【おすすめ】中沢新一の全作品を一覧であらすじを紹介

中沢新一(1950 – )

思想家、宗教史学者。明治大学特任教授/野生の科学研究所所長、多摩美術大学美術学部芸術学科客員教授。クロード・レヴィ=ストロース、フィリップ・デスコーラ、ジャック・ラカン、ジル・ドゥルーズ等の影響を受けた現代人類学と、南方熊楠、折口信夫、田邊元、網野善彦等による日本列島の民俗学・思想・歴史研究、さらに自身の長期的な修行体験に基づくチベット仏教の思想研究などを総合した独自の学問「対称性人類学」を提唱する。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:カイエ・ソバージュ
  • 2位:アースダイバー
  • 3位:東方的
  • 4位:チベットのモーツァルト
  • 5位:精霊の王

執筆ジャンルが多岐に渡っているため、あらすじを確認して、興味のある分野の著作から読んでみるといいと思います。

中沢新一の作品年表リスト

※単著、共著についてのみまとめました。

(ラマ・ケツン・サンポ)『虹の階梯――チベット密教の瞑想修行』1981年

  • 『虹の階梯――チベット密教の瞑想修行』平河出版社、1981年
  • 『改稿 虹の階梯――チベット密教の瞑想修行』中公文庫、1993年

『チベットのモーツァルト』1983年

密教の実践的研究を通して、チベット高原の仏教思想と現代思想が幸福な邂逅をとげる――。 物質に対する執着に眼を曇らされた闇を抜け、いまだ顕れ出ることのない純粋な未発の光に満ちたもう一つの夜を渡る旅へ。 <精神の考古学>を駆使して新たな知の時代を切り拓き、思想の大海を軽やかに横断し続ける著者の代表作。

  • せりか書房、1983年
  • 講談社学術文庫、2003年

(細野晴臣)『観光――日本霊地巡礼』1985年

  • 角川書店、1985年
  • ちくま文庫、1993年

『雪片曲線論』1985年

  • 青土社、1985年
  • 中公文庫、1988年

『野ウサギの走り』1986年

  • 思潮社、1986年
  • 中公文庫、1989年

『イコノソフィア――聖画十講』1987年

  • 河出書房新社、1987年
  • 河出文庫、1989年

『虹の理論』1987年

自己と文化を解放するための〈科学の寓話〉。オーストラリア・レッドロックのアボリジニーに伝わる「虹の蛇」の神話、カトマンズ盆地・「虹の立つ村」のマヤ・クマリの千里眼、そしてラマ僧の語る虹を中心とした世界の成り立ち―意識と物質の発生をイメージさせる虹の体験は、両義性という終わりなき解釈のらせん階段から自己と文化を解き放つ「野性的な科学」へと我々を誘う。メタフィジカルな八つの物語が紡ぎだす新しい世界。

  • 新潮社、1987年
  • 新潮文庫、1990年
  • 講談社文芸文庫、2010年

(竹田青嗣、遠藤雅伸他)『電子ゲームの快楽』1987年

『悪党的思考』1988年

南北朝期、王権に取りこまれ近世的世界を産み出す原動力となったのが「悪党たち」だった—-日本史上の大転換期に生じた変化の本質とその現代的意味をさぐる。

  • 平凡社、1988年
  • 平凡社ライブラリー、1994年

(梅原猛)『古代への幻視――人類思想の再生をめざして』1988年

  • アルファ・アート出版、1988年
  • ちくま文庫、1990年

『蜜の流れる博士』1989年

(夢枕獏、宮崎信也)『ブッダの方舟――対談集』1989年

  • 河出書房新社、1989年
  • 河出文庫、1994年

『バルセロナ、秘数3』1990年

秘数3と秘数4。3は、結婚とエロティシズムの数であり、2と1がひとつになって運動を生み出し、世界を作る。一方で、4は3が作り出した世界に、正義と真理、均整と均衡を与える。秘数3と秘数4の対立と闘争が、西欧キリスト教文明のダイナミズムを生み出してきた。このふたつの秘数を都市の四次元空間で統一し、よろこびを生み出す幸福のバルセロナ紀行です。

