【おすすめ】磯崎憲一郎の全作品を一覧であらすじを紹介します

磯﨑 憲一郎 いそざき けんいちろう(1965年2月28日 – )

小説家。東京工業大学大学院社会理工学研究科教授。千葉県我孫子市生まれ。早稲田大学商学部卒業。三井物産勤務の傍らで40歳を前に小説を書き始め、2007年に「肝心の子供」で第44回文藝賞受賞。2009年、「終の住処」で第141回芥川賞、2011年、『赤の他人の瓜二つ』でドゥマゴ文学賞受賞、2013年、『往古来今』で泉鏡花文学賞、2020年、『日本蒙昧前史』で谷崎潤一郎賞を受賞した。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:終の住処
  • 2位:日本蒙昧前史
  • 3位:電車道

作品一覧リスト

肝心の子供(2007年)

第44回文藝賞受賞作! ブッダ、束縛という名の息子ラーフラ、孫のティッサ・メッテイヤ。人間ブッダから始まる三世代を描く新しい才能。「身体性を持ったボルヘス」保坂和志氏、「あらゆる意味で壮大な小説」角田光代氏、他選考委員絶賛!

  • 『肝心の子供』河出書房新社、2007年
  • 『肝心の子供/眼と太陽』河出文庫、2011年

眼と太陽(2008年)

そこには、聖書の時代から変わらぬ太陽が輝いていた――。あの日、私が出会ったトーリ。射抜くような大きな瞳の女性との時間。注目の才能による、新しい世界文学の誕生。芥川賞候補作。

  • 『眼と太陽』河出書房新社、2008年
  • 『肝心の子供/眼と太陽』河出文庫、2011年

世紀の発見(2009年)

幼少の頃に見た対岸を走る「黒くて巨大な機関車」、「マグロのような大きさの鯉」、そしてある日を境に消えてしまった友人A――芥川賞&ドゥマゴ文学賞作家が小説に内在する無限の可能性を示した傑作!

終の住処(2009年)

結婚すれば世の中のすべてが違って見えるかといえば、やはりそんなことはなかったのだ──。互いに二十代の長く続いた恋愛に敗れたあとで付き合いはじめ、三十を過ぎて結婚した男女。不安定で茫漠とした新婚生活を経て、あるときを境に十一年、妻は口を利かないままになる。遠く隔たったままの二人に歳月は容赦なく押し寄せた……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。

赤の他人の瓜二つ(2011年)

血のつながっていない、赤の他人が瓜二つ。そんなのはどこにでもよくある話だ。しかしそう口にしてみたところで、それがじっさいに血のつながりのないことを何ら保証するものでもない。――私が初めてその男と会ったとき、そんな自問自答が思い浮かんだ。それほど男は私にそっくりだった、まるで記憶の中の自分の顔を見ているかのようだった。

往古来今(2013年)

泉鏡花文学賞を受賞した傑作中篇集。

語り手の「私」が、自分の子供のころの母親の思い出を語りだす。と思いきや、突然思い出を断ち切るように、二十歳ごろのうらぶれた京都旅行の話が始まる。線路で泣いている仔犬を救おうとした話、田舎の郵便局で働く巨漢の元力士、千年前の源平時代の領主の話、裸の大将・山下清の話、そして行き着くのは百年前にハワイに移民した日本人の話――自在に空間と時間を往来する、「私」を巡る五つの物語。

タイトルになった〈往古来今〉とは、「綿々と続く時間の流れ。また、昔から今まで」を表す中国の四字熟語。時空がなだらかに転調していくこれまでのスタイルを踏襲しながらも、新しい挑戦に挑んだ意欲作である。

電車道(2015年)

ある男は家族を捨て洞窟に棲み着き、やがて小さな塾を始める。またある男は選挙に落選し、雑木林を飛ぶムササビの幻影と恋の傷を抱えたまま、電鉄会社を興す。ふたつの破格の人生が交錯する高台の町を、大震災、敗戦、高度成長と、電車は何代もの人生を乗せて絶え間なく通い、町と世界を変容させる。東京近郊の私鉄沿線の百年の変転に、この国と私たちの人生の姿が立ち現れる魅惑の物語。

アトリエ会議(2015年)共著

現代最高峰の画家にして、芸術の巨人・横尾忠則。
79歳になった今なお、他の追随を許さない彼の思考と創造の秘密とは一体どんなものなのか?
アトリエの空気に導かれ、画家と作家のおしゃべりは溢れ出し、わたしたちはいつしか“創造”の秘密に出会うーー〈奇蹟の時間〉にようこそ

鳥獣戯画(2017年)

人間が考えることなど動物は何もかもお見通しなのだ。二十八年間の会社員生活を終え自由の身となった小説家。並外れた美貌を持ちながら結婚に破れた女優。「鳥獣戯画」を今に伝える名刹を興した高僧。父親になる三十歳の私。恋をする十七歳の私。語りの力で、何者にもなりえ、何処へでも行ける。小説の可能性を極限まで追い求める、最大級の野心作。

金太郎飴 磯﨑憲一郎 エッセイ・対談・評論・インタビュー 2007-2019(2019年)

「小説的身体」を創るためのすべてがここに――デビューから12年、全身を「小説」に捧げて来た磯﨑憲一郎・全思考。

日本蒙昧前史(2020年6月)

語りの魔術で蘇らせる、戦後日本の生々しい手触り。
戦後を彩った様々な事件とその陰にある無数の生を描き出す長篇。

大阪万博、三島由紀夫の自決、五つ子ちゃん誕生、ロッキード事件、グリコ・森永事件、密林に28年身を潜めていた元日本兵──。
もはや忘れ去られてしまった無数の「虚構ではない人生」を通じて、あの「蒙昧」の時代の生々しい空気が浮かびあがる。
変幻自在の語りを駆使した芥川賞作家、会心の作。

“我々は滅びゆく国に生きている、
そしていつでも我々は、その渦中にあるときには何が起こっているかを知らず、
過ぎ去った後になって初めてその出来事の意味を知る──“

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