【おすすめ】木山捷平の全作品を一覧であらすじを紹介します

木山 捷平 きやま・しょうへい(1904年3月26日 – 1968年8月23日)

小説家、詩人。岡山県小田郡新山村(笠岡市)生まれ。早稲田大学文科を志望するも父の許可が得られずに断念。姫路師範学校二部(神戸大学)卒。小学校教諭を経て、東洋大学専門学部文化学科中退。自費出版で詩集を発表し、詩人として出発。その後は、小説や随筆に健筆をふるった。私小説的な短編小説やエッセイを得意とした。1963年、『大陸の細道』にて第13回芸術選奨文部大臣賞受賞。1997年からは木山捷平文学賞が、2006年からは公募の新人賞の木山捷平短編小説賞が行われている。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:鳴るは風鈴
  • 2位:落葉・回転窓 木山捷平純情小説選
  • 3位:井伏鱒二 弥次郎兵衛 ななかまど

作品一覧リスト

『野人 木山捷平詩誌』1928年

詩集『野』1929年5月

詩集『メクラとチンバ』1931年6月

『抑制の日』1939年5月

『昔野』1940年7月

『河骨』1941年3月

幼い弟の突然の死と同時に木山捷平にも同じ災厄があった。祖父、父、母、懐かしい山や川、風と土と光。幼年この道に花、青春この道に鳥、壮年風雪の中、木山捷平は都会や満州での苦難に打ち克ち独自の飄飄とした文学を創る。暖かさ、懐かしさ、優しさ溢れる初中期の中短篇秀作集。

講談社文芸文庫より

『和気清麻呂』1944年8月

『耳学問』1957年4月

井伏鱒二の色紙にある“捷平はげん人(げんじん)なり”のように、つつしみ深く、含羞のある、飄々たるユーモアに遊ぶ精神。掘り返された土に陽があたる田園や、父母や妻子の風景を、いわば“魂の故郷”を、都市の文明に決して汚されぬ眼で、こよなく暖かく描き続けた、作家・木山捷平の自由なる詩心。正に“人生を短篇で読む”絶好の初・中期珠玉の飄々短篇集。

『大陸の細道』1962年7月

ソ連軍侵攻直前の満州を、ユーモラスに描く

昭和19年、いわゆる“三文文士”の木川正介は、永く喘息と神経痛とを患っており、招集も受けずにくすぶっていた。そこへ、某開発公社の嘱託の話が舞い込んできて、厳寒の満州に赴くことに。物資不足などで環境は厳しいものの、内地にいるより自由がきく日々をそれなりに楽しんでいた正介だが、突然、召集令状が舞い込んできて――。
戦争に対しても、上官に対してもシニカルに見る姿勢を保ちつつ、現地の人々との交流など満州での日常を、生々しくユーモラスに描いた傑作長編小説。第13回芸術選奨文部大臣賞受賞作。

  • 👑第13回芸術選奨文部大臣賞

『苦いお茶』1963年5月

敵の戦車に人間爆弾となって廃兵が飛び込む訓練を繰り返す。そんな理不尽きわまる敗けいくさ。夫たちが徴兵され、著者がいみじくも名付けた半後家たちとの置き去りにされた生活。“一年が百年にも感じられる”流謫の生活の中でも、市井に生き続ける“在野”の精神を飄々たる詩魂で支え、正に“人生の歌”を歌った木山捷平、中期・晩年の代表的短篇。

講談社文芸文庫より

長編『臍に吹く風』1964年4月

創作集『茶の木』1965年4月

随想集『石垣の花』1967年2月

『木山捷平詩集』1967年3月

紀行集『日本の旅あちこち』1967年4月

木山捷平は、昭和三十年代後半から四十年代前半の彼の晩年ともいえる日々を、日本中を旅する取材執筆に費やした。北海道から九州まで、日本の津々浦々を巡り「新しい紀行文」を書き続け、それは詩や小説にも昇華した。それぞれの土地に、死の陰を刻みながら・・・。初めての北海道旅行での詩「旅吟」から、病床で書かれた最後の詩「オホーツク海の烏」を収録、二九篇厳選。

『角帯兵児帯』1968年1月

長い文学的不遇をさか手にとり、さりげない日常の世界に、暖かく優しい眼をふりそそぎ続けた、木山捷平の飄飄人生。けちくさい世間の眼や、つまらぬ栄誉から離れた自由世界。小動物や生き物、草花や木、身辺な物から見出す美事な詩。天衣無縫で無防備で、いつも傍にいてくれる“日本の親爺”、木山捷平の、主として晩年に書かれた秀逸なエッセイ集。

講談社文芸文庫より

『去年今年』1968年9月

飄々として、清廉と一パイの酒を愛し、片隅の人生、ささいな市井事にも慈しみの眼を向けつづけた著者が、胸にせまる実感と鮮やかなユーモアで綴った短編集。著者自らが選んだ珠玉の十編を収録した、最後の自選集。

新潮文庫より

『長春五馬路』1968年10月

長春で敗戦を迎えた木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。飄々として掴みどころなく生きながら、強靱な怒りにささえられた庶民の反骨の心情は揺るがない。深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる。想像を絶する圧倒的現実を形象化した木山文学の真骨頂。著者最後の傑作中篇小説。

