「廿代の総決算」として挑んだ、野心作にして衝撃醒めぬ金字塔。


「僕は女を愛せないんです」──。完璧な美貌の青年・南悠一がそう告げたとき、老作家・檜俊輔の復讐遊戯が幕を上げた。「悠一の美を使って自分を裏切った女たちを手酷く堕落させるのだ」。一方で悠一はゲイバー「ルドン」の淫靡を身に纏いはじめ、俊輔はとある「愛」の誤算によって次第に人生をも狂わされていく……。
『仮面の告白』と並ぶ同性愛小説の極致。

『鏡子の家』

名門の令嬢である鏡子の家に集まってくる四人の青年たちが描く生の軌跡を、朝鮮戦争直後の頹廃した時代相のなかに浮彫りにする。

『獣の戯れ』

銀座にある西洋陶器店でアルバイトをする大学生の幸二は、店主の逸平から、「決して嫉妬しない妻の優子を嫉妬させるために、情事に忙しい」と打ち明けられる。その時以来、優子に同情し、愛するようになった幸二は、夫婦間の失われた愛の復活を願って、優子を逸平の浮気の現場に連れて行くが…。
それから二年、幸二が再会した逸平は、かつての「伊達男」の面影をすっかり失っていた。
西伊豆の小さな漁村で新たに展開する〈愛(エロス)〉という狂気の形。

『美しい星』

自分たちは他の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核時代の人類滅亡の不安をみごとに捉えた異色作。

『近代能楽集』

はやくから謡曲に親しんでいた著者が、能楽の自由な空間と時間の処理方法に着目し、その露わな形而上学的主題を現代的な状況の中に再現したのが本書である。リアリズムを信条としてきた近代劇に対して、古典文学の持つ永遠のテーマを“近代能”という形で作品化した8編の大胆な試みは、ギリシャ古典劇にも通じるその普遍性のために、海外でも上演され好評を博した。

『午後の曳航』

十三歳の登は自室の抽斗奥に小さな穴を発見した。穴から覗く隣室の母の姿は艶めかしい。晩夏には、母が航海士の竜二とまぐわう姿を目撃する。竜二の、死すら厭わぬ船乗り精神と屈強な肉体に憧れる登にとって、彼が海を捨て母を選び、登の父となる生ぬるい未来は屈辱だった。彼を英雄に戻すため、登は仲間と悪魔的計画を立てる。
大人社会の綻びを突く衝撃の長編。

『花ざかりの森・憂国 自選短編集』

二・二六事件で逆賊と断じられた親友を討たねばならぬ懊悩に、武山中尉は自刃を決意する。夫の覚悟に添う夫人との濃厚極まる情交と壮絶な最期を描く、エロスと死の真骨頂「憂国」。16歳の実質的デビュー作「花ざかりの森」、著者の生涯にわたる文学的テーマを内包した「中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃」等13編。
多彩な魅力の自選短編集。三島自身の解説を付す。

『宴のあと』

もはや恋愛と無縁だと思っていた料亭の女主人・福沢かづは、ある宴席で、独り身の野口雄賢に強く惹かれた。熱情と行動力を備えたかづと、誇り高き元外相の野口は、奈良への旅を経て、結婚する。野口は請われて革新党候補となり、夫妻は選挙戦に身を投じることに。
モデル問題で揺れた作品ながら、男女の浪漫の終焉を描いた小説として、国内海外で高く評価された。

『音楽』

愛する男との性交渉にオルガスムス=音楽をきくことのできぬ美貌の女性の過去を探る精神分析医──人間心理の奥底を突く長編小説。

『真夏の死』

海難事故で幼い子供を失った夫婦。不幸に直面した衝撃と怒り、悲嘆からの逃避、忘却のはじまり、そして──喪失の後の心情を克明に追う「真夏の死」のほか、川端康成に評価され作家デビューのきっかけとなった「煙草」、レズビアニズムを扱った先駆的で官能的な「春子」など、短篇小説ならではの冴えが際立つ11篇を収録。著者による解説も付した自選短篇集。

