夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)・考察・感想

京都大学と思われる大学や周辺地域を舞台にして、さえない男子学生と無邪気な後輩女性の恋物語を2人の視点から交互に描いたエンターテイメント小説。

夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)の作品情報

タイトル
夜は短し歩けよ乙女
著者
森見登美彦
形式
小説
ジャンル
エンターテイメント
執筆国
日本
版元
角川書店
初出
書き下ろし
刊行情報
角川文庫
受賞歴
第20回山本周五郎賞
第137回直木賞候補
2007年本屋大賞第2位

夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)のあらすじ・概要

鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー!

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった!

私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。

「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」

…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。

夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)の目次

作者

森見 登美彦 もりみ・とみひこ(1979年1月6日 – )

1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部大学院修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビュー。2007年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞、2010年『ペンギン・ハイウェイ』で日本SF大賞を受賞。主な著書に『四畳半王国見聞録』『聖なる怠け者の冒険』『夜行』等がある。
もっと読む【おすすめ】森見登美彦の全作品を一覧であらすじを紹介します

夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)の刊行情報

  • 『夜は短し歩けよ乙女』角川書店、2006年
  • 『夜は短し歩けよ乙女』角川文庫

アニメーション映画版関連動画

アニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』2017年4月7日

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夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)の登場人物

先輩
語り手。主人公。腐れ大学院生。入学以来成績は上がらず冴えない。そのため、大学院に進学することで就職活動を先送りにしている。何の特徴も機転も才能もない自分にコンプレックスを感じている。同じクラブの後輩である黒髪の乙女に片想いをしている。

黒髪の乙女
もう1人の語り手にしてヒロイン。「先輩」が恋をしている女子大生で、同じクラブの後輩である。好奇心旺盛かつ奔放な性格であり、底無しのうわばみで、ラム酒を好む。母から様々な武道の手ほどきを受けており、「お友だちパンチ」という必殺技を持っている。

李白
高利の金貸しや偽電気ブランの卸元などをやっている富豪の老人。「電車」と称する三階建ての巨大な自家用車を所有する。酒豪。

樋口 清太郎
常に浴衣を着込み、天狗を自称するなど奇妙な男。かなり古いアパートで独り暮らしをしている。空を飛び、耳から悪趣味な金色の招き猫を出すなど、不可思議な術を使う。酒場で出会った乙女に、夜の先斗町の渡り方を伝授する。

羽貫 涼子
樋口の友人で、他人の宴会に潜り込んではタダ酒を飲む特技を持つ大酒飲みの美女である。歯科衛生士。樋口と共に酒場で乙女と出会い、夜の先斗町の渡り方を伝授する。

夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)の感想・解説・評価

文句なしにおもしろい不可思議エンターテイメント!

本作は山本周五郎賞を受賞した森見の初期の代表作だ。文句なしにおもしろい「不可思議エンターテイメント」小説に仕上がっている。とにかくおもしろく、それ以外の感想は必要ないと思えるくらいだ。

基本的には恋愛小説を主軸にストーリーは展開していく。あるときは緋鯉を背負い林檎飴を食べ、あるときは古本市で絵本を探し、またあるときは、お化け屋敷で「おともだちパンチ」をおみまいするヒロイン、乙女。そんな彼女に恋した男の物語だ。

とはいえ、その恋愛はなかなか一本道では進まない。男は絵本を手に入れるために熱帯地獄に挑み、お化け屋敷で「おともだちパンチ」をおみまいする彼女に萌え、命がけで緋鯉を追う。しかし、「ナカメ(なるべく彼女の目にとまる)作戦」を決行しながら、ひたすら外堀を埋めていくだけでなかなか本丸を攻略できずにいる。

その天然とも、好奇心旺盛ともいえる彼女は、森見独特の文体でたいへん愛らしい人物だ。思わず「かわいいなぁ」とつぶやいてしまいそうな存在になっている。

詭弁論部、パンツ大総長、実行委員会、転がる達磨、象の尻、韋駄天コタツ、偏屈王、など強烈なキャラクターが総登場の第三話がとくにおすすめだ。

合わせて読みたい本

太陽の塔

京都大学の男子学生が、ふられたかつての恋人を「観察と研究」という名目で追いかける物語です。

主人公は決して「未練からのストーキング」と認めておらず、あくまで「なぜ、自分は彼女に一時期とはいえ、あれほど心を奪われたのか」「なぜ、彼女は自分を袖にしたのか」という疑問から「研究」するという、青春小説になっています。
もっと読む太陽の塔(森見登美彦)をチェックする

有頂天家族

同じく京都を舞台にした森見作品。

その中でも「五男」「毛深い子」と呼ばれる作品。3部作となる予定の「たぬきシリーズ」の第1部でもあります。
もっと読む有頂天家族(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想

夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)の評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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