【書評】富士山さんは思春期(オジロマコト)のあらすじ(ネタバレなし)感想

タイトル
富士山さんは思春期
著者
オジロマコト
形式
漫画
ジャンル
恋愛
日常
ラブコメ
執筆国
日本
版元
双葉社
初出
漫画アクション、2012年23号~2016年1号
刊行情報
アクションコミックス、全8巻

連載中から話題騒然!『カテキン』のオジロマコトが、人生のほんの一瞬にきらめく中学生の思春期をあざやかに切り取る、高身長美少女への愛を込めたラブコメ待望の第1巻!女子バレー部のエース・富士山牧央(ふじやま・まきお)は身長181センチ。けれど心は思春期の女の子。ひょんなことから幼なじみの上場優一と付き合うことになって、思春期が大暴走!?

正直読み始めたときは、本当におもしろいのかなと疑心暗鬼だった。それは富士山さんがどうのこうのというわけではなくて、前作『カテキン』の終わり方があまりにもひどかったからだ。『カテキン』は途中もちょっとストーリーが怪しかったものの、絵が好みだったので読んでいた。でも最終巻まできて、え?これで終わり?という感じで終わってしまった。打ち切りになったのか、作者が病気にでもなったのかと思ったくらいひどい終わり方だった。

でもこの富士山さんはとても良かった。『カテキン』がどこの雑誌にも1つはあるようなエロさを押し出したコメディ漫画だったのに対して、富士山さんは、登場人物の年齢を引き下げて中学生にし、甘酸っぱい恋愛模様を描いている。この転換は大成功だと思った。ヒロインのエロい描写やシーンは減っているのにもかかわらず、ずっとイキイキとしていて魅力的だからだ。

本作の一番の魅力はやっぱりヒロイン・富士山(ふじやま)さんだ。上場と富士山さんのカップルは傍目には身長差もあって姉と弟みたいな印象を受ける。バレー部の中心メンバーでもあり、周囲に気配りもできる富士山さんは実際に歳上にも見える。(体つきだって大人っぽいし)

でも恋バナで頬を赤らめたり、手を繋ごうとして恥ずかしがったり、背伸びして喫茶店に入って緊張したり、富士山さんも中学2年生の女の子なんだという、当然のことに途中で読者は気が付く。そこで、「確かに富士山さんはかわいいけど身長181cmは高いよなぁ…」と一歩下がっていた僕も「身長とかどうでもいい。富士山さんかわいいじゃん!」と思い直すことになった。

そこから、「台風の学校で二人っきり」「お祭りでの出店巡り」「こたつで勉強」「放課後の制服デート」みたいなお約束、ド定番のエピソードの数々を楽しんでいける。時折挿入される、幼馴染ならではの小さいときのエピソードも微笑ましい。羨ましさを感じたのも僕だけではないだろう。

惜しくらむは8巻で完結してしまったことだが、身長差を年齢差に置き換えたと言ってもいいような次作『猫のお寺の知恩さん』が連載された。終わってしまったものはしょうがない。続いて『猫のお寺の知恩さん』も読んでいこうと決めた。

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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