  • 煙草
  • 春子
  • サーカス
  • 離宮の松
  • クロスワード・パズル
  • 真夏の死
  • 花火
  • 貴顕
  • 葡萄パン
  • 雨のなかの噴水

『獅子・孔雀』

のちに刊行された『殉教』と同じ内容です。

『青の時代』

地方の名家に生れた川崎誠は、父への反感を胸に徹底した合理主義者として一高、東大へと進むが、ある日大金を詐欺で失った事から今度は自分で金融会社を設立する。それはうまく行くかに思われたが……。戦後世間を賑わした光クラブ社長の自殺に至る波瀾にみちた短い生涯を素材にして、激しい自己反省癖と自意識過剰の異様で孤独な青春を描いて作者独自のシニシズムに溢れる長編。

『春の雪』

ともに華族に生まれた松枝清顕と綾倉聡子。互いに惹かれ合うが、自尊心の強さから清顕が聡子を遠ざけると、聡子は皇族との婚約を受け入れてしまう。若い二人の前に、燃えるような禁忌の道が拓かれ、度重なる密会の果て、ついに恐れていた事態を招来する──。
三島が己れのすべてを賭し、典雅なる宿命世界を描き尽くしたライフワークたる『豊饒の海』第一巻。

『奔馬』

昭和の神風連を志した飯沼勲の蹶起計画は密告によって空しく潰える。彼が目指したものは幻に過ぎなかったのか?英雄的行動小説。

『暁の寺』

〈悲恋〉と〈自刃〉に立ち会った本多繁邦は、タイで日本人の生れ変りだと訴える幼い姫に出会う。壮麗な猥雑の世界に生の源泉を探る。

『天人五衰』

老残の本多繁邦が出会った少年安永透。彼の脇腹には三つの黒子がはっきりと象嵌されていた。〈輪廻転生〉の本質を劇的に描いた遺作。

『女神』

さながら女神のように美しく仕立て上げた妻が、顔に醜い火傷を負った時……女性美を追う男の執念を描く表題作等、11編を収録する。

  • 女神
  • 接吻
  • 伝説
  • 白鳥
  • 哲学
  • 蝶々
  • 恋重荷
  • 侍童
  • 鴛鴦
  • 雛の宿
  • 朝の純愛

『岬にての物語』

夢想好きの早熟な少年がひとり分け入った岬の廃屋で出会った若い男と女――陽光が降り注ぎ、草花の生い茂る夏の岬を舞台に、恋人たちが自ら選んだ恩寵としての死を描く初期の名作『岬にての物語』。他に、生れるとすぐ母親から離され祖母の許で育てられた幼年時代の一齣を描く『椅子』、恋愛と信仰の相剋を取り扱った『志賀寺上人の恋』など、三島文学の精粋全13編を収録。

  • 苧菟と瑪耶
  • 岬にての物語
  • 頭文字
  • 親切な機械
  • 火山の休暇
  • 牝犬
  • 椅子
  • 不満な女たち
  • 志賀寺上人の恋
  • 水音
  • 商い人
  • 十九歳
  • 月澹荘綺譚

『サド侯爵夫人・わが友ヒットラー』

倒錯した愉楽の使徒・サド侯爵。風俗壊乱で獄にある彼を、妻ルネは十八年にわたり待ち続ける。だが釈放の刹那、一転、修道院へと向かう決意を固め……。果して妻は、夫の何を信じていたのか(「サド侯爵夫人」)。血塗られた粛清の奥底に潜む、独裁者を衝き動かした狂気とは(「?わが友ヒットラー」)。
互いに照応し合う「一対の作品」と自ら評した、代表的戯曲2篇。自作解題を付す。