  • 中央公論社、1990年
  • 中公文庫、1992年
  • 講談社学術文庫、2014年

『せかいのはじまり(世界おはなし名作全集)』1990年8月

『東方的』1991年

地球をおおいつくそうとするひとつの世界システムに「地域の論理」たちは繊細なたたかいを挑む。閉ざされつつある世界に、新しい超空間への通路を開く。

  • せりか書房、1991年
  • 講談社学術文庫、2012年

(山田詠美)『ファンダメンタルなふたり』1991年

湾岸戦争からオウム真理教、同性愛から「次郎物語」まで。「超えた」二人の知性と毒舌がくり広げるいま最もラジカルな二十三の対話集。

  • 文藝春秋、1991年
  • 文春文庫、1994年

『森のバロック』1992年

生物学・民俗学から神話・宗教学に精通、あらゆる不思議に挑んだ南方熊楠。那智の森の中に、粘菌の生態の奥に、直観された「流れるもの」とは何か。自然や人間精神の研究の末織り上げられた南方マンダラの可能性とは?後継者のいない南方熊楠の思想、「旧石器的」な思考の中に、著者は未来の怪物的な子供を見出す。対称性理論への出発点となった記念碑的著作。

  • せりか書房、1992年
  • 講談社学術文庫、2006年

『幸福の無数の断片』1992年

『ゲーテの耳』1992年

  • 河出書房新社、1992年
  • 河出文庫、1995年

『知天使(ケルビム)のぶどう酒』1992年

  • 河出書房新社、1992年
  • 河出文庫、1995年

『三万年の死の教え―チベット「死者の書」の世界』1993年

現代人は、死から遠ざかろうとするあまり、生の意味を見失っている。チベット仏教が伝える人類数万年の叡智をたよりに、生と死の境界線にわけ入った、生きるための思想的冒険。

  • 角川書店、1993年
  • 角川文庫ソフィア 1996年

『リアルであること』1994年

  • メタローグ、1994年
  • 幻冬舎文庫、1997年

『はじまりのレーニン』1994年

レーニンの笑いの底に潜む、生の律動に触れる思想とは何だったのか?ヘーゲルの弁証法から、古代ギリシャの「はじまりの哲学者たち」、ベーメの三位一体論まで、レーニンの思想構造を考古学的に探求する。革命の原点を形成した『哲学ノート』に見られるレーニンの思想の特徴を鮮やかに浮かび上がらせた名著の新版。ロシア革命一〇〇年後の現代における本書の意義を記した「革命の源泉としての唯物論」「唯物論の未来」の二つの新稿を付す。

  • 岩波書店、1994年
  • 同時代ライブラリー、1998年
  • 岩波現代文庫、2005年

『哲学の東北』1995年

  • 青土社、1995年
  • 幻冬舎文庫、1998年

(吉本隆明、梅原猛)『日本人は思想したか』1995年

  • 新潮社、1995年
  • 新潮文庫、1999年

(いとうせいこう、スガ秀実)『それでも心を癒したい人のための精神世界ブックガイド』1995年

(河合隼雄)『ブッダの夢――河合隼雄と中沢新一の対話』1998年

  • 朝日新聞社、1998年
  • 朝日文庫、2001年

(山本容子)『音楽のつつましい願い』1998年

『純粋な自然の贈与』1996年

モースの贈与論、マルクスの剰余価値説、キルケゴールの愛の思想、レヴィ=ストロースの構造主義を超えて、価値増殖の本質を解き明かす未来の贈与価値論、ここにはじまる贈与は結びつけるエロスを、貨幣は分離するロゴスを持つ。すべての富は、物質性をもたない「無」の領域から「有」の世界に贈り物としてやってくる。古式捕鯨の深層構造を探る「すばらしい日本捕鯨」、モースの思想的可能性を再発見する「新贈与論序説」などを収録。贈与の原理を、経済や表現行為の土台に据え直し、近代の思考法と別の世界を切り開く。

  • せりか書房、1996年
  • 講談社学術文庫、2009年

『ポケットの中の野生――ポケモンと子ども』1997年

現代人はなぜポケモンにはまるのか? ブームを予見した画期的ゲーム論。

子どもたちの「野生の思考」は、電子ゲームの世界にこそ息づいている――。大ヒット作「ポケットモンスター」の分析により、現代人の無意識と野生に迫ったゲーム批評の金字塔。新たな序文とともに新装復刊。

  • 『ポケットの中の野生――ポケモンと子ども』岩波書店、1997年
  • 『ポケットの中の野生――ポケモンと子ども』新潮文庫、2004年
  • 『ポケモンの神話学――新版 ポケットの中の野生』KADOKAWA/角川学芸出版、2016年10月

『女は存在しない』1999年

(河合隼雄、小林康夫、田坂広志)『こころの生態系』2000年

非知の思想、他力の思想、弱さの思想を!!
大転換期を果敢にのりきる着想を提唱!!まだまだ、人のこころに生きる力をかきたてるものがある!「こころのよりどころ」を示す!!

