【おすすめ】森見登美彦の全作品を一覧であらすじを紹介します

森見登美彦(1979 – )

1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部大学院修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビュー。2007年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞、2010年『ペンギン・ハイウェイ』で日本SF大賞を受賞。主な著書に『四畳半王国見聞録』『聖なる怠け者の冒険』『夜行』等がある。

おすすめ作品ランキング

長い記事なので、先におすすめランキングを紹介します!

  • 1位:有頂天家族
  • 2位:夜は短し歩けよ乙女
  • 3位:四畳半神話大系

森見登美彦の作品年表リスト

太陽の塔(2003年12月)

私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!

クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

  • 👑第15回日本ファンタジーノベル大賞

本作の主人公は「素直」とは言えない男です。研究と称しストーカー行為と限りなく近い行為を行ったり、恋敵と思われる男の部屋を一大昆虫王国にしようと画策したりと、とんでもない男です。

そんな主人公が織りなす物語は、クリスマスを呪い、聖ヴァレンタインを罵倒し、浮かれている世間に対するささやかな挑戦をする…という、非モテ男たちには共感しかないストーリーです。

デビュー作ながら、すでに作風や文体は完成されている感があります。独特な表現や、これでもかという言い回しに笑わされてしまうと思います。
もっと読む太陽の塔(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想

四畳半神話大系(2005年1月)

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい! さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

きつねのはなし(2006年10月)

「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝”を持った女が現れて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は? 底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。

夜は短し歩けよ乙女(2006年11月)

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

  • 👑第20回山本周五郎賞
  • 👑第3回2010大学読書人大賞
  • 👑第137回直木賞候補
  • 👑第24回織田作之助賞候補
  • 👑2007年第4回本屋大賞第2位

めちゃくちゃおもしろかったです。この本にそれ以外の感想は必要ない気もします。

あるときは緋鯉を背負い林檎飴を食べ、あるときは古本市で絵本を探し、またあるときは、お化け屋敷で「おともだちパンチ」をおみまいするヒロイン、乙女。そんな彼女に恋した男の物語です。

文句なしにおすすめできる一冊です。
もっと読む夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)・考察・感想

【新釈】走れメロス 他四篇(2007年3月)

芽野史郎は全力で京都を疾走していた――無二の親友との約束を守「らない」ために!(「走れメロス」) 表題作の他、近代文学の傑作四篇が、全く違う魅力をまとい現代京都で生まれ変わる! こじらせすぎた青春は、こんなにも阿呆らしく、そして気高い!! 滑稽の頂点をきわめた、歴史的短編集!

有頂天家族(2007年9月)

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。

  • 👑第5回2008年本屋大賞第3位

一読して大満足。傑作です。

登場人物は、狸と天狗と人間。主人公はまさかの狸。実は人間が少ない小説です。

狸の四兄弟の長兄は意外とあわてんぼうであり、次兄はひきこもり。日々、京都の町を闊歩する三男(主人公)、その弟である四男は、化けている最中にふとしたことからしっぽを出してしまうような未熟者です。

他にも、四字熟語を愛用する兄弟や、三男の元許嫁でありながらけっして姿を見せようとしないその妹、飛べない天狗と、飛べる美女など魅力的なキャラクターが勢ぞろい。

選挙を戦ったり、狸鍋がでできたり、とんでもない大騒動を繰り広げるたりする「本当」にとんでもない話なのです。

個性的な登場人物と森見の独特な言いまわしのおかげで、その不可思議ながらも微笑ましい本作の世界が引き立てられています。おすすめです。
もっと読む有頂天家族(森見登美彦)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想

美女と竹林(2008年8月)

諸君。どうやら未来は薔薇色らしいぞ!

美女と竹林。それは、自分がやみくもに好きなもの。
竹林の拝借に成功した作家は、将来の多角的経営を夢見る。
しかし。美女はどこだ?

虚実いりまぜて、タケノコと一緒に煮込んだ、人気文士の随筆集。

恋文の技術(2009年3月)

一筆啓上。文通万歳!――人生の荒海に漕ぎ出す勇気をもてず、波打ち際で右往左往する大学院生・守田一郎。教授の差し金で、京都の大学から能登半島の海辺にある実験所に飛ばされた守田は、「文通武者修行」と称して、京都にいる仲間や先輩、妹たちに次から次へと手紙を書きまくる。手紙のなかで、恋の相談に乗り、喧嘩をし、説教を垂れる日々。しかし、いちばん手紙を書きたい相手にはなかなか書けずにいるのだった。
青春の可笑しくてほろ苦い屈託満載の、新・書簡体小説。

宵山万華鏡(2009年7月)

祭りの夜に、何かが起こる。森見ファンタジーの真骨頂!
姉妹の神隠し、学生達の青春群像劇、繰り返される一日からの脱出など、祇園祭の京都を舞台に様々な事件が交錯し、全てが繋がってゆく。万華鏡のように多彩な宵山の姿を楽しめる、連作中篇集。

ペンギン・ハイウェイ(2010年5月)

ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。

  • 👑第31回日本SF大賞
  • 👑第1回山田風太郎賞候補
  • 👑第8回2011年本屋大賞第3位

四畳半王国見聞録(2011年1月)

その大学生は、まだ見ぬ恋人の実在を数式で証明しようと日夜苦闘していた。
京都に弾ける、7つの妄想。
森見登美彦の真骨頂!

