反日種族主義 日韓危機の根源(李栄薫)のあらすじ・解説・感想

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反日種族主義 日韓危機の根源の作品情報

タイトル
反日種族主義 日韓危機の根源
著者
李栄薫
形式
評論
ジャンル
政治
執筆国
韓国
版元
不明
初出
書き下ろし
刊行情報
文藝春秋
翻訳者
不明

反日種族主義 日韓危機の根源のあらすじ・概要

慰安婦・徴用工・竹島などの問題を韓国を愛する研究者らが実証的に検証したベストセラー。日韓関係を危機に陥らせた数々の「嘘」を指摘した憂国の書は韓国内で発売されるや大きな話題を巻き起こしている。

反日種族主義 日韓危機の根源の目次

  • はじめに
  • プロローグ 嘘の国
  • 第1部 種族主義の記憶
  • 第2部 種族主義の象徴と幻想
  • 第3部 種族主義の牙城、慰安婦
  • エピローグ 反日種族主義の報い

作者

李 栄薫 イ・ヨンフン(1951年9月10日 – )

経済史学者。ソウル大学校商科大学経済学科卒業。ソウル大学経済学名誉教授・落星台経済研究所所長を務める。

反日種族主義 日韓危機の根源の刊行情報

反日種族主義 日韓危機の根源の感想・解説・評価

韓国の学者が韓国内で発表した日本統治時代の”真実”

本書では冒頭から日本統治時代の”真実”について争点が列挙される。それは以下のようなものだ。

  • 朝鮮総督府が全国の土地の40%を国有地として奪ったこと
  • 朝鮮の米を日本が収奪したこと
  • 日