『佐久夜』2001年

『フィロソフィア・ヤポニカ』2001年

京都学派の巨人=田邊元、ここに甦る! 「種の論理」「友愛の哲学」とはなにか? 対称性人類学が田邊哲学の現代性を明らかにする! 一九二〇年代以降、田邊元と西田幾多郎は日本的・独創的哲学=「京都学派」を創造する。田邊哲学=愛の哲学と西田哲学=欲望の哲学との対決から誕生した「種の論理」。その最重要の達成は、二十世紀後半から展開する現代思想、構造主義、ポスト構造主義、「野生の思考」、認知科学を先取りしていた。豊饒なる田邊哲学の全貌に迫る。

  • 集英社、2001年
  • 講談社学術文庫、2011年

『緑の資本論』2002年

貨幣を中心に据えた『資本論』を、一神教的に再構築すると、全く新しい価値体系が現れる。21世紀の思想家が世界を新たに読み解く、現代文明への根源的な問い。新たな可能性を示唆する書。

  • 集英社、2002年
  • ちくま学芸文庫、2009年

『カイエ・ソバージュ』2002年~2004年

著者の講義録が全5冊のシリーズとしてまとめられた。その1冊目である本書は、神話を手がかりとして、原初の人類が抱いた宇宙観、自然観を探る。大学での講義がもとになっているため、奥深い内容ながら叙述は平易で、ときおり教場ならではのユーモアさえ交えられる。神話学入門として格好の1冊だ。

宇宙、自然、人間存在の本質を問う、はじまりの哲学=神話。神話を司る「感覚の論理」とは?人類分布をするシンデレラ物語に隠された秘密とは?宗教と神話のちがいとは?現実(リアル)の力を再発見する知の冒険。

  • 『人類最古の哲学――カイエ・ソバージュ〈Ⅰ〉』講談社選書メチエ、2002年
  • 『熊から王へ――カイエ・ソバージュ〈Ⅱ〉』講談社選書メチエ、2002年
  • 『愛と経済のロゴス――カイエ・ソバージュ〈Ⅲ〉』講談社選書メチエ、2003年
  • 『神の発明――カイエ・ソバージュ〈Ⅳ〉』講談社選書メチエ、2003年
  • 『対称性人類学――カイエ・ソバージュ〈Ⅴ〉』講談社選書メチエ、2004年
  • 『カイエ・ソバージュ』講談社、2010年 ※上記五巻の合本

『精霊の王』2003年

本書の旅は、蹴鞠の名人・藤原成通の不思議な話から始まります。そして金春禅竹の秘伝書『明宿集』と中世における宿神の奇跡を辿り、縄文的要素の残る諏訪へと向かいます。そこで出会う太古の記憶は不思議な感動を覚えずにはいられません。
そこからさらにユーラシアに散在する宿神的な痕跡をおいかけることで、その人類的な普遍性へといたります。
熱く力強い筆致でわたしたちの前に現出する世界に圧倒されずにはいられません。
本当に世界を動かしている驚くべき力に触れる壮大な人類史を描ききった瞠目の書です。

  • 講談社、2003年
  • 講談社学術文庫、2018年

柳田国男『石神問答』で言及された国家的神話以前の神・ミシャグチについて触れるところから本書はスタートします。

しかし内容はそれだけで終わってしまうわけではありません。金春禅竹の『明宿集』などから、読者は中沢新一独自の知の旅に出発することになります。

民俗学、考古学、風俗など幅広い分野の関連性を論じた一冊です。
もっと読む精霊の王(中沢新一)の概要・解説・感想

(河合隼雄)『仏教が好き!』2003年

臨床心理学者と宗教学者による、仏教の途方もない魅力を探る対話。聖者の生涯、臨終場面、戒律、性の問題をキリスト教・イスラム教と比較、ユーモアいっぱいに語りながら仏教の核心へ。「仏教への帰還」「ブッダと長生き」「仏教と性の悩み」「仏教と『違うんです!』」「幸福の黄色い袈裟」「大日如来の吐息――科学について」など6編。「釈尊と弟子のセックス問答集・パーリ語聖典『律蔵』抄訳」のおまけつき。