『鍵のかかる部屋』

財務省に勤務するエリート官吏と少女の密室の中での遊戯。敗戦後の混乱期における一青年の内面と行動を描く表題作など短編12編。

  • 彩絵硝子
  • 祈りの日記
  • 慈善
  • 訃音
  • 怪物
  • 果実
  • 死の島
  • 美神
  • 江口初女覚書
  • 鍵のかかる部屋
  • 山の魂
  • 蘭陵王

『ラディゲの死』

〈三日のうちに、僕は神の兵隊に銃殺されるんだ〉という自らの予言通りに、ラディゲは庇護者であるコクトオに見守られながら二十年の生涯を閉じた。
――著者が少年の時より心酔しつづけてきた夭折の天才ラディゲの晩年と臨終を描く表題作。
ほかに、『みのもの月』『魔群の通過』『花山院』『旅の墓碑銘』『施餓鬼舟』など、
現実を明晰・辛辣な筆致で裁断した作品を収める。

  • みのもの月
  • 山羊の首
  • 大臣
  • 魔群の通過
  • 花山院
  • 日曜日
  • 箱根細工
  • 偉大な姉妹
  • 朝顔
  • 旅の墓碑銘
  • ラディゲの死
  • 復讐
  • 施餓鬼舟

『小説家の休暇』

芸術および芸術家にかかわる多岐広汎な問題を、日記の自由な形式をかりて縦横に論考、警抜なパラドックスと示唆に満ちた表題作。この評論には三島文学の全体を形成する重要な諸要素のすべてが含まれており、著者の哲学の原点を示すものと言うことができる。ほかに、従来の日本文学史に対する果敢な挑戦『日本文学小史』など、小説家・戯曲家としての創造の核心をなす評論全10編。

『殉教』

三島文学の中心的なテーマをなしたロマネスクな世界への憧憬と日常世界との関係を、反時代的な主人公によって象徴的に描き、現代における貴種流離や異類の孤立の意味を追求した作品を集める。子供から大人へと成長していく精神の軌跡と、倒錯した性にからむ肉体的嗜虐の世界を描く表題作や『獅子』『三熊野詣』など9編を収める。

  • 軽王子と衣通姫
  • 殉教
  • 獅子
  • 毒薬の社会的効用について
  • 急停車
  • スタア
  • 三熊野詣
  • 孔雀
  • 仲間

『アポロの杯』

『葉隠入門』

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の一句で名高い「葉隠」は、死を中核に据えた、自由と情熱の書である。三島は“わたしのただ一冊の本”と呼んで心酔した。「葉隠」の濶達な武士道精神を今日に甦らせ、乱世に生きる〈現代の武士〉たちの常住坐臥の心構えを説いたこの『葉隠入門』は、人生論であり、道徳書であり、三島自身の文学的思想的自伝でもある。「葉隠」の現代語訳を付す。

『裸体と衣裳』

『鹿鳴館』

明治19年の天長節に鹿鳴館で催された大夜会を舞台として、恋と政治の渦の中に乱舞する四人の男女の悲劇の運命を描き、著者自ら〈私がはじめて書いた俳優芸術のための作品〉と呼んだ表題作。他に、人間の情念と意志のギャップを描く嫉妬劇「只ほど高いものはない」、現代における幸福の不毛性への痛烈な挑戦「夜の向日葵」、六世中村歌右衛門のために書かれた「朝の躑躅」。

『熱帯樹』

『絹と明察』

家族主義的な経営によって零細な会社を一躍大紡績会社に成長させた男の夢と挫折を描く。近江絹糸の労働争議に題材を得た長編小説。

『憂国/橋づくし』新潮ピコ文庫

『川端康成・三島由紀夫 往復書簡』

東大在学中の三島由紀夫は、処女小説集『花ざかりの森』を川端康成に送り、昭和二十年三月八日付の川端の礼状をもって、二人の親交が始まった。文学的野心を率直に認(したた)めてきた三島は、川端のノーベル賞受賞を機に文面も儀礼的になり、昭和四十五年、衝撃的な自決の四ヶ月前に出された永訣の手紙で終止符を打つ……。

