星空マウス(中園直樹)のあらすじ(ネタバレなし)・感想

いじめ被害者の立場から、生きていくための術を具体的に描いた小説。

星空マウスの作品情報

タイトル
星空マウス
著者
中園直樹
形式
小説
ジャンル
いじめ
執筆国
日本
版元
文芸社
初出
書き下ろし
刊行情報
文芸社

星空マウスのあらすじ(ネタバレなし)

防波堤の上には君たちへの友情がある。だからそれより先へ進んではいけない。夕日の海に魅せられて進んではいけない。大人は何も教えてくれない。「生きるため」に「本当に必要なこと」を…。救済と絶望、そして希望の物語。

星空マウスの目次

作者

中園 直樹 なかぞの・なおき(1974年2月19日 -)

小説家、詩人。大阪府に生まれ、宮崎県育ち。日本大学文理学部国文学科卒。在学中に執筆した『オルゴール』が教育実習先の生徒たちの感動を巻き起こしたことから作家を志す。反対する父親から逃れる形で肉体労働に従事し、執筆活動を継続。2002年2月、文芸社より『オルゴール』を自費出版。2003年発表の2作目『星空マウス』は企画出版となり、プロデビューを果たした。

星空マウスの刊行情報

『星空マウス』文芸社、2003年

星空マウスの登場人物

主人公
竹杉君
I君

星空マウスの感想・解説・評価

現在、いじめは社会問題となって、テレビなどのメディアでも連日取り上げられています。数ある教育問題のうち、もっとも陰湿で解決の難しいものです。その多くの場合は、加害者が一方的に被害者を身体的、精神的に痛めつけるものです。

本作で取り上げられるのは、まさに加害者が一方的に被害者を痛めつけるものです。実際にいじめを受けていたという著者の手によるものなだけに、本作に書かれているのはいじめと戦う人の話でも、戦うこと=正義とされている日本社会における理想のようなものでもありません。

「どうやって自殺せずに生きていくか」ということの方法を具体的に書いたものです。そのため、実用書で語られているような、中途半端な正義感などは無く、実際にいじめをうけている人には自分を救ってくれる一冊になるでしょう。

ただ、読者に感動を巻き起こすような作品ではなく、ひたすら実践的な「対いじめ本」です。そのためか、小説としてはあっさりしすぎているような印象も残ります。いじめ体験のある著者が、まさにいじめられている人のために書いた本なのです。

合わせて読みたい本

何もかも憂鬱な夜に

施設で育った刑務官の「僕」は、十八歳のときに強姦目的で女性とその夫を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当しています。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するのですが、山井はまだ語らない何かを隠している様子でした。

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星空マウスの評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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