講談社文芸文庫より

『斜里の白雪』1968年11月

俳句随筆集『見るだけの妻』1969年3月

『わが半生記』1969年7月

長い文学的不遇をさか手にとり、さりげない日常の世界に、暖かく優しい眼をふりそそぎ続けた、木山捷平の飄飄人生。けちくさい世間の眼や、つまらぬ栄誉から離れた自由世界。小動物や生き物、草花や木、身辺な物から見出す美事な詩。天衣無縫で無防備で、いつも傍にいてくれる“日本の親爺”、木山捷平の、主として晩年に書かれた秀逸なエッセイ集。

『木山捷平全集』1969年8月

  • 全2巻、新潮社

句集『群島』1970年7月

『木山捷平ユーモア全集』1971年8月

未刊行小説集

日記集『酔いざめ日記』1975年8月

昭和七年(二七歳)から、亡くなる直前の昭和四三年(六四歳)までの木山捷平の日記、初文庫化。詩から始まり、昭和八年に太宰治たちと同人誌「海豹」創刊後、小説を発表し、様々な作家と交遊を深めた木山。生活は困窮をきわめ、体調をくずしながらも書き続けた日々。作家の心情、家庭生活、そして何よりも、自らの死までも、じっと作家の眼で冷静に描ききった生涯の記。

随筆集『自画像』1975年9月

『木山捷平全集』1978年10月~1979年

  • 全8巻、講談社

『木山捷平 父への手紙』1985年3月

『木山捷平全詩集』1987年8月

心やさしく、なつかしい、暖かな世界・木山捷平詩。常に、弱きものたち、めぐまれることすくないものたちへ、心からの手をさしのべ、暖かな声援を送る、市井の人、木山捷平の第1詩集『野』。第2詩集『メクラとチンバ』、第3詩集『木山捷平詩集』と、生前未刊行の詩、短歌、俳句を、木山みさを夫人が心をこめて編んだ“人生の歌”全詩集!

講談社文芸文庫より

『玉川上水』1991年6月

『ちくま日本文学全集 40 木山捷平』1992年9月

  • 俳句
  • うけとり
  • おじいさんの綴方
  • 長春五馬路
  • 春雨
  • 軽石
  • 下駄の腰掛

『井伏鱒二・弥次郎兵衛・ななかまど』1995年

日本の“親爺”木山捷平最晩年の飄々短篇集。常に市井の人として一貫し、独特の詩情溢れる飄々たる人生世界を描出した木山捷平最晩年の珠玉短篇。敬愛する井伏鱒二の秀抜な素描、若き太宰治の真摯な青春像。

講談社文芸文庫より

『鳴るは風鈴 木山捷平ユーモア小説選』2001年8月

〈桜桃忌〉に出られなかった事から太宰治を回想する「玉川上水」、敗戦直後郷里に疎開した頃の日常を描き飄逸味を漂わせた「耳かき抄」。表題作をはじめ「逢びき」「下駄の腰掛」「山つつじ」「川風」「柚子」「御水取」など身辺の事柄を捉えて庶民のうら哀しくも善良でしたたかな生き方を綴った諧謔とペーソス溢れる木山文学の真骨頂、私小説的作品を中心に新編集した傑作11篇。

  • 玉川上水
  • 耳かき抄
  • 逢びき
  • 鳴るは風鈴
  • コレラ船
  • 下駄の腰掛
  • 山つつじ
  • 川風
  • 柚子
  • 最低
  • 御水取
  • 著者に代わって読者へ 木山みさを

『落葉・回転窓 木山捷平純情小説選』2012年

男と女の出会いと恋愛の機微を永久の時間のなかで紡ぎ出す短篇小説の魔術師・木山捷平。その鮮麗なる筆致は読む者すべてを魅了する。「村の挿話」「猫柳」「空閨」「増富鉱泉」「男の約束」「落葉」「回転窓」「留守の間」「口婚」「好敵手」「七人の乙女」を収録。

『行列の尻っ尾』2016年

酒を愛し、日常の些事を慈しみながら、文学に生涯を捧げた私小説家の埋もれていた随筆89遍、初の書籍化。

『暢気な電報』2016年

ほのぼのとした筆致の中に浮かびあがる人生の哀歓。雑誌や新聞に発表されたままになっていたユーモアとペーソスに満ちた小説集。

『耳学問・尋三の春』2022年9月

悲惨な状況を笑いに変える木山捷平の真骨頂

満州で現地招集されたものの、数日で終戦となり、日本に帰国する術がないまま現地で過ごしていた〈私〉。ある日、シベリア送りにする日本人を徴発していた巡査につかまってしまい、目を盗んでなんとか逃げだしたものの、その先ではロシヤ兵が待ち構えていた。付け焼き刃で覚えていたロシヤ語を駆使して事態を打開しようとするが――。
危機的かつ悲惨な状況をユーモラスな筆致で描いた直木賞候補作「耳学問」のほか、太宰治らとの交流を綴った「玉川上水」、小説デビュー作にして芥川賞候補となった「抑制の日」など13篇を収録した、“短篇の名手”木山捷平の面目躍如の一冊。

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