おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)のあらすじを紹介!切なくピュアなラブ・ストーリー

彼女を守ってあげたい。誰にも渡したくない。高校3年になる春、年上のいとこのかれんと同居することになった「僕」は、彼女の秘密を知り、強く惹かれてゆくことになる。切なくピュアなラブ・ストーリー。

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)の作品情報

タイトル
おいしいコーヒーのいれ方シリーズ
著者
村山由佳
形式
小説
ジャンル
恋愛
青春
執筆国
日本
版元
集英社
初出
書き下ろし
刊行情報
集英社文庫

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)のあらすじ(ネタバレなし)

高校3年生になる春、父の転勤のため、いとこ姉弟と同居するはめになった勝利。そんな彼を驚かせたのは、久しぶりに会う5歳年上のかれんの美しい変貌ぶりだった。しかも彼女は、彼の高校の新任美術教師。同じ屋根の下で暮らすうち、勝利はかれんの秘密を知り、その哀しい想いに気づいてしまう。守ってあげたい!いつしかひとりの女性としてかれんを意識しはじめる勝利。ピュアで真摯な恋の行方は。

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)の目次

作者

村山 由佳 むらやま・ゆか(1964年7月10日 – )

小説家。東京都出身。立教大学文学部日本文学科卒業。社会人生活を送ったのち、『天使の卵-エンジェルス・エッグ』にて第6回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。代表作に『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズや、第129回直木賞を受賞した『星々の舟』などがある。
もっと読む【おすすめ】村山由佳の全作品を一覧であらすじを紹介します

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)の刊行情報

  • 『おいしいコーヒーのいれ方』ジャンプ ジェイ ブックス、全19巻
  • 『おいしいコーヒーのいれ方』集英社文庫、全19巻

漫画版

青沼裕貴、雀村アオ『おいしいコーヒーのいれ方』少年ジャンプ+、2019年10月2日~

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)の登場人物

和泉 勝利(いずみ かつとし)
主人公。父が福岡に転勤になったのを機に、花村家の居候となる。物語開始時点では高校二年生。

花村 かれん(はなむら かれん)
ヒロイン。美人だが、かなりのんびりとした性格で、家事も苦手である。勝利の高校に、美術教師として赴任する。

花村 丈(はなむら じょう)
かれんの弟。物語開始時点では中学一年。年相応に反抗期っぽい言動をとるものの、割としっかりしているところがある。

マスター
勝利たちが溜まり場にして、後にバイトすることになる喫茶店『風見鶏』のマスター。コーヒーは絶品である。

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ各巻のあらすじ

おいしいコーヒーのいれ方のストーリー(あらすじ)を簡単に紹介しています。この先の内容は、ネタバレを含んでいるため注意してご覧ください。

おいしいコーヒーのいれ方

Ⅰ.キスまでの距離

高校3年生になる春、父の転勤のため、いとこ姉弟と同居するはめになった勝利。そんな彼を驚かせたのは、久しぶりに会う5歳年上のかれんの美しい変貌ぶりだった。しかも彼女は、彼の高校の新任美術教師。

同じ屋根の下で暮らすうち、勝利はかれんの秘密を知り、その哀しい想いに気づいてしまう。守ってあげたい!いつしかひとりの女性としてかれんを意識しはじめる勝利。ピュアで真摯な恋の行方は。

Ⅱ.僕らの夏

5歳年上のいとこのかれんとその弟の丈と同居して1年。大学生になった勝利の毎日は不安と焦りでいっぱい。恋人でもあるかれんとの仲が、なかなか進展しないからだ。

ファースト・キスを交わしたけれど、かれんは本当に僕のことを好きなのだろうか?強力なライバルの出現、そして大学での新たな人間関係と、勝利の心は休まる暇もない。シリーズ第二弾。かれんと勝利、ふたりの夏がはじまる。

Ⅲ.彼女の朝

進展するとみえて、なかなか思うようにすすまない勝利とかれんの「秘密の恋」。互いの心が見えなくて、不安になったりもしたけれど。そんな気分をすべて洗い流したくてふたりで来た鴨川。

思いっきり海ではしゃいだその帰り、外房線の不通というアクシデントが。「…今日は、鴨川にいない?」消え入るようなかれんの言葉の意味が、ようやく理解できたとき勝利は…。はじめての、ふたりだけの夜。