  • 朝日新聞社、2003年
  • 朝日文庫、2008年

『僕の叔父さん 網野善彦』2004年

偉大な歴史学者の網野さんは、僕の素敵な叔父さんだった。
日本の歴史学に新たな視点を取り入れ、中世の意味を大きく転換させた偉大な歴史学者・網野善彦が逝った。数多くの追悼文が書かれたが、本書の著者ほどその任にふさわしい者はいない。なぜなら網野が中沢の叔父(父の妹の夫)であり、このふたりは著者の幼い頃から濃密な時間を共有してきたからだ。それは学問であり人生であり、ついには友情でもあった。切ないほどの愛を込めて綴る「僕と叔父さん」の物語。

(赤坂憲雄)『網野善彦を継ぐ。』2004年

「歴史は自分が語りたかったことを語り損なう」という視点から日本人の野性・欲望をつかみ出す作業に邁進した歴史学者・網野善彦の力わざから何を受け継ぐか、2人の思想家が決意を語る。

『モカシン靴のシンデレラ』2005年3月

有名なシンデレラのストーリーは、実は古今東西で450種ものヴァリエーションがあった! なかでももっとも純愛度が高い北米インディアン・ミクマク族版のストーリーを、素敵なイラストとともに大人向け童話にした一冊。究極のラブストーリーの誕生!

『アースダイバー』2005年

2005年の大ブームから13年を経て、東京アースダイバーの完全版なる! 縄文、そして「海民」へと日本のルーツを遡り、地形の無意識、文化と自然の相互作用を探るアースダイビングは、見えない東京を私たちに教える。今回の増補改訂で隅田川と多摩川流域といった海民文化の要素が色濃く残る地域を追加しました。そして東京の中心地であり、アースダイバーの出立点である大宮八幡へと帰還する旅が完了する。

『芸術人類学』2006年

『カイエ・ソバージュ』全五巻や『アースダイバー』で到達した「対称性の知性」をさらに発展させ、レヴィ=ストロースの構造人類学とジョルジュ・バタイユの非知の思想を横断的につないでゆく未曾有の試み。先史時代に花開いた洞窟壁画から縄文土器に表現された造形的思考へ、さらには山の宗教で顕わにされた自然智から西田幾多郎・田邊元が大成したヤポネシアの哲学まで。華厳経とマトリックス的思考、数学と精神分析、友愛と自由に満ちた歴史学の構想など、来るべき野生のサイエンスの全体像が提示される。

『三位一体モデル――TRINITY』2006年

多摩美術大学芸術人類学研究所所長
中沢新一が提唱する、
まったく新しい思考のモデル、「三位一体」。
これは、資本主義経済や宗教、
さらには「岡本太郎」をはじめとした芸術の問題など、
現在社会をとりまくさまざまな現象を
このモデルに当てはめて考えると、
「なるほど、そうか!」という実感とともに深く理解できるようになる、
というもの。
毎月1回、東京糸井重里事務所で行われている
受講生完全抽選制の講義「芸術人類学研究所 青山分校!」の
「第0講」をベースとした本書は、
そんな、現代をひもとくキーワードである
「三位一体モデル」を分かりやすく説明します。
もちろん、最新の中沢理論への知的興味から、
手にとっていただいても読み応えのある内容となっていますが、
とりわけ、私たちのくらしのなかの
身近な問題に引きつけて考えることもできるので、
役に立つビジネス書として、
あるいは、自己啓発の手びきとして、
多くのかたにお読みいただきたい一冊です。
平易な話し言葉で語られる「三位一体」から、
きっと、いろんなヒントが、見つかるはずです。

(太田光)『憲法九条を世界遺産に』2006年

実に、日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇蹟の合作というべきものだったのだ。しかし今、日本国憲法、特に九条は次第にその輝きを奪われつつあるように見える。この奇蹟をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。お笑い芸人の意地にかけて、芸の中でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢の、稀に見る熱い対論。宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は……。