『写真集 三島由紀夫 ’25~’70』

「私はそもそも、天に属するのか?」――仮面と情熱、創作と行動、死と美の臨界をひたむきに駆けぬけた、文字通り「不世出」の文学者、三島由紀夫。彼はまた、つねに世間の注目を浴びたその作家生活と活動を通じて、少なからぬ写真家たちの被写体でありつづけた。華麗にして不可解なるまま「謎」として残された三島の生涯。劇的なほどに真摯な45年を、写真の数々で鮮烈に再検証する。

『三島由紀夫 十代書簡集』

『手長姫 英霊の声 1938 -1966』

  • 酸模
  • 家族合せ
  • 日食
  • 手長姫
  • 携帯用
  • S・O・S
  • 魔法瓶
  • 切符
  • 英霊の声

角川文庫

『愛の渇き』

『花ざかりの森 他六篇』

『真夏の死 他五篇』

  • 真夏の死
  • 怪物
  • 大臣
  • 親切な機械
  • 獅子
  • クロスワード・パズル

『純白の夜』

村松恒彦は勤務先の岸田銀行の創立者の娘である13歳年下の妻・郁子と不自由なく暮らしている。恒彦の友人・楠は一目で郁子の美しさに心を奪われ、郁子もまた楠に惹かれていく。2人の恋は思いも寄らぬ方向へ……。

『女神』

『夏子の冒険』

裕福な家で奔放に育った夏子は、自分に群がる男たちに興味が持てず、神に仕えた方がいい、と函館の修道院入りを決める。ところが函館へ向かう車中、瞳に情熱的な輝きを宿す一人の青年と巡り会う。傑作長編ロマンス!

『不道徳教育講座』

「大いにウソをつくべし】【弱い者をいじめるべし】【痴漢を歓迎すべし】…世の良識家たちの度胆を抜く不道徳のススメ。西鶴の『本朝二十不孝』にならい、著者一流のウィットと逆説的レトリックで展開。

『美と共同体と東大闘争』

学生・社会運動の嵐が吹き荒れる一九六九年五月十三日、超満員の東大教養学部で開催された三島由紀夫と全共闘の討論会。両者が互いの存在理由をめぐって、激しく、真摯に議論を闘わせた貴重なドキュメント。

『夜会服』

社長令嬢・絢子は外交官夫人の自慢の息子・俊男と見合い結婚する。非の打ち所のない好青年に見えた夫だが、絢子には気がかりなことが。新婚旅行から戻った新婦を、案の定嫁姑問題が待ち受ける。三島作品待望の復活!

『複雑な彼』

森田冴子は国際線ステュワード・宮城譲二の精悍な背中に魅せられた。だが、譲二はスパイだったとか保釈中の身だとかいう物騒な噂がある「複雑な」彼だった。やがて2人は恋に落ちるが……。爽やかな青春恋愛小説。

『お嬢さん』

大手企業重役の娘・藤沢かすみは20歳、健全で幸福な家庭のお嬢さま。休日になると藤沢家を訪れる父の部下たちは花婿候補だ。かすみが興味を抱いた沢井はプレイボーイで……「婚活」の行方は。

『にっぽん製』

ファッションデザイナーとしての成功を夢見る春原美子は、洋行の帰途、柔道選手の栗原正から熱烈なアプローチを受ける。が、美子にはパトロンがいた。古い日本と新しい日本のせめぎあいを描く初文庫化。

『幸福号出帆』

虚無的で人間嫌いだが、容姿に恵まれた敏夫は、妹の三津子を溺愛している。「幸福号」と名づけた船を手に入れた敏夫は、密輸で追われる身となった妹と共に、純粋な愛に生きようと逃避行の旅に出る。純愛長編。

『愛の疾走』

半農半漁の村で、漁を営む青年・修一と、湖岸の工場に勤める美代。この二人に恋をさせ、自分の小説のモデルにしようとたくらむ素人作家、大島。策略と駆け引きの果ての恋の行方は。劇中劇も巧みな恋愛長編。