Ⅳ.雪の降る音

親父が再婚する?突然のビッグニュースに福岡に単身赴任している父を訪ねた勝利。父と息子、男同士で過ごす夜、5歳年上のいとこ・かれんへの思いをはじめてうち明ける。

まだまだ秘密にしなければならない恋だけど、少しだけ、前進。なのに美術教師のかれんには彼女に思いを寄せる同僚がいるし、大学生になった勝利は陸上部のマネージャーから告白されて。おおやけにできない恋ゆえの悩みが続く。

Ⅴ.緑の午後

5歳年上のいとこ、かれんと恋におちた大学生・勝利。そうとは知らず、勝利に思いをよせる星野りつ子。追いつめられた勝利は、ついに星野に「秘密の恋」をうち明ける。

単身赴任していた勝利の父親も帰京し再婚、勝利の妹も誕生して、かれんとその弟の丈そして勝利の3人だけの生活が変わろうとしている―。番外編、丈の恋物語も収録する好評シリーズ第5弾。

Ⅵ.遠い背中

花村の叔母夫婦がついにロンドンから戻ってくる。勝利はかれんとふたりだけになれる場所を確保するために、周囲を説得して、ひとり暮らしを決意する。男としての強さ、優しさに、磨きをかけるためにも。

なのにかれんは近いようで遠くて。ふたりの甘く切ない恋の行方が、ますます気になる人気シリーズ第6弾。かれんの実兄「風見鶏」のマスターのエピソードも収録。

Ⅶ.坂の途中

一人で部屋を借りさえすればいつだって好きなときに彼女と二人きりになれるとばかり思っていた―なのに、思うようにはいかない勝利の一人暮らし。

バイト先の「風見鶏」では失敗を重ねるし、勝利への思いを断ち切れずに苦しむ星野りつ子が気にかかる。何よりかんじんの「かれん」が離れていこうとしている…。波乱含みのシリーズ7弾には星野りつ子の独白を収録。

Ⅷ.優しい秘密

「かれんと付き合ってるって本当?」花村のおばさんからきかれ、とっさに否定してしまった勝利。誰も傷つけたくなくて、ふたりの関係を守りたくて、ずっと秘密にしてきた。

それが間違いだったのか。勝利へ思いをよせる星野りつ子の存在も、かれんには言えなくて。後ろめたいから言えない。言えないからますます後ろめたい。秘密は増殖する。悩み多きシリーズ8弾。

Ⅸ.聞きたい言葉

介護福祉士を目指すかれんは鴨川へ移住することをついに決意する。遠く離れてふたりの関係はどうなるのだろう。かれんを応援したいけれど、行って欲しくもない勝利の心は複雑だ。

離れていても互いの思いは変わらない、彼女だって同じはず。それはふと触れ合う瞬間にだって、充分すぎるほど伝わってくる。彼女の言葉で、その胸の内をどうしても確かめたい。シリーズ9弾。

Ⅹ.夢のあとさき

遠距離恋愛を始めたふたり。最初はうまくいっていたが、やがてかれんと連絡が全く取れなくなってしまう。気持ちまで離れてしまったのではないか。僕がそばにいなくても平気なのではないか。

部活でのスランプからも抜け出せずに焦る勝利は、とうとう激情のままにかれんを深く傷つけてしまい…。ふたりの恋はどこへたどりつくのか―。切なく胸をしめつける人気シリーズ、第一シーズン完結。

おいしいコーヒーのいれ方 Second Season

Ⅰ.蜂蜜色の瞳

何の保証もないとわかっていても、彼女から強い約束を引き出したい。僕だけだ、と。一生、僕以外は愛さない、と。遠距離恋愛で、思うように会えない勝利とかれん。

久々に週末を一緒に過ごすが、ちょっとした誤解から、なんとなくギクシャクしてしまう。愛おしすぎて、相手を思いやる気持ちが空回りする。それでも少しずつふたりの歩みはすすんでいく…。人気シリーズ待望のSecond Seasonへ。

Ⅱ.明日の約束

いつのまに、彼女はここまで凛ときれいになったんだろう。久々にふたりで過ごす休日、“おとなの女”になったかれんに、愛しさが募る反面、焦りや不安を感じる勝利。

ひとり東京に戻り、一緒にいられない理不尽さに悶々としているころ、大家の裕恵さんの義弟が帰国する。一方、喫茶店『風見鶏』のマスターの身辺もあわただしくなる。かれんの同僚だった桐島先生の視点で描くサイドストーリーも収録。