『ミクロコスモスⅠ――夜の知恵』2007年

この世界を単純に理解することを拒み、さまざまな出来事をありのままに理解しようとする美しい実践。高貴な野生が匂い立つエッセイシリーズ第1弾。

  • 四季社、2007年
  • 中公文庫、2014年

『ミクロコスモスⅡ――耳のための、小さな革命』2007年

生命への深い愛着に貫かれた一七篇のエッセイを集める。世界の単純な理解を拒み、この世の出来事を複雑で深いままに理解しようとする美しい実践。

  • 四季社、2007年
  • 中公文庫、2014年

(爆笑問題)『爆笑問題のニッポンの教養 現代の秘境は人間の“こころ”だ 芸術人類学』2007年

無意識に潜在する感覚と思考の野生とは何か魂の住まう多摩丘陵のオレンジ色の芸術人類学研究所。人間の「流動する心」は無限である。神話、絵画、地形、音楽などを横断し、「はじまりの知性」を探究する。

『古代から来た未来人 折口信夫』2008年

『狩猟と編み籠――対称性人類学Ⅱ』2008年

洞窟の宗教とテラスの信仰と心の構造の関係 流動する光、具体像、物語。イメージの三階層である。新石器革命で抑圧された神話的思考を取り戻せるのか。映画を題材に対称性人類学で、10万年の精神史を読む。

『鳥の仏教』2008年

カッコウに姿を変えた観音菩薩がブッダの最も貴い知恵について語り、鶴、セキレイ、ライチョウ、鳩、フクロウなどの鳥たちが、幸福へと続く言葉を紡ぐ。20世紀初頭に存在が知られるようになったこの経典は、チベットで古くから読み継がれてきた、農民や牧畜民など一般の信者に向けられた書物です。はじめてチベット語から翻訳される、仏教思想のエッセンスに満ち溢れた貴重な一冊。

  • 新潮社、2008年
  • 新潮文庫、2011年6月

(波多野一郎)『イカの哲学』2008年

幻の書を読み解き、新しい平和学を提唱する。
市井の哲学者波多野一郎が、昭和40年に自費出版した幻の書『イカの哲学』。中沢新一が、そこに語られている21世紀に通じる思想を分析し、新しい平和学を提唱する。『イカの哲学』全文も収録する。

(坂本龍一)『縄文聖地巡礼』2010年

ぼくたちは、
未来に向かって
縄文の古層へ旅をする

以前から縄文文化に深い関心を寄せてきた音楽家の坂本龍一氏と、人類学者の中沢新一氏が、縄文の古層に眠る、わたしたちの精神の源泉に触れるため、聖地を巡り、語り合います。

諏訪、若狭、敦賀、奈良、紀伊田辺、鹿児島、そして青森へ―――

社会的な状況が大きく変化している現在、これからのヴィジョンを見つけるために、ふたりが人間の心の始まり「縄文」へと潜っていきます。

『日本のもと 神さま』2011年6月

わたしたちの心の奥にある、神さまについて考えてみましょう。神さまはどんな姿をしているの? 仏さまって神さまなの? 日本人は無宗教だっていわれるけど、ほんとう? どうすれば神さまと会えるの? 『日本のもと・神さま』は、昔から受けつがれてきた神さまを信じる心や、さまざまな神さまや宗教の歴史、現在、これからがよくわかる一冊です。

『日本の大転換』2011年8月

大地震と津波、そして原発の事故により、日本は根底からの転換をとげていかなければいけないことが明らかになった。元通りの世界に「復旧」させることなどはもはや出来ない。未知の領域に踏み出してしまった我々は、これからどのような発想の転換によってこの事態に対処し、「復興」に向けて歩んでいくべきなのか。原子力という生態圏外的テクノロジーからの離脱と、「エネルゴロジー」という新しい概念を考えることで、これからの日本、そしてさらには世界の目指すべき道を指し示す。