中公文庫

『沈める瀧』

『不道徳教育講座』

『文章読本』

文章の格調と気品は古典的教養から生れる――。森鴎外、川端康成、ゲーテ、バルザックなど古今東西の豊富な実例を挙げ、あらゆる様式の文章・技巧の面白さ美しさを、該博な知識と実作の経験から解明する。小説を深く味わう読者へと導く万人必読の文章読本。人名索引を付す。

『作家論』

森鴎外、谷崎潤一郎、川端康成ら作家15人の詩精神と美意識を解明。『太陽と鉄』と共に「批評の仕事の二本の柱」と自認する書。

『荒野より』

後に〈楯の会〉結成のきっかけとなった民族派青年たちとの出会いを予言するかのような短編小説「荒野より」をはじめ、東京五輪観戦記「オリンピック」、エッセイ「日本人の誇り」「ナルシシズム論」、戯曲「アラビアン・ナイト」等、四十路を迎えた作家の心境を現した作品集。

『癩王のテラス』

『椿説弓張月』

『太陽と鉄』

最後まで冷徹な自己分析、自己認識の中で、限りなく客観的、論理的世界へ飛翔して、自らの死と対決する三島ミスチシズムの精髄を明かす「太陽と鉄」、詩を書く少年が作家として自立するまでを語る「私の遍歴時代」。三島文学の理解に不可欠な自伝的作品を収める。

『三島由紀夫未発表書簡 ドナルド・キーン氏宛の97通』

『小説読本』

小説家はなりたくてなれるものではない――。
小説の原理を解き明かす長篇評論「小説とは何か」を中心に、「私の小説の方法」「わが創作方法」など、自ら実践する技法を大胆に披瀝したエッセイを収める。
作家を志す人々に贈る、三島由紀夫による小説指南の書。待望の文庫化。

『古典文学読本』

古事記から源氏物語まで文化意志の発現として捉えた「日本文学小史」をはじめ、独自の美意識によって、古今集や能、葉隠など古典の魅力を綴った秀抜なエッセイを初集成。三島由紀夫が誘う優雅にして豊饒な古典の世界。雑誌「文芸文化」掲載の全評論を収録。文庫オリジナル。

『戦後日記』

「小説家の休暇」「裸体と衣裳」ほか日記形式で発表された全エッセイを年代順に初集成。時代を活写した三島による戦後史のドキュメント。

『谷崎潤一郎・川端康成』

谷崎潤一郎を「大谷崎」、川端康成を「微細なるものの巨匠」と讃えた三島由紀夫。世界的にも名高い二人の文豪を三島はどう読んだのか。作家論・作品論はもちろん、随筆、人物評にいたるまで両者をめぐる文章を初集成。谷崎文学、川端文学への最良の入門であると同時に日本文学の真髄を示す。文庫オリジナル。

『三島由紀夫 石原慎太郎 全対話』

一九五六年の「新人の季節」から六九年の「守るべきものの価値」まで、単行本・全集未収録の三編を含む全対話九編を初集成。戦後日本の二大スタア作家による競演。七〇年の「士道について」の公開状、石原のロングインタビューを併録する。文庫オリジナル。

講談社文庫

『剣』

『絹と明察』

『太陽と鉄』

『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』

自決9ヶ月前。最後の長編小説『豊饒の海』第三巻「暁の寺」脱稿日に語られ、 今まで公開されることのなかった貴重なインタビュー音源が発見された。
くつろいだ様子でてらいなく自身の文学観、芸術観、戦後観を語るその口調に、従来のイメージをくつがえすような「素顔の三島」が表れている貴重なインタビュー。 「群像」2017年3月号に部分掲載されて各メディアで大反響を呼んだ第一級の資料を全文公開した単行本を文庫化。
「これをわかってくれれば、僕のやりたいことは全部わかる」と三島がインタビュー中で語った評論「太陽と鉄」を併録。