「精神の貴族は行動しない」「シュレディンガーの猫がどうした!何様のつもりだ!」「これ以上暑くなるんだったら、涼しい国に亡命してやるからなコンチクショウ」「敵に回すと怖ろしい男だったんだなあ」「ふふん。誰がそんな妄想を信じるかしら」「四畳半統括委員会の口車に乗ってはダメ!」「鴨川ってこんなに暗かったっけ」――世界は阿呆神が支配する。

「ついに証明した! 俺にはやはり恋人がいた!」。二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。果たして運命の女性の実在を数式で導き出せるのか(「大日本凡人會」)。水玉ブリーフ、モザイク先輩、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿呆ばっかり。そして、クリスマスイブ、鴨川で奇跡が起きる――。森見登美彦の真骨頂、京都を舞台に描く、笑いと妄想の連作短編集。

森見登美彦の京都ぐるぐる案内(2011年6月)

京都――小説家・森見登美彦を育んだ地であり、数々の傑作の舞台である。『太陽の塔』『きつねのはなし』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』……。各作品の名シーンと、サカネユキ氏による叙情的な写真の競演。そして、現実と妄想が螺旋を描いて交わる、登美彦氏の古都愛溢るる随筆二篇を収録。本書をポケットに、あなたも、不思議で奥深い、この町の魅力に触れてみませんか?

郵便少年(2011年10月)

聖なる怠け者の冒険(2013年5月)

社会人2年目の小和田君は仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをする地味な生活。

ある朝目覚めると、小学校の校庭でぐるぐる巻きにされ、隣には狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」が立っていて……ここから「充実した土曜日の全貌」が明らかになる–。
著者3年ぶりの長編小説の文庫化!
文庫化に合わせて大幅改稿し、単行本とは違った新たな読み方ができる。

  • 👑第2回京都本大賞
  • 👑第11回2014年本屋大賞第9位

有頂天家族 二代目の帰朝(2015年2月)

狸の名門・下鴨家の矢三郎は、親譲りの無鉄砲で子狸の頃から顰蹙ばかり買っている。皆が恐れる天狗や人間にもちょっかいばかり。そんなある日、老いぼれ天狗・赤玉先生の跡継ぎ〝二代目〟が英国より帰朝し、狸界は大困惑。人間の悪食集団「金曜俱楽部」は、恒例の狸鍋の具を探しているし、平和な日々はどこへやら……。矢三郎の「阿呆の血」が騒ぐ!

夜行(2016年10月)

「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。

  • 👑第7回広島本大賞
  • 👑第156回直木賞候補
  • 👑第8回山田風太郎賞候補
  • 👑第14回2017年本屋大賞第8位

ぐるぐる問答: 森見登美彦氏対談集(2016年10月)

森見登美彦氏初の対談集、完全版!

ただ正直に、出たとこ勝負で喋るだけである。だから私はたいていの対談でぐるぐるしてしまう――(「はじめに」より)。そんな森見登美彦氏が、ぐるぐるしながらも臨んだデビュー直後の人生初対談から、憧れの人との緊張のご対面、15周年を迎えての振り返りまで。現在では入手困難な対談を網羅した、ファン必読の一冊です。

対談相手は、劇団ひとり氏、万城目学氏、瀧波ユカリ氏、柴崎友香氏、うすた京介氏、綾辻行人氏、神山健治氏、上田誠氏、羽海野チカ氏、大江麻理子氏、萩尾望都氏、飴村行氏、本上まなみ氏、綿矢りさ氏という各界トップランナーの多彩かつ豪華な顔ぶれ。単行本収録の全16記事+“対談風小説”「今昔対談」を完全再録するほか、新たに伊坂幸太郎氏、辻村深月氏との対談を追加収録しました。本書だけで読める、書き下ろしコメントも満載です。

装画は『こぐまのケーキ屋さん』著者、カメントツ氏による描き下ろし。さらに、登美彦氏の仕事場突撃インタビュー漫画も特別収録!

太陽と乙女(2017年11月)

デビューから14年、全エッセイを網羅した決定版! 登美彦氏はかくもぐるぐるし続けてきた! 影響を受けた本・映画から、京都や奈良のお気に入りスポット、まさかの富士登山体験談、小説の創作裏話まで、大ボリュームの全90篇。台湾の雑誌で連載された「空転小説家」や、門外不出( !?)の秘蔵日記を公開した特別書下ろしも収録。寝る前のお供にも最適な、ファン必携の一冊。

熱帯(2018年11月)

汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?
秘密を解き明かすべく集結した「学団」メンバーに神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと「部屋の中の部屋」……。
幻の本をめぐる冒険はいつしか妄想の大海原を駆けめぐり、謎の源流へ!

  • 👑第6回高校生直木賞
  • 👑第160回直木賞候補
  • 👑第16回2019年本屋大賞第4位

文藝別冊 総特集 森見登美彦: 作家は机上で冒険する!(2019年1月)

『太陽の塔』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』そして最新作『熱帯』――
唯一無二の小説世界を築き上げてきた森見登美彦、初の総特集!
デビュー15年、創作の秘密に迫る永久保存版。

キュートなSFあり、怪談ありのバラエティ豊かな短篇3作をはじめ、
著者本人による全小説解説エッセイ、カラーグラビアで見る森見登美彦の仕事場、
5万字にわたるインタビュー、事典、年譜等の資料も大充実、全ファン必読の一冊です。

四畳半タイムマシンブルース(2020年7月)

水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界は消滅の危機を迎える。そして、ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。
森見登美彦の初期代表作のひとつでアニメ版にもファンが多い『四畳半神話大系』。ヨーロッパ企画の代表であり、アニメ版『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』の脚本を担当した上田誠の舞台作品『サマータイムマシン・ブルース』。互いに信頼をよせる盟友たちの代表作がひとつになった、熱いコラボレーションが実現!

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