図書館戦争(有川浩)のあらすじ(ネタバレなし)・解説・感想

舞台は2019年の架空日本。高校3年生の時に出会った一人の図書隊員に憧れて図書隊入隊を志した少女・笠原郁が主人公。ストーリーは、メディアの自由を巡る人々の戦いを通しながら、郁の成長と恋愛を描く。

図書館戦争(有川浩)の作品情報

タイトル
図書館戦争
著者
有川浩
形式
小説
ジャンル
SF
ディストピア
パラレルワールド
アクション
ミリタリー
ラブコメディ
恋愛
執筆国
日本
版元
KADOKAWA
初出
書き下ろし、2006年
刊行情報
角川文庫
受賞歴
第39回星雲賞日本長編作品部門
2007年度本屋大賞第5位
「本の雑誌」2006年上半期エンターテインメント第1位
「キノベス」2006年度ベスト30 第4位
「SFが読みたい!」2006年度ベストSF国内編第6位

図書館戦争(有川浩)のあらすじ・概要

2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。

名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。

図書館戦争(有川浩)の目次

作者

有川 浩(1972年6月9日 – )

小説家。高知県出身。園田学園女子大学卒。2019年2月、ペンネームの表記を「有川 ひろ」へ改めることを発表した。2003年に『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞しデビュー。

図書館戦争(有川浩)の刊行情報

  • 『図書館戦争』メディアワークス、2006年2月10日
  • 『図書館戦争』角川文庫、2011年4月25日

映画版、アニメ版関連動画

テレビアニメ『図書館戦争』2008年4月~6月

劇場アニメ『図書館戦争 革命のつばさ』2012年6月16日

映画『図書館戦争』2013年4月27日

映画『図書館戦争-THE LAST MISSION-』2015年10月10日

テレビドラマ『図書館戦争 ブック・オブ・メモリーズ』2015年10月5日

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漫画版

弓きいろ『図書館戦争 LOVE&WAR』花とゆめコミックス

弓きいろ『図書館戦争 LOVE&WAR 別冊編』花とゆめコミックス

ふる鳥弥生『図書館戦争 SPITFIRE!』メディアワークス

図書館戦争(有川浩)の登場人物

笠原 郁(かさはら いく)
「熱血バカ」。本作の主人公。女性。22歳。身長170cm超。高身長と鍛えられた体つきがコンプレックス。防衛部・図書特殊部隊所属であり、女性では史上初かつ唯一の特殊部隊隊員である。堂上班班員。一等図書士。

幼いころからの本好き。高校3年生の秋、良化機関員の検閲から救ってくれた王子様(図書隊員)に憧れて図書隊員を志す。

堂上 篤(どうじょう あつし)
「怒れるチビ」。27歳。身長165センチメートル。防衛部・図書特殊部隊所属。二等図書正。郁、小牧、手塚を擁する班の班長。責任感が強いため、郁には必要以上に厳しく指導するが、愛情の裏返しである。

小牧 幹久(こまき みきひさ)
「笑う正論」。27歳。防衛部・図書特殊部隊所属。二等図書正。堂上班の副班長。図書大学校時代からの堂上の同期で、学生時代は学年首席を取ったり取られたりする間柄であった。笑い上戸。郁と堂上両者の良き相談相手である。

公の場では常に正論を貫くが、相手を責めるだけではなく感情や思惑を把握して、正論を語る際も基本的には情状を斟酌して行う。

手塚 光(てづか ひかる)
「頑な少年」。22歳。防衛部・図書特殊部隊所属。一等図書士。郁の同期。几帳面で努力家で誠実だが、完璧主義で融通が利かず恋愛に疎い。

柴崎 麻子(しばさき あさこ)
「情報屋」。22歳。業務部・武蔵野第一図書館所属。一等図書士。郁の寮でのルームメイトで親友。郁、手塚とは同期。情報通であり、実験構想中の情報部候補生。

長いストレートヘアが特徴のかなりの美人。利用客だけでなく業務部・防衛部の中にもファンは多いが、「営業用に作ったキャラクター」に惹かれる者に本人は興味はない模様。

玄田 竜助(げんだ りゅうすけ)
「喧嘩屋中年」。43歳。防衛部・図書特殊部隊隊長。三等図書監。郁の戦闘能力を高く買っている。しばしば豪快かつ無茶な作戦を立案する。だが、実際には諸状況や想定される結果を勘案した上でもっとも効果的と思われる手段を選んでいる。

稲嶺 和市(いなみね かずいち)
関東図書基地司令で現図書隊制度設立の立役者。特等図書監。一見穏やかで上品な老人だが、玄田のような一癖も二癖もある部下を自由にさせておく度量を持つ。『日野の悪夢』の生存者で、事件当時は日野市立図書館館長を務めていた。『日野の悪夢』で右足と妻を失い、それ以来車椅子で生活している。

