吾妻ひでおが亡くなった

今日ふとヤフートップを見たら衝撃的なニュースが目に入ってきた。

それは吾妻ひでおが亡くなったという知らせだった。

はっきりと悲しかった。

昔はいろんな有名人の訃報を見ても知らない人であることが多かった。とくに女優や歌手は知らない人ばかりだった。

それがどんどん知っている人が増えてきて、今日はついに追いかけている人が亡くなってしまった。

僕は世代的に吾妻ひでおリアルタイム世代ではない。青春時代を共に過ごしてきたわけではない。どちらかといえば、日本の漫画史を追いかけるように、吾妻ひでおを追いかけてきたような世代だ。

僕の世代にとって吾妻ひでおとは可愛らしい女の子、SF・ロリコン・ナンセンスの漫画家ではなく、アルコール中毒の日常を描いたエッセイ漫画家であったと思う。

僕はもう「吾妻ひでお」にどうやって辿り着いたのか忘れてしまった。大友克洋や高橋葉介、諸星大二郎に関連して名前を覚えたのかもしれない(本人はニューウェーブと括られることを否定していたが)

日本の漫画は手塚治虫とつげ義春によって発展し、それを継承したのが吾妻ひでおだという言説を見かけた。僕は手塚治虫とちばてつやの手によって漫画は発展したと思っているけれど、やはりその潮流に吾妻ひでおがいるのは間違いないだろう。

吾妻ひでおがいなければ、今日の日本のオタク文化やアニメーションの絵柄はもう少し違うものになっていたはずだ。近年、絶版になっていた著作の復刊も進み、後進に与えた影響の大きさが再確認されるはずの矢先の出来事になってしまった。

とにかく言葉にならないが、せめては吾妻ひでおが「アル中のエッセイ漫画家」だけではなかったことが知られることを願ってやまない。

おわり。

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望。高校時代からブログを始め、一時中断後、読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログを再開。普段は本を読みつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、囲碁、株式投資、マジック:ザ・ギャザリングも好きです。
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