僕の小規模な生活(福満しげゆき)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想。回想編が傑作!

僕の小規模な生活(福満しげゆき)の作品情報

タイトル
僕の小規模な生活
著者
福満しげゆき
形式
漫画
ジャンル
エッセイ
執筆国
日本
版元
講談社
初出
モーニング、2006年44号-2012年42号
刊行情報
モーニングKCDX

僕の小規模な生活(福満しげゆき)のあらすじ・概要

駆け出し漫画家”僕”の毎日。笑って、そして身につまされると、モーニング連載中から大評判!人間関係の軋轢こそがマンガの母だった!

笑って、そして身につまされると、モーニング連載中から大評判!人間関係の軋轢こそがマンガの母だった! 「マンガ家志望の人は、読んでおいて損はないですよ!」――(福満しげゆき) 業界人がみんな読んでいる(らしい)「マンガを描くマンガ家のマンガ」いよいよ刊行!

僕の小規模な生活(福満しげゆき)の目次

作者

福満しげゆき(1976年5月11日 – )

漫画家。高校時代より漫画を描き始め、『週刊少年ジャンプ』へ投稿するも、受賞はできず、漫画家になる自信をなくしてしまう。その後、蛭子能収に影響を受けて『月刊漫画ガロ』の読者投稿コーナー「4コマガロ」の常連となる。『ガロ』1997年2月号に掲載された「娘味」にてデビュー。2002年に『アックス』で初連載となった福満自身の半自伝作品でもある「僕の小規模な失敗」が話題となる。

僕の小規模な生活(福満しげゆき)の刊行情報

福満しげゆき『僕の小規模な生活』 講談社:モーニングKCDX、既刊6巻

僕の小規模な生活(福満しげゆき)の登場人物

僕(福満しげゆき)
かけだしの漫画家。開始時点で25歳。マイナー誌から数冊単行本を出すも、ヒットには恵まれていない。「ほのぼのエッセイ漫画家」であることが不本意であり、ストーリー漫画家としての大成を望んでいる。亭主関白。


5歳年下の若妻。開始時点で20歳。九州女で明るく大らかな性格。当初、経済的に生計をたてられていなかった「僕」を支える。気が強く夫婦喧嘩では一歩も退かないが、大泣きしてしまうこともある。

K澤さん
姉妹作『うちの妻ってどうでしょう?』の編集担当。

同級生の女の子
回想編に登場。「僕」が惹かれていた女の子。

僕の小規模な生活(福満しげゆき)のあらすじ(ネタバレなし)

僕の小規模な生活(福満しげゆき)のストーリー(あらすじ)を簡単に紹介しています。ストーリーに関する情報を知りたくないという方はご注意ください。

僕の小規模な生活 1巻のあらすじを紹介!

主人公の「僕」は25歳の駆け出し漫画家。5歳年下の「妻」と一緒に暮らしている。まだまだ漫画家としての仕事は少なく、コンビニで売っている(当時)マイナーなエロ雑誌に描いたりはしているものの、生計を立てるまでには至っていない。

僕の状況を見かねた妻は金髪の髪を黒に染め働きに出る。初めての単行本(『まだ旅立ってもいないのに』)が出るも、印税的には大した金額を受け取ることができない。

そんな中、モーニングの編集から仕事の連絡が来る。そしてメジャー誌で初めての連載に向けて動き出していくことになった。

僕の小規模な生活 2巻のあらすじを紹介!

慣れない連載に悪戦苦闘しながらも挑戦を続ける僕。編集さんとのやり取りを経ながらなんとか連載を続けていた。

そんな中、妻は「最近お父さんが元気ない」ことを知り、僕と一緒に実家へと帰省することにする。

僕の小規模な生活 3巻のあらすじを紹介!

3巻からは新たに女性の編集者さんが登場。僕は女性編集者とのバトルを妄想しつつ、ストーリー漫画の構想を練り始める。

僕が少年誌での掲載に向けて漫画を描いていると、妻の体調がすぐれない日が増える。それは病気などではなく、妻の妊娠によるものだった。

僕の小規模な生活 4巻のあらすじを紹介!

子どもが産まれた福満家。4巻では無事退院し、3人での生活が始まる。

しかし、小さな子どもが可愛いのはなにも母親だけではない。僕の母も子どもの面倒を見始め、突如として嫁姑問題が勃発する。

僕の小規模な生活 5巻のあらすじを紹介!

サイトから来たメールをきっかけに、物語は回想編に突入する。回想編で描かれるのは、僕の中学時代から妻と出会うまでだ。

僕には中学時代に仲のいい同級生の女の子がいた。当初はなんとも思っていなかったが、徐々に気になる存在になっていく。しかし、別の高校に進んだこともあり、いつまでも同じような関係ではいられないのだった。

僕の小規模な生活 6巻のあらすじを紹介!

僕と同級生の女の子は疎遠になるが、彼女が僕のバイト先を訪れたり、同窓会で会う機会はあった。

その同窓会の席上で僕は妻の存在を明かし、「漫画家としても上手くいくし、年下の可愛い彼女もいる」と痛い演説をぶちまける。

それから10年後、漫画家として仕事の増えた僕に彼女からのメールが届く。僕は涙を流しながらメールのやり取りを続けるのだった。

僕の小規模な生活(福満しげゆき)の感想・解説・評価

漫画家・福満しげゆきの歩みを知れる作品群

福満は「ストーリー漫画も描きたい」という願望を持ちつつ、自分の半生をつづったエッセイ漫画群を描き続けている。

漫画家としての活動を始めてから妻との出会いを描いた『僕の小規模な失敗』から、本作、そして『うちの妻ってどうでしょう?』を経て、『妻に恋する66の方法』と執筆は続いている。

作品に共通しているのは、福満の斜に構えたものの見方と妻への愛だろう。妻は「徐々に絵柄が丸っこくなり、太っているように見えること」や、自分の失敗談を漫画のネタにされることを嫌がっているものの、夫婦仲は良好。そして福満自身も、妻がいなかったらという想像で自分の悲惨な障害を妄想している。

不安症で社会への不満を愚痴る一方で亭主関白な福満と、大らかでなんとかなるさと構えている妻のお似合いっぷりがおもしろい。

秀逸な回想編

5巻と6巻では回想編を展開。妻と出会う前の、福満の中学校時代から物語が始まる。

その回想編では近所に住む同級生の女の子が登場。当初は向こうが福満の事を気にかけており、福満自身はとくに思っていなかったが、次第に福満のほうが意識し始めるのだった。

この回想編がとにかくエモく、感傷的で、同じく同級生の女の子を高校時代に意識し始めた僕にとっては読むのがつらかった。

個人的には福満作品の最高傑作だと思っており、イチオシ。特に高校生になった女の子の良さに気が付くコマは印象的なシーンで、こんなストーリーが描けるのならストーリー漫画だって全く問題ないだろうと思わされる出来だ。

最初に読んだときはただただつらかったが、時間を空けて読み返してみると元気を貰えたような気にもなる作品だ。

合わせて読みたい本

僕の小規模な生活(福満しげゆき)の評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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