(内田樹、平川克美)『大津波と原発』2011年

3.11から約3週間後、文明史的観点から震災と原発事故を論じた鼎談を緊急出版。原発専門家はリスクの全貌を知っていたのか。そもそも原発とは「一神教的」文化の産物ではないのか。原発推進に一役買った「エコ」ブームの破綻と、それに代わる知の枠組み、政治的ムーブメントとは? 刺激的な対話が、復旧ではない真の復興への道筋を示す。Ustreamでも配信された「ラジオデイズ」番組の書籍化。

『野生の科学』2012年

「科学」を乗り越えるインターフェイスの思想。「自然過程」で働く〈不思議な環〉を組み込んだ新しい人間科学。神話的思考による「ねじれ」、贈与的「新経済学」、「穴の幾何学」による「心的トポロジー」。
柳宗理「民藝」運動、深沢七郎「普遍文学」。アール・ブリュット、アール・イマキュレ、現代美術と心の構造の関係、そして曼荼羅が表現する「心そのもの」。
稲荷山(京都・伏見)、甲州(山梨)、熱海をアースダイビング。その上で、「土地」と脳の関係を「野生の地図学」として抽出します。

『大阪アースダイバー』2012年10月

著者は、心の無意識までを含んだ四次元の地図を作成する作業の全体を、「アースダイバー」と名づました。258万年前から現在にいたる地質の変遷を示す「第四紀地図」図と考古学の発掘記録、それに現代の市街図を組み合わせて、土地のもつ「本当の姿」を明らかにしていきます。またその作業には、古代人の心の構造を教える人類学、歴史学、心理学などあらゆる知が境界を越えて動員されます。

今回その対象となるのは、大阪です。現在の大阪は5000年前にはほとんどが海面下にありました。南北に走る細長い上町台地だけが、古くからある陸地です。その南北の線を軸に、そして東の生駒山脈から発する死のパワー(デュオニソス軸)が、東西に力を加え、その座標軸が大阪の基盤をつくっていると著者は考えます。そしてその交点にある四天王寺が大阪の中心となっています。物差しをもつ聖徳太子=太子信仰は、職人的世界のバックボーンになっています。

一方ミナミ、キタ、ナニワなど大阪の中心地は、「くらげなす」砂州の上に成立し、それゆえに浮遊する世界=都市=商業を発展させえたということなります。
大阪の古層にある、南からの海洋民、半島から到達した「海民」をキーワードに、大阪の無意識へとダイヴィングするスリリングな冒険を試みます。

(内田樹)『日本の文脈』2012年

政治、経済、教育、農業、高齢化社会など、さまざまなテーマについて、該博な知識と独自の贈与論をベースに縦横無尽に語り合う。
東日本大震災と原発事故の後で、われわれはどのように生きていくべきか? グローバリズムを生き延びるための「日本の文脈」とは?
いま、もっとも注目される二人の論客による、知的興奮とスリリングな展開に満ちた対談集、21世紀を生き抜く実践の書!

(伊東豊雄)『建築の大転換』2012年

いま建築に何ができるか。震災復興、地方再生、エネルギー改革などの大問題を、第一人者たちが説き尽くす。新国立競技場への提言を増補した決定版!

(國分功一郎)『哲学の自然』2013年

3.11以降の新しい「自然哲学」は、「哲学の自然」を取り戻す試みであり、自然も含めた民主主義(まさに「どんぐりと民主主義」! )を目指す運動である。

(高山宏)『インヴェンション』2014年

『惑星の風景――中沢新一対談集』2014年

多才な知性・表現者たちとともに、人類の精神の古層と自然との交感を深く探り、この地球に生きづく文明の大転換を予見。
海外の思想家から音楽家やマンガ家まで、多様な対話によって紡がれる野生の科学の可能性。

『日本文学の大地』2015年

言霊の大いなる循環をおそれた万葉集の詩人たち。権力と性愛のふたつの糸が織りなす源氏物語。霊性の贈与を信じ自らを投げ出した親鸞。東海道中膝栗毛の驚くべき軽さと、その底に広がる深淵――。古典文学がいまなお私たちを魅了するのは、自然と文化が分離されない「大地」に、その言葉が根をおろしていたからだ。霊、貨幣、共同体、そして国家をめぐる思考から、日本人の無意識を揺さぶる19の古典に迫る。

