封印再度(森博嗣)のあらすじ(ネタバレなし)・感想

不可解な死と家宝の関係は?
「天地の瓢」「無我の匣」。香山家に伝わる2つの宝と死の秘密とは

封印再度(森博嗣)の作品情報

タイトル
封印再度
著者
森博嗣
形式
小説
ジャンル
ミステリ
執筆国
日本
版元
講談社
初出
書き下ろし
刊行情報
講談社文庫

封印再度(森博嗣)のあらすじ(ネタバレなし)

50年前、日本画家・香山風采(ふうさい)は息子・林水(りんすい)に家宝「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

封印再度(森博嗣)の目次

全10章

第1章 鍵は壺のなかに
〈Searching for the Bull〉
第2章 壺は密室のなかに
〈Discovering the Footprints〉
第3章 密室は闇のなかに
〈Perceiving the Bull〉
第4章 闇は記憶のなかに
〈Catching the Bull〉
第5章 記憶は彩りのなかに
〈Taming the Bull〉

作者

森 博嗣 もり・ひろし(1957年12月7日 – )

小説家。愛知県生まれ。東海中学校・高等学校を経て、名古屋大学工学部建築学科卒、名古屋大学大学院修士課程修了。工学博士。

1995年に初めての小説『冷たい密室と博士たち』を執筆。メフィストに投稿し、編集部から高い評価を受ける。第4作『すべてがFになる』に合わせ編集部がメフィスト賞の開催を決定。同作が第1回メフィスト賞受賞作となり、デビューを飾った。

封印再度(森博嗣)の刊行情報

『封印再度』講談社ノベルス、1997年4月
『封印再度』講談社文庫、2000年3月

封印再度(森博嗣)の登場人物

犀川創平(さいかわ そうへい)
国立N大学建築学科の助教授。S&Mシリーズでの探偵役。開始時点で32歳。
萌絵の父・西之園恭介博士の愛弟子。萌絵と初めて出会ったのは萌絵が小学5年生のときであり、学生時代からよく西之園家に通っていた。その後、萌絵が生徒として大学に進学してきたため「西之園君」と呼んでいる。

西之園萌絵(にしのその もえ)

国立N大学工学部建築学科の学生。周囲の目を集めるほどの美女で、周囲の男性から好意を持たれることが多いが、犀川一筋である 。犀川と初めて会った際、「自分より頭の良い大人を初めて見た」という印象を抱く。作中では事件に首を突っ込むか巻き込まれることが多く、腰の重い犀川の推理を誘発することになる。

香山風采
日本画家。息子・林水に家宝「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。

封印再度(森博嗣)のあらすじ(ネタバレなし)

本作に登場するのは、家宝「天地の瓢」と「無我の匣」。鍵のかかった小箱があるのですが、閉まっていて開けることはできません。一方、壺のほうには何やら金属製のものが入っており、それが小箱の鍵だというのです。しかし壺の口は細く、その鍵を取り出すことは出来ません。しかし何らかの方法でその鍵を取り出すことができるとのこと。

その家宝を所蔵する香山家では、かつて香山風采という日本画家が密室の中で不審な死を遂げていました。自殺としか思えない状況なのですが、彼の命を奪ったとされる金属製の刃物のようなものが見当たらなかったのです。小箱の中に刃物があるのではないかという推測が立てられますが、誰もその小箱を開けることは出来ません。

この2つの謎に興味を持った萌絵は香山家を実際に訪ね、家宝との対面を果たします。しかし、その前後香山家では不思議な事件が立て続けに起きるのでした。

封印再度(森博嗣)の感想・解説・評価

森ミステリらしい理系のトリック

本作では、家宝の開け方、香山風采が亡くなった事件の真相、そして新たに発生した事件について、と3つの謎に犀川&萌絵コンビが挑戦していきます。

作中では登場人物たちが、様々な推理を展開。あれやこれやと侃々諤々の議論を展開します。その中には、僕が想像したものもあれば、まったく想定していないものもありました。勘の良いミステリファンならニヤリとさせられますし、あんまり馴染みのない読者でも「なるほど…そうなのかも」と思わされたりと楽しめます。

シリーズ5作目となる今作では犀川&萌絵のじれったい関係も少しは進行?ミステリだけではなく、ラブコメ的なシーンもありますね。僕はこのラブコメ展開が好きなのでうれしかったです。

肝心のトリックについては途中で気が付いてしまうものでした。「やられた!」という意外性はそれほどありませんでしたが、森先生の筆によって上手くヒントを貰った結果、正解に辿り着けたという印象が強いです。そういう上手さもあるよなと一人で頷きました。

合わせて読みたい本

すべてがFになる

デビュー作であり、S&Mシリーズの一作目です。

ネタバレを見ることなく読んでほしい作品です。理系の知的な会話。犀川&萌絵の気になる関係。きっとシリーズが読みたくなると思います。

封印再度(森博嗣)の評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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