講談社文芸文庫

『中世・剣』

著者が出征に際し、遺書代りに書いたという「中世」は、25歳にして夭折した足利義尚を悼んでの父義政の嘆きとこの世ならぬ魂の招来を美文で綴る三島文学の美への基調を窺わせる。また、「剣」は剣道部員を主人公に、思想を鍛える如くに修練に励み、そして部員の裏切りにも自死を以て諫める知行合一的世界を展開、後年の死をも含めた作品群を暗示する。他に4篇収録。

『人間と文学』

三島由紀夫が死へ傾斜してゆく直前の対談集近代文学を代表する評論家中村光夫と作家三島が、人間観・文学観を拮抗させながら文学の魅力を縦横に語る。三島の死を予感させる生々しさも見え隠れする対談集。

『三島由紀夫文学論集 I』

告白と批評の中間形態、秘められた批評と著者自らが言い、文学と行動、精神と肉体との根源的な一致を幻視し、来たるべき死を強く予感させる、最後の自伝的長篇評論「太陽と鉄」を中心に、30歳の頃の旺盛な創作活動の根柢を明かす「小説家の休暇」等、稀有なる文学者の思索の結晶体ともいえる12篇を収録。三島文学の全体像とそのデモーニッシュな魅力をあますところなく示す全3巻論集。

『三島由紀夫文学論集 II』

文壇の寵児としての華やかな交遊、結婚、子供の誕生というプライヴェートの充実、剣道とボディ・ビルへの熱中、演劇・映画への傾斜……作家が超人的な生活の中から何を思想の核として剔出するかを鮮烈に示す、昭和33年から34年にかけての日録「裸体と衣裳」、自らの文学的出発点と修業の日々を語る「私の遍歴時代」を中心に、日常と創作の往還から生み出された思索の結晶体、9篇を収録。

『三島由紀夫文学論集 III』

市川団蔵、中村芝翫、中村歌右衛門、沢村宗十郎へのオマージュにはじまる歌舞伎・演劇論、深く影響を受けたラディゲ、コクトオ、ワイルド、ジュネ等の外国文学論、さらには、二・二六事件の青年将校・磯部浅一の遺稿や『葉隠』まで、三島の美意識に刻みこまれた人と作品を縦横に論じ、小説の美学と演劇への情熱溢れる27篇を収録。批評家・三島由紀夫の文業を精選した論集全3巻完結。

文春文庫(文藝春秋社)

『行動学入門』

若者よ、モヤシのようなインテリになるな! 行動の美を追求すべし。行動は肉体の芸術である。にもかかわらず行動を忘れ、いたずらに弁舌だけが横行する現代の風潮を憂えた著者が、行動と思索、肉体と精神の問題について思いをめぐらし、男としての爽快な生き方のモデルを示した現代の若者に贈る痛快エッセイ集。

『若きサムライのために』

若者よ、高貴なる野蛮人たれ! 。
平和ボケと現状肯定を厳しく排し、日本を問い、文化を問い、生き方を問う、毒と先見に満ちた煽動の書
男の生活と肉体は、危機に向って絶えず振りしぼられた弓のように緊張していなければならない―。勇者とは。作法とは。肉体について。信義について。快楽について。羞恥心について。礼法について。服装について。長幼の序について。文弱の徒について。努力について。
わかりやすく、そして挑発的に語る三島の肉声。ニセ文化人の「お茶漬ナショナリズム」を罵り、死を賭す覚悟なき学生運動に揺れる東大を「動物園」と皮肉る、挑発と警世の書。猪木正道、福田赳夫、福田恒存との対談を収録。
死後三十余年を経ていよいよ新鮮! 若者よ、さあ奮い立て!

