【おすすめ】大岡昇平の名作小説の人気ランキング5選【映画化原作も!】

大岡 昇平 おおおか・しょうへい(1909年3月6日 – 1988年12月25日)

小説家、評論家、フランス文学研究者。東京市牛込区新小川町生まれ。アテネ・フランセにてフランス語を学ぶ。京都帝国大学文学部文学科卒業。1944年、召集され陸軍の一員としてフィリピンのミンドロ島にて戦うも、翌年米軍の捕虜となった。1949年、『俘虜記』により横光利一賞を受賞。1952年、『野火』により読売文学賞を受賞。芸術院会員に選ばれるなど(辞退)、戦後日本文学を代表する作家である。

大岡昇平のおすすめ作品ランキング

第5位:レイテ戦記

戦争は勝ったか、負けたかというチャンバラではなく、その全体にわれわれの社会と同じような原理が働いている――。太平洋戦争の天王山・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使して再現した戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に講演「『レイテ戦記』の意図」を付す。

第4位:ながい旅

藤田まこと主演の映画『明日への遺言』原作。戦争の悪は敗戦国だけが負うのか? B級戦犯として起訴された東海軍司令官・岡田資中将は軍事法廷で戦いぬく決意をした――。米空軍の残虐な無差別爆撃の実態を立証するため、同時に起訴された部下の生命を救うため、そして東海軍の最後の名誉を守るため……。信念を貫き通してスガモ・プリズンに消えた一人の日本人の、誇りにみちた生涯。

第3位:武蔵野夫人

貞淑で、古風で、武蔵野の精のようなやさしい魂を持った人妻道子と、ビルマから復員してきた従弟の勉との間に芽生えた悲劇的な愛。
――欅や樫の樹の多い静かなたたずまいの武蔵野を舞台に、姦通・虚栄・欲望などをめぐる錯綜した心理模様を描く。スタンダールやラディゲなどに学んだフランス心理小説の手法を、日本の文学風土のなかで試みた、著者の初期代表作のひとつである。

第2位:俘虜記

一等兵として太平洋戦争に従軍した著者の体験に基づく連作小説。フィリピン・ミンドロ島への米軍上陸から復員までの約一年間を描く。なぜ自分は米兵を殺さなかったかという感情を異常なほどに平静かつ精密に分析した「捉まるまで」と、俘虜収容所を戦後日本の縮図と見た文明批評の続編からなる。

孤独という真空状態での人間のエゴティスムを明晰な文体で凝視し、戦争小説とは一線を画する。

第1位:野火

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

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