【おすすめ】イタロ・カルヴィーノの全作品を一覧であらすじを紹介します

イタロ・カルヴィーノ Italo Calvino(1923年10月15日 – 1985年9月19日)

小説家。20世紀イタリアの国民的作家とされ、多彩な作風で「文学の魔術師」とも呼ばれる。キューバのハバナ近くの村サンチャゴ・デ・ラス・ベガス生まれ。2歳の時に、両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部、フィレンツェ大学農学部を経て、第二次大戦中にはパルチザンに参加した。戦後はトリノ大学文学部に編入し卒業。1945年に書いた短編小説が、雑誌『アレトゥーザ』『ポリテークニコ』に掲載されて作家デビュー。1946年に新人の長編小説募集に、パルチザンでの体験を元にした『くもの巣の小道』を応募。採用されなかったが、翌年にエイナウディ社から出版された。主な作品に『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』『見えない都市』などがある。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:不在の騎士
  • 2位:木のぼり男爵
  • 3位:まっぷたつの子爵

作品年表リスト

くもの巣の小径 (Il Sentiero Dei Nidi Di Ragno) 1947年

  • 『くもの巣の小道』米川良夫訳 福武書店 1990
  • 『くもの巣の小道』米川良夫訳 福武文庫 1994
  • 『くもの巣の小道』米川良夫訳 ちくま文庫 2006
  • 『蜘蛛の巣の小道』花野秀男訳 白夜書房、1977   

最後に鴉がやってくる (Ultimo viene il corvo) 1949年

死にゆく者はあらゆる種類の鳥が飛ぶのを見るだろう――
自身のパルチザン体験や故郷の生活風景を描いた
〈文学の魔術師〉カルヴィーノの輝かしき原点となる
第一短篇集、待望の刊行!

森に現れた少年は射撃の腕をかわれてパルチザン部隊と行動をともにする。やがて、遭遇した敵の兵士に対して少年の銃が狙いを定めたのは……緊張感漂う表題作をはじめ、カルヴィーノ自身のパルチザン体験を元に描いたレジスタンスの物語、少年期をすごした故郷の風景を反映した農民や子供たちの生活スケッチ、戦後の都会を舞台にしたコミカルなピカレスクロマン、軽妙な語り口の風刺的寓話など全23篇を収録。現代イタリア文学を代表する〈文学の魔術師〉が、その若き日々にあふれでる創作意欲を自由かつ繊細に結晶化した、瑞々しい傑作揃いの初期短篇コレクション! シリーズ〈短篇小説の快楽〉全5巻完結

  • 『最後に鴉がやってくる』関口英子訳、国書刊行会、2018年

アルゼンチン蟻 (La Formica Argentina) 1952年

まっぷたつの子爵 (Il Visconte Dimezzato) 1952年

ぼくの叔父さんテッラルバのメダルド子爵は、トルコ軍の大砲の前に、剣を抜いて立ちはだかり、左右まっぷたつに吹き飛ばされた。奇跡的に助かった子爵の右半身と左半身はそれぞれ極端な〈悪〉と〈善〉となって故郷に帰り、幸せに暮らす人びとの生活をひっくりかえす――。イタリアの国民的作家カルヴィーノによる、傑作メルヘン。

  • 『まっぷたつの子爵』河島英昭訳、晶文社、1971
  • 『まっぷたつの子爵』岩波文庫 2017 

イタリア民話集 (Fiabe Italiane) 1956年

  • 『イタリア民話集』河島英昭編訳、岩波文庫(上下)、1984‐85
  • 『イタリア民話集』岩波文庫ワイド版2010

イタリア民話集 (カナリア王子) 1956年

森の奥の古い城。囚われの王女が魔法の本のページをくると、王子は黄色いカナリアとなって、こずえより高く舞い上がる。「民話の宝庫」と呼ばれるイタリア全土を旅しながら、イタリアを代表する作家カルヴィーノが収集し再話した二百編の民話。その中から、魔法でカナリアになった王子と囚われの王女のロマンスを妖しく描く表題作「カナリア王子」ほか、とびっきり不思議で、そして恐ろしくも美しい選りすぐりの七編をお届けします。