図書館戦争(有川浩)の詳細あらすじ

1988年、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を規制するための「メディア良化法」が制定される。法の施行に伴い、メディアへの監視権を持つメディア良化委員会が発足し、不適切とされたあらゆる創作物は、その執行機関である良化特務機関(メディア良化隊)による検閲を受けていた。

この執行が妨害される際には、武力制圧も行われるという行き過ぎた内容であり、情報が制限され自由が侵されつつあるなか、弾圧に対抗した存在が図書館だった。

実質的検閲の強行に対し、図書館法に則る公共図書館は、「図書館の自由に関する宣言」を元に「図書館の自由法」を制定。あくまでその役割と本の自由を守るべく、やがて図書館は自主防衛の道へと突き進んだ。これ以降、図書隊と良化特務機関との永きに渡る抗争に突入していくことになる。

時代は昭和から正化へと移り、図書隊は激化する検閲やその賛同団体の襲撃によって防衛力を増す。それに伴い、拡大解釈的に良化法を運用し権勢を強めるメディア良化委員会との対立は、激化の一途をたどっていた。

時を同じくして正化26年(2014年)10月4日。高校3年生の郁は、ある一人の図書隊員に検閲の窮地から救われる。幼少時代からの大好きな本を守ってくれた図書隊員との出会いをきっかけに、郁は彼を“王子様”と慕い、自分も彼のように「理不尽な検閲から本を守りたい」という強い思いを胸に、図書隊の道を歩み始めた。

そして、メディア良化法成立から30年を経た正化31年(2019年)。郁は、自身の夢である念願の図書隊へと入隊を果たしたが、指導教官である堂上篤は、郁が目指した憧れの図書隊員とは正反対の鬼教官だった。

男性隊員にも引けを取らない高い身体能力が取り柄の郁は、顔も名前もわからない王子様を慕って人一倍過酷な訓練をこなしていく。一方、堂上は、5年前に自らの独断が起こした「ある事件」を重く受け止めていた。

やがて、郁は懸命な努力と姿勢が認められ、全国初の女性隊員として図書特殊部隊に配属される。そして、堂上のもとで幾多の困難な事件・戦いに対峙しながら、仲間とともに助け合い、成長していくこととなる。

図書館戦争(有川浩)の感想・解説・評価

本を守るために戦う「図書隊員」を描くミリタリーラブコメ

現在、文庫本は1冊600~700円、単行本は1400~1700円ほどです。しかし本作の世界では、本はどんなに安くても1冊3000円。へたすると1冊10000円もするというのです。

これは、「メディア良化法」という法律のせいなのです。この法律は、「良識」に反する言葉を、テレビ、書籍、雑誌から排除するために成立しました。

現行の日本国憲法にある「言論、思想の自由」に違反しているように思うのですが、憲法の穴をすりぬけ、国民の無関心さもあいまって成立してしまったとのこと。それゆえ、本屋にある「メディア良化法」に違反する多くの本が狩られてしまい、本の値段が高騰することになってしまったのです。

本作は、そんな表現規制が進んだ日本で本を守るために戦う「図書隊員」を描くミリタリーラブコメ小説になっています。

図書館の自立を守るために奮闘する図書隊

武装して強行される「狩り」に断固として抵抗するのが図書館です。図書館には、「メディア良化法」に違反する蔵書が数多くあるのですが、国家機関の干渉を拒否してでも、図書館の自立を守ろうとしました。

そんなとき、抵抗する図書館に業を煮やした「メディア良化法」賛同団体が武装して図書館を襲撃する事件が発生してしまいます。さすがに、図書館方も抵抗できず12名の尊い命と多数の蔵書を失ってしまうことになってしまいました。これは後に「日野の悪夢」と呼ばれることになる図書館界未曾有の大惨事です。

その後「日野の悪夢」を経験し、警察の協力が絶対でないことを知った生き残りの主導で、「図書館隊」なる自衛の軍隊を持つことになります。

主人公の郁は最前線部隊である「防衛部」の新隊員であり、成績優秀な手塚、教官である堂上、小牧と共に日々訓練に励んでいる、背の高い女の子です。

彼女の性格は非常にまっすぐ、素直な性格です。自分がおかしいと思うことには正直に怒り、泣きます。そんな彼女には、「おてんば」という言葉と共に「正直」、「素直」という言葉があてはまります。本が好きで、図書館隊隊員になった彼女は本を守らずにはいられないのです。彼女は銃ではなく、正直さを武器にして戦っているようですらあります。

ミリタリー、ラブコメディ、ディストピアなど様々な要素を合わせ持つ小説です。図書館隊の戦闘の描写にハラハラさせられる一方、ラブコメとして掛け合いのおもしろさを楽しめるなど、幅広い小説の魅力を感じることができる一冊です。

合わせて読みたい本

図書館戦争はシリーズ化されており、本編4巻、外伝2巻により構成されています。

図書館戦争(有川浩)の評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
右手

平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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