ALONE TOGETHER(本多孝好)のあらすじ(ネタバレなし)・感想

ALONE TOGETHERの作品情報

タイトル
ALONE TOGETHER
著者
本多孝好
形式
小説
ジャンル
ヒューマンドラマ
執筆国
日本
版元
双葉社
初出
不明
刊行情報
角川文庫

ALONE TOGETHERのあらすじ(ネタバレなし)

人と人はどこまで分かりあえるのか? 瑞々しさに満ちた傑作長編小説。

作者

本多 孝好 ほんだ・たかよし(1971年 – )

小説家。東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。大学4年生の時、同じ学部の金城一紀に小説の執筆を依頼され、作家を志すようになった。1994年に「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞しデビュー。デビュー作を含む短編集『MISSING』が発売されると、このミステリーがすごい! 2000年版でトップ10に入るなど注目を集める。
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ALONE TOGETHERの刊行情報

  • 『ALONE TOGETHER』双葉社、2000年10月
  • 『ALONE TOGETHER』双葉文庫、2002年10月
  • 『ALONE TOGETHER』角川文庫、2013年2月

ALONE TOGETHERの登場人物


不登校児を集めた塾でバイトをしている。他人の波長にシンクロしてしまう能力を持っており、苦しんでいる。

ALONE TOGETHERの感想・解説・評価

本作の主人公はある一つの特別な能力を持っている。それは他人とシンクロする能力だ。具体的に言うと、他人の心の奥底に眠る「本音」を語らせることができる能力である。だが、主人公はこの能力を扱えていない。無意識に自分の波長が他人の波長を捉えてしまうのだ。無意識に働いてしまうこの能力に主人公は苦しんでいる。

彼は普通の学校へ通うことのできなくなった者が通う学校、アフィニティー学院で働いている。彼の波長の能力のせいか、本作で彼の前に現れるのは、いずれも自分の本心を他人に語ろうとしない者ばかりだ。父が無職になり母親に父親と共に見捨てられた少女、考えすぎる(頭が良すぎる)ばかりに世の中を、何より自分の将来に関して冷めてしまい凶行に走る少年、母を殺したがる少女。

そんな子どもたちを開かせるのは、彼の能力ではなく、彼が生徒達と行う「会話」である。彼は一人一人と長い時間をかけ一対一で話をする。それが結果としては、生徒達の救いになっているのである。彼が他の誰よりも子どもたちと話すことができるのは、能力だけではなく、なにより先入観を捨てて子どもたちと向き合ったからではないかと思う。

本多孝好が紡ぎだしたこの世界は、純粋である。登場人物達は自分の思いを直接自らの口から語っている。それらはとてもストレートな感情だ。ストレートなだけに読者の心にどんどん入ってくる。その感情に共感するのか、それとも抵抗感を覚えるのか、ぜひ読んで確かめてほしいと思う。

合わせて読みたい本

MISSING

本多孝好のデビュー短篇集です。

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