Ⅲ.消せない告白

突然降りかかった災難に前歯を一本失った勝利。身体に走る激痛とともに、勝利は、恋する痛みや苦しさを思い知り、逢えない恋人かれんを想う。

そんなとき、部屋に訪ねてきたりつ子に対し、勝利は…。村山由佳のハートフル・ラブストーリーSecond Season第3巻、新イラストにて登場。

Ⅳ.凍える月

勝利の目の前で泣き出すかれん。かれんへの愛おしさと、何もしてやれないふがいなさとで、勝利の心は千々に乱れる。

自分のまわりの愛する人間たちがトラブルに見舞われるのを目にし、障害こそ成長の糧だ、と割り切れるほど、まだ勝利は大人になってはいなかった。

Ⅴ.雲の果て

急展開!! 勝利、オーストラリアの大地へ!!大学を休学しオーストラリアに渡った勝利は、アポリジニの研究者・秀人さんの手伝いをするが、働きすぎて倒れてしまう。

そんな折、かれんの弟・丈からの手紙が届いた…。

Ⅵ.彼方の声

勝利は、金髪の美少女、秀人の同僚ダイアンの妹アレックスに出会う。アレックスは、初対面から勝利につっかかり、勝利がオーストラリアへ「逃げて」きたことまで知られてしまった。

しかし、勝利は徐々に彼女の歌声の素晴らしさに感動し、二人はうちとけていく。

Ⅶ.記憶の海

いちばん逃げたくないと思っているのは、勝利自身のはずだ。誰よりも勝利こそが、今の自分を不甲斐なく思っているに違いないんだから……。

勝利がオーストラリアに旅立ち、残された傷心のかれんを支える弟の丈。勝利の辛さもかれんの寂しさも、そばでずっと見てきた丈には、わかりすぎるほどわかる。そんなもどかしい日々の中、由里子の思いがけない提案によって、新しい光が差し込み始める。

VIII. 地図のない旅

誰一人として、勝利くんを罰しようとしなかった。その結果、彼はあそこまで追い詰められたんです――中沢の言葉を反芻しながら、風見鶏のマスターは、自分がかれんの兄であることを花村家に告げに行く。

由里子さん、若菜ちゃんもそれぞれのつらい経験を乗り越えようと、一歩ずつ足を前に進める。あのとき以来、時間がとまったままの勝利だったが、急遽オーストラリアから帰国することになり……。

Ⅸ.ありふれた祈り

秀人とともに日本に一時帰国した勝利のもとに、かれんが現れる。たがいに想いながら、ぎくしゃくしたやり取りしかできない二人。――私たち、もうダメなの? 試練と波乱の恋の結末は!? 累計545万部突破の大人気シリーズ、最新刊にして最終巻。堂々の完結!!

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)の感想・解説・評価

続きが気になるピュアな恋愛小説

高校の美術教師として赴任してきたいとこの花村かれんと、主人公・勝利の恋愛物語です。年齢差もあり、生徒と教師の恋愛でもあるため、周囲にはおおっぴらに相思相愛だと言えない中、2人の距離が縮まっていく様子を描いていきます。

読みやすい文章ながら、登場人物の心理描写がしっかりとなされていて、共感しながら読み進めることができます。シリーズ化されていることもありますが、2人の関係が近づいたり離れたりと気になるんため、ついつい急いで読み進めてしまいます。

登場人物たちは、素直で一直線です。ちょっと古めかしいかもしれませんが、そんな王道の恋愛小説を読むことができます。

シリーズは現在も刊行中(※2020年6月に完結しました!)

シーズン1の10巻で完結するかと思われた物語はセカンドシーズンに突入し、8巻までが刊行中だ。勝利とかれんの恋路が気になるが、刊行は年一ペース。さらに8巻が出てから約5年間は新刊が刊行されていない。

2人の恋愛はどのように進むのか、最後にはちゃんと結ばれるのか。ストーリーが気になるだけに、刊行ペースが遅くなっていることに少しモヤモヤとしてしまう。

合わせて読みたい本

天使の卵-エンジェルス・エッグ

恋愛小説の名手となった村山由佳の記念すべきデビュー作です。本作と同じように年上の女性との恋愛が描かれます。

主人公は19歳。ラッシュ時の電車で偶然見かけた8歳年上の精神科医に恋する様子を描いたストレートな恋愛小説です。
もっと読む天使の卵-エンジェルス・エッグ(村山由佳)のあらすじ(ネタバレなし)・感想

おいしいコーヒーのいれ方シリーズ(村山由佳)の評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望。高校時代からブログを始め、一時中断後、読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログを再開。普段は本を読みつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、囲碁、株式投資、マジック:ザ・ギャザリングも好きです。
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