  • 『カナリア王子』安藤美紀夫訳 福音館、1969
  • 『カナリア王子』福音館文庫 2008(安野光雅画)

イタリア民話集 (イタリアのむかし話 悪魔にもらったズボン) 1956年

銀の鼻/太陽のむすめ/プレッツェモリーナ/北風のおくりもの等、イタリア各地の昔話の中でも特に意味深く、面白い話10編を収録。

  • 『イタリアのむかし話 悪魔にもらったズボン』ほか、大久保昭男訳 偕成社 1989

イタリア民話集 (みどりの小鳥) 1956年

独特のユーモアや悲哀をたたえる粒ぞろいの34の民話が、小さな子どものための話、女の子のための話、恐ろしい話、おかしな話、少し悲しい話などにグループ分けされています。現代イタリア文学を代表する作家カルヴィーノが編纂した『イタリア民話集』から年少者向けに編まれたエディション。香り高い次世代への贈り物。

  • 『みどりの小鳥―イタリア民話選』河島英昭訳、岩波書店、1978
  • 『みどりの小鳥―イタリア民話選』岩波少年文庫 2013

イタリア民話集 (イタリアの怪奇民話) 1956年

  • 『イタリアの怪奇民話』渡部容子編訳、評論社、1982 

木のぼり男爵 (Il Barone Rampante) 1957年

男爵家の長子コジモは12歳でカタツムリ料理を拒否して木に登り、以来、一生を樹上で暮らすことに。奇想天外にして痛快無比な冒険。

18世紀のイタリア、男爵家の長子コジモは、12歳のある日、かたつむり料理を拒否して庭園の樫の木に登った。両親に対する一時的な反抗とだれもが思ったが、その後もコジモは頑なに地上に降りることなく、木の上で暮らし始める。木から木へ伝って自由に移動し、森で猟をしたり、近隣を荒らす盗賊〈荒ら草ジャン〉と交わったり、読書にいそしんだりしながら大人になった。木の上で暮らすコジモは有名人となり、領内の女たちと(樹上で)愛を交わし、パリの《百科全書派》と文通もした。世界はやがて革命と戦争の時代へ、男爵家を継いだコジモの領する地方にも軍隊がやってきた……。恋も冒険も革命もすべてが木の上という、奇想天外、波瀾万丈の物語。文学の魔術師カルヴィーノが、人間存在の歴史的進化を寓話世界に託して描いた《我々の祖先》三部作のひとつ。新装改版。

  • 『木のぼり男爵』米川良夫訳、白水社、1964
  • 新版『木のぼり男爵』1990
  • 『木のぼり男爵』白水uブックス、1995
  • 新版『木のぼり男爵』2018 

遠ざかる家 (La Speculazione Edilizia) 1957年

  • 『遠ざかる家 建築投機』和田忠彦訳、松籟社、1985(イタリア叢書)

ポー川の若者たち (I giovani del Po) 1958年

むずかしい愛 (I racconti) 1958年

ちょっとしたずれが、日常の風景を一変させる。ときめきと居心地の悪さ。どこからか洩れてくる忍び笑い。それは姿の見えない相手との鬼ごっこに似ている。兵士が、人妻が、詩人が、会社員が、もどかしくも奮闘する、十二の短篇。この連作が書かれた一九五○年代はカルヴィーノの作風の転回点にあたり、その意味でも興味ぶかい。

  • 『むずかしい愛』和田忠彦訳、福武書店、1991
  • 『むずかしい愛』岩波文庫 1995

魔法の庭 (I racconti) 1958年

まだカルヴィーノが作家の方向性を模索しながら、編集者、ジャーナリストとしても活躍していた時期の初期短篇集。子どもたちの海遊び、戦争ごっこや冒険、憎みきれない菓子泥棒、空を行き交うミサイルを見上げる原始部族など、ユーモラスな寓話世界が次つぎと語られる。速さ、透明性、具体性、簡潔性、軽さ――カルヴィーノ文学の特質のすべてがここにある!