集英社文庫

『夜会服』

『幸福号出帆』

『肉体の学校』

『命売ります』

『複雑な彼』

河出文庫(河出書房新社)

『F104 英霊の声/朱雀家の滅亡』

『英霊の声』

『文豪ミステリ傑作選 三島由紀夫集』
『復讐 三島由紀夫×ミステリ』

「サーカス」「復讐」「博覧会」「美神」「月澹荘綺譚」「孔雀」など、三島由紀夫の数ある短編の中から選び抜かれた、最もミステリアスな傑作12篇。『文豪ミステリ傑作選 三島由紀夫集』を改題復刊。

『英霊の聲 オリジナル版』

繁栄の底に隠された日本人の精神の腐敗を二・二六事件の青年将校と特攻隊の兵士の霊を通して浮き彫りにした表題作と、青年将校夫妻の自決を題材とした「憂国」、傑作戯曲「十日の菊」を収めたオリジナル版。

『サド侯爵夫人/朱雀家の滅亡』

“サド侯爵は私だ!”——獄中の夫サドを20年待ち続けたルネ夫人の愛の思念とサドをめぐる6人の女の苛烈な対立から、不在の侯爵の人間像を明確に描き出し、戦後戯曲の最大傑作と称される代表作とその他一篇。

『源泉の感情』

ちくま文庫

『三島由紀夫レター教室』

恋したりフラレたり、金を借りたり断わられたり、あざけり合ったり、憎み合ったり、ネコをかぶったりと、もつれた糸がこんがらかって……。
職業も年齢も異なる 5 人の登場人物が繰りひろげるさまざまな出来事をすべて手紙形式で表現した異色小説。見事なまでの離れ技で織りなす構成、洒落た文体で交わされる小粋なやりとり。一読すればこれまでの文豪・三島由紀夫のイメージが吹き飛ぶ、反則レベルのスタイリッシュ・エンタメ小説。
山本容子の挿画を添えて、手紙を書くのが苦手なあなたに。メールやラインが主流となった現代人に贈る粋な文例集。

『肉体の学校』

『愛の疾走』

『反貞女大学』

『私の遍歴時代 三島由紀夫のエッセイ1』

『新恋愛講座 三島由紀夫のエッセイ2』

『外遊日記 三島由紀夫のエッセイ3』

『芸術断想 三島由紀夫のエッセイ4』

『幸福号出帆』

『三島由紀夫のフランス文学講座』

『命売ります』

想像よりも数十倍オモシロイ
隠れた怪作小説


「命売ります。お好きな目的にお使い下さい。当方、二十七歳男子。秘密は一切守り、決して迷惑はおかけしません」
目覚めたのは病院だった、まだ生きていた。必要とも思えない命、これを売ろうと新聞広告に出したところ……。危険な目にあううちに、ふいに恐怖の念におそわれた。死にたくないーー。三島の考える命とは。

『三島由紀夫の美学講座』

『文化防衛論』

『文豪怪談傑作選 三島由紀夫集 雛の宿』

『恋の都』

岩波文庫

『三島由紀夫紀行文集』

三島由紀夫は、南北アメリカ、欧州、アジア各国を、晩年まで旅行している。『アポロの杯(さかずき)』は、20代の三島の初めての世界旅行の記録。三島の評論中でも、その後の作家の転換点となった重要作である。三島の海外、国内の紀行文集を初めてまとめる。Iは単行本『アポロの杯』。IIは、『アポロの杯』以後の海外紀行文、IIIは、国内の紀行文の3部構成とする。

『若人よ蘇れ・黒蜥蜴 他一篇』

三島由紀夫は、小説、評論、戯曲の全分野で天才を発揮した。劇作にこそ三島文学の本質が表れている。「若人よ蘇れ」「黒蜥蜴」「喜びの琴」の3篇を収録。華麗、端正なる台詞の応酬、結末に至るまで緻密に構成された展開、時代状況と人間の内面を見事に表現した作品から、三島戯曲の多彩なる魅力が発散する。

『三島由紀夫スポーツ論集』

三島のスポーツ論を集成.肉体,行動の復権,賛美は,三島文学の中心テーマ,スポーツ,オリンピックの観戦記,随想は,名文家三島の本領を発揮している.「太陽と鉄」は,肉体,行為を論じて三島の思想を語った代表作.

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