カラフル(森絵都)のあらすじ(ネタバレあり)・感想

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年・真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。森絵都の描く傑作青春小説。

カラフル(森絵都)の作品情報

タイトル
カラフル
著者
森絵都
形式
小説
ジャンル
青春
執筆国
日本
版元
理論社
初出
不明
刊行情報
文春文庫
受賞歴
第46回産経児童出版文化賞

カラフル(森絵都)のあらすじ・概要

「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」 生前の罪により輪廻のサイクルからはずされたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、 再挑戦のチャンスを得た。 自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出さなければならないのだ。

ガイド役の天使のプラプラによると、父親は利己的で母親は不倫しており、兄の満は無神経な意地悪男らしい。 学校に行ってみると友達がいなかったらしい真に話しかけてくるのは変なチビ女だけ。 絵を描くのが好きだった真は美術室に通いつめていた。 ぼくが真として過ごすうちに、しだいに家族やクラスメイトとの距離が変っていく。 モノクロームだった周囲のイメージが、様々な色で満ちてくる。 高校生が選んだ読みたい文庫ナンバー1。累計100万部突破の大人も泣ける不朽の名作青春小説。

作者

森 絵都 もり・えと(1968年4月2日 – )

小説家。東京都出身。早稲田大学第二文学部文学言語系専修卒業。1990年、『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。代表作に、第46回産経児童出版文化賞を受賞した『カラフル』と、第52回小学館児童出版文化賞を受賞した『DIVE!!』、第135回直木賞を受賞した『風に舞いあがるビニールシート』などがある。

カラフル(森絵都)の刊行情報

  • 『カラフル』理論社、1998年
  • 『カラフル』文春文庫、2007年

映画版、アニメ版関連動画

映画『カラフル』2000年

監督:中原俊、出演:田中聖、阿川佐和子、滝田栄、駒勇明日香、柳葉敏郎

映画『ホームステイ ボクと僕の100日間』タイ、2019年

劇場アニメーション『カラフル』サンライズ、2010年8月21日

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カラフル(森絵都)の登場人物

小林真
主人公である「ぼく」の魂が修行のために乗り移った少年。中学3年生。絵が得意で美術部に所属しているが、学業成績や交友関係はぱっとしない。

佐野唱子
真のクラスメイト。真が自殺前と変わったことに気づく。

桑原ひろか
真の後輩で、初恋の相手。真にただ一人気軽に話しかける相手でもあった。

小林満
真の兄で高校3年生。

プラプラ
天使。下界での「ぼく」のサポート役。天界では白い布をまとい背中に羽根が生えているが、下界ではスーツ姿。

カラフル(森絵都)の冒頭あらすじ

一度死んだ「ぼく」は、天使に「抽選にあたりました!」と言われ、「前世の過ちを償う」ために下界で誰かの体に乗り移って過ごす「ホームステイの修行」をおこなうこととなる。

「ぼく」の魂は「小林真」という中学3年生の少年に乗り移り、「修行」が始まった。小林真は自殺を試みて死亡宣告を受けた直後で、蘇ったことに家族は驚喜する。

カラフル(森絵都)の感想・解説・評価

重いテーマを扱ったジュブナイル小説の名作

本作の主人公は、一度は死んだ人間である。それが「抽選に当たった」という理由で現世に戻り、他人の体に入る。そして、自分は生前どんな罪を犯したのかということを思い出そうと努力する。

設定だけ見ると児童文学という感じがする。文章はテンポがよく読みやすいし、中学生くらいの歳ごろでもスラスラと読めるだろう。だが、明るい文章とは異なり、本作のテーマは決して軽いものではない。主人公は死んだ人間だし、中学2年生の後輩は売春を行っている。主人公が宿ることになる真の母親は不倫をしている。

「ぼく」が宿る真はそんな問題だらけの家族・友人・後輩と向き合っていくことになる。そうすると次第に、周りの環境が悪い事ばかりではないことに気が付かされる。勇気を出したからこそ、痛みを感じながらも向き合ったからこそ、良い面も見ることができるのだ。

「この世があまりにもカラフルだから、僕らはいつも迷ってる。どれがほんとの色だかわからなくて。どれが自分の色だかわからなくて。」

この作品の題は「カラフル」である。それは、色の種類の豊かさと同じぐらい人間の感情も様々な起伏に満ちているということなのだろう。自分の本当の色はなんなのだろう。純粋さを感じさせる「白」か。攻撃的ながら明るさも感じさせる「赤」か。どす暗い「黒」か。

きっとみんな、様々な色を抱えているのだろう。白もあり、赤もあり、黒もある。人間がそんなふうに様々な面を持ち合わせていることを教えてくれる小説だ。ジュブナイル小説の名作として10代の読者に大いにおすすめできる。さらに年齢に関係なく、閉塞感を感じているすべての人にも薦めたい一冊だ。

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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