  • 『魔法の庭』和田忠彦訳、晶文社 1991
  • 『魔法の庭』ちくま文庫 2007
  • 『魔法の庭・空を見上げる部族 他十四篇』岩波文庫 2018

マルコヴァルドさんの四季 (Marcovaldo ovvero Le stagioni in città) 1958年

自然を愛する敏感な目と心の持ち主マルコヴァルルドさんが大都会の中で四季折々に繰り広げるユーモラスな物語。鋭い風刺を底にひめながら、たくましく生きるイタリアの庶民の喜びと悲哀を綴る。セルジオ・トファーノのイラストが楽しい一冊である。

  • 『マルコヴァルドさんの四季』安藤美紀夫訳、岩波書店、1968
  • 『マルコヴァルドさんの四季』関口英子訳、岩波少年文庫、2009 

スモッグ (La nuvola di smog) 1959年

不在の騎士 (Il Cavaliere Inesistente) 1959年

勇猛果敢な騎士アジルールフォの甲冑の中は空っぽだった。騎士の資格を疑われて証をたてる旅に出た〈不在の騎士〉の奇想天外な冒険譚

中世騎士道の時代、フランス軍勇将のなかにかなり風変わりな騎士がいた。甲冑のなかは、空っぽ……。空想的な《歴史》三部作の一つで、現代への寓意を込めながら奇想天外さと冒険に満ちた愉しい傑作小説。

  • 『不在の騎士』本川洋子訳、学藝書林、1970(全集・現代文学の発見)
  • 『不在の騎士』脇功訳、松籟社、1989
  • 『不在の騎士』米川良夫訳、国書刊行会、1989
  • 『不在の騎士』河出文庫 2005
  • 『不在の騎士』白水Uブックス 2017

ある投票立会人の一日 (La giornata di uno scrutatore) 1963年

「文学の魔術師」イタロ・カルヴィーノ。20世紀イタリア戦後社会を背景にした知られざる先駆的小説。本邦初訳。

  • 『ある投票立会人の一日』 柘植由紀美訳、鳥影社、2016

レ・コスミコミケ (Le cosmicomiche) 1965年

  • 『レ・コスミコミケ』米川良夫訳、早川書房 1978年
  • 『レ・コスミコミケ』ハヤカワ文庫 1986
  • 新版『レ・コスミコミケ』ハヤカワepi文庫 2004

柔かい月 (Ti Con Zero) 1967年

変幻自在な語り部が、あるときは地球の起源の目撃者、あるときは生物の進化過程の生殖細胞となって、宇宙史と生命史の奇想天外な物語を繰り広げる。幻想と科学的認識が高密度で結晶した傑作。

  • 『柔かい月』脇功訳、河出書房新社、1971
  • 『柔かい月』ハヤカワ文庫 1981
  • 『柔かい月』河出文庫 2003 

見えない都市 (Le Città Invisibili) 1972年

現代イタリア文学を代表し、今も世界的に注目され続けている著者の名作。マルコ・ポーロがフビライ汗の寵臣となって、さまざまな空想都市(巨大都市、無形都市など)の奇妙で不思議な報告を描く幻想小説の極致。

  • 『マルコ・ポーロの見えない都市』 米川良夫訳、河出書房新社 1977
  • 新版『マルコ・ポーロの見えない都市』 米川良夫訳、河出書房新社2000
  • 『見えない都市』河出文庫 2003

