GO(金城一紀)のあらすじ(ネタバレなし)感想

僕は《在日韓国人》に国籍を変え、都内の男子高に入学した。広い世界へと飛び込む選択をしたのだが、それはなかなか厳しい選択でもあった。ある日僕は、友人の誕生パーティーで一人の女の子に出会って――。

GO(金城一紀)の作品情報

タイトル
GO
著者
金城一紀
形式
小説
ジャンル
青春
執筆国
日本
版元
講談社
初出
不明
刊行情報
角川文庫
受賞歴
第123回直木賞

GO(金城一紀)のあらすじ(ネタバレなし)

僕は何者?日本で生まれ、日本で育ったけれど、僕は”在日”と呼ばれる。元ボクサーのオヤジに鍛えられ、これまで喧嘩二十三戦無敗。ある日僕は恋に落ちた。彼女はムチャクチャ可愛らしい”日本人”だった-。軽快なテンポとさわやかな筆致で差別や国境を一蹴する、感動の青春恋愛小説。直木賞受賞作。

作者

金城 一紀 かねしろ・かずき(1968年10月29日 – )

小説家、脚本家。埼玉県川口市出身、慶應義塾大学法学部卒。大学1年の時、小説家を志すものの、卒業後の数年間まで膨大な数の作品を見て勉強する日々を過ごす。1998年『レヴォリューションNO.3』で小説現代新人賞を受賞。2000年には半自伝小説『GO』にて直木賞を受賞した。
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GO(金城一紀)の刊行情報

  • 『GO』講談社、2000年
  • 『GO』講談社文庫
  • 『GO』角川文庫、2007年

映画『GO』

映画『GO』2001年10月20日

監督:行定勲、出演:窪塚洋介、柴咲コウ、大竹しのぶ、山崎努

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GO(金城一紀)の登場人物

杉原
主人公。在日コリアン。中学まで民族学校に通っていたが、日本の高校に進学。そのため、同じ学校の生徒だった仲間や教師から民族反逆者と呼ばれ虐げられる。父にボクシングを教わっており、喧嘩が強い。読書家であり物知り。

加藤
杉原の高校の同級生。日本人。ヤクザの息子。

桜井
本作のヒロイン。杉原とは加藤の誕生パーティーがきっかけで知り合い、交際し始める。

GO(金城一紀)の感想・解説・評価

平易な文体で「在日韓国人」という複雑な問題を描き切った傑作

国籍という縛りは非常に厄介なものです。戦争の火種になったり、同じ信条、人種、思想の持ち主でも、争いが止んでいません。それはなにも日本だけの話だけではありません。

あなたの友人、同僚が実は韓国人で日本に帰化していたとしていたら…。「別に気にしないよ」と言い、以後も何の変化も見せず接することのできる人はどれだけいるでしょうか。

本作の主人公は、在日韓国人(コリアンジャパニーズ)の高校生です。彼は、コリアンジャパニーズに対する偏見や差別に辟易とし、国籍を日本にしただけではなく、民族学校ではなく普通高校に通います。

彼はそうすることで名実共に日本人になろうとするのですが、なかなか上手くはいきません。彼女にも「日本人でないこと」を話すのですが、その途端に拒絶されてしまいます。身体に流れる「血」には逆らえないのです。

本作ではそんな理不尽さというか、現実と向き合う高校生の姿が描かれています。完璧すぎるという思いに駆られるものの、易しい文体でかつ押しつけがましくなく問題を描ききったのは、見事な実力です。読後感がとても爽やかなのも素晴らしいです。

合わせて読みたい本

フライ,ダディ,フライ

主人公の鈴木一は47歳。いたって平凡なサラリーマンです。

しかしある日、一人娘が不良高校生に傷つけられるという事件が発生。刃物を手に復讐に向かった先で、彼は「ザ・ゾンビーズ」というグループのメンバーに出会います。

読むと元気を貰える作品です。

GO(金城一紀)の評判・口コミ・レビュー

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