『熊楠の星の時間』2016年

著者中沢新一氏は『森のバロック』『南方熊楠コレクション』(全五巻)をはじめ一連の熊楠研究に対して、2016年の第26回南方熊楠賞を受賞。21世紀に入ってからも、ますます著者は熊楠の重要性を認め、彼の思想を発掘・発展させています。真のエコロジーを問う「アクティビスト南方熊楠」「海辺の森のバロック」、全体知を探究する「熊楠の華厳」、熊楠の心の構造を解明する「南方熊楠のシントム」などを収録する新熊楠論。

(河合俊雄、広井良典、山極寿一)『〈こころ〉はどこから来て、どこへ行くのか』2016年

人類はこれまでどのような〈こころ〉のあり方で世界と向き合い、〈こころ〉をどのように探究してきたのか。そして、これからの〈こころ〉はどう展望できるのか。脳、認知、病い、高齢化社会、サルとヒトなどを切り口に、第一線の思想家・研究者が縦横に開陳する。2015年に開催され好評を博した「京都こころ会議」発五つのレクチャー。

(小澤實)『俳句の海に潜る』2016年

俳句はアースダイバーの文芸である――。その人類史的可能性をめぐる対話

俳句は自然認識の最前線であり、古代と前衛のふたつの回路から世界の本質に迫ろうとしている――。深川・甲州・諏訪を漂い、縄文の古層へ。詩とアニミズムの新たな地平が浮かび上がる、人類学者と俳人の異色対談!

『熊を夢見る』2017年

それは、神話的思考の発生した遠い時空を透視する夢。

詩的空間の原型としてのサーカス、
アニミズムという対称性の思考、日本の芸能を貫くラディカルさ──。

詩とアニミズムの新たな沃野へ
人類学者・中沢新一、最新論集!

『虎山に入る』2017年

人間を解き明かす鍵は、火のように燃える心の原野に隠されている。

子供の心に息づく野生、諏訪湖から溢れ出す縄文の豊穣、
そして著者が出会った思想家たちへのレクイエム――。

縄文と現代を結ぶ思考の稜線
思想家・中沢新一、最新論集!

『アースダイバー 東京の聖地』2017年

レガシーを作ると言って、本物のレガシーを破壊していいのでしょうか? 日本人と海の関係、古代から連綿と続く市場の特別な機能、江戸時代から紆余曲折を経て現代に繋がる歴史……。仲卸の果たす重要な役割、博物館に匹敵する海産物に対する深い知の体系。築地は「聖地」なのです。神宮外苑もまた百年をかけて作り上げられた聖地です。独創的なデザインの新国立競技場がなぜ外苑にふさわしくないのか。明快に解き明かす。

2020年の東京オリンピックを錦の御旗に東京は大改造をされようとしています。レガシーを作ると言って、本物のレガシーを破壊していいのでしょうか?
築地市場の豊洲への移転が、決定しました。しかしアースダイバーは言っておきたいことがあります。なぜ、築地でなくてはならないのか? 日本人と海の関係、古代から連綿と続く、市場の特別な機能、江戸時代から紆余曲折を経て現代に繋がる歴史……。築地という場所が孕んでいる聖地性が見えてきます。仲卸の果たす重要な役割、博物館に匹敵する海産物に対する深い知の体系。効率だけを考えた豊洲市場への移転はこの国の文化の大切な暗黙知を消滅させてしまいます。
2014年には新国立競技場のデザインと費用について、大論争が巻き起こり、最終的にはザハ・ハディッド案は廃案に追い込まれました。
独創的なデザインの新国立競技場に、無意識的になんかおかしいぞと感じたのはなぜでしょうか? アースダイバー的視点から、その理由をあらためて解き明かしてみると、外苑と明治神宮との不可分な関係があったことに気づかされます。
アースダイバーの号外として、静かだが重要な提言をします。

(遠藤雅伸、中川大地)『ゲームする人類—新しいゲーム学の射程輔』2018年

『レンマ学』2019年

大乗仏教、哲学、量子論、言語学、精神分析、数学、生命科学、脳科学……を超えて、東洋知の結晶した華厳経の潜在力を大展開する未来のサピエンス学へ! 『チベットのモーツァルト』に始まった心と脳をめぐる探究の頂。文芸誌『群像』の連載「レンマ学」がついに単行本化!

この記事を書いた人
右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
読んだ本を登録している読書メーター

右手をフォローする
作品一覧
読む本.com

タイトルとURLをコピーしました