宿命の交わる城 (Il Castello Dei Destini Incrociati) 1973年

文学の魔術師カルヴィーノが語るタロットの札に秘められた宿命とは……世界最古のタロットカードの中に様々な人間の宿命を追求しつつ古今東西の物語文学の原点を解読する!待望の文庫化。

  • 『宿命の交わる城』河島英昭訳、講談社、1980
  • 『宿命の交わる城』河出文庫 2004

冬の夜ひとりの旅人が (Se Una Notte D’Inverno Un Viaggiatore) 1979年

あなたはイタロ・カルヴィーノの新作『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。しかしその本は30頁ほど進んだところで同じ文章を繰り返し始める。乱丁本だ。あなたは本屋へ行き交換を求めるが、そこで意外な事実を知らされる。あなたが読んでいたのは『冬の夜ひとりの旅人が』ではなく、まったく別の小説だったのだ。書き出しだけで中断されてしまう小説の続きを追って、あなた=〈男性読者〉と〈女性読者〉の探索行が始まる。大学の研究室や出版社を訪ね歩くうちに、この混乱の背後に偽作本を作り続ける翻訳者の存在が浮上するのだが……。
様々な文体を駆使したメタフィクションの手法を用いて、「あらゆる本を書く」という不可能事に挑み、読書という不思議ないとなみ、その至上の歓びを謳いあげる〝文学の魔術師〟カルヴィーノによる究極の〈読書〉小説。

  • 『冬の夜ひとりの旅人が』脇功訳、松籟社、1981
  • 『冬の夜ひとりの旅人が』ちくま文庫 1995
  • 『冬の夜ひとりの旅人が』白水Uブックス 2016

水に流して (Una pietra sopra)1980年

  • 『水に流して カルヴィーノ文学・社会評論集』 和田忠彦・大辻康子・橋本勝雄訳、朝日新聞社、2000

パロマー (Palomar) 1983年

中年男性、職業不詳、妻と娘1人、パリとローマにアパートを所有。それがパロマー氏だ。彼は世界にじっと目を凝らす。観察に徹しようとする彼は、しかし….視覚的・文化的・思索的経験という3種の主題領域がそれぞれ記述的・物語風・瞑想的に書きあらわされ、三層に三重に積み重なって27の短篇が響き合う、不連続な連作小説。

  • 『パロマー』和田忠彦訳、松籟社、1988
  • 『パロマー』岩波文庫 2001 

砂のコレクション (Collezione di sabbia) 1984年

  • 『砂のコレクション』 脇功訳、松籟社、1988(イタリア叢書)

ジャガーの空の下で Sotto il sole giaguaro 1986年

カルヴィーノの文学講義―新たな千年紀のための六つのメモ (Lezioni americane−Sei proposte per il prossimo millennio) 1988年

これからの文学に必要なもの――それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」……である。神話や古今の名著名作、さらには科学者や宗教家の文献までをも考察の対象に収めながら、自らが作家として目指してきたところを示し、紀元3000年にいたるまでの長大な未来を視野に入れて疲弊した現代文学を甦らせる処方を語るカルヴィーノの遺著。

  • 『カルヴィーノの文学講義 新たな千年紀のための六つのメモ』 和田忠彦訳、朝日新聞社、1999
  • 『カルヴィーノ アメリカ講義』岩波文庫、2011

サン・ジョヴァンニの道 (La strada di San Giovanni) 1990年

  • 『サン・ジョヴァンニの道 書かれなかった「自伝」』 和田忠彦訳、朝日新聞社、1999

なぜ古典を読むのか (Perche leggere i classici) 1991年

卓越した文学案内人カルヴィーノによる最高の世界文学ガイド。ホメロス、スタンダール、ディケンズ、トルストイ、ヘミングウェイ、ボルヘス等の古典的名作を斬新な切り口で紹介。須賀敦子の名訳で。

  • 『なぜ古典を読むのか』 須賀敦子訳、みすず書房、1997
  • 『なぜ古典を読むのか』河出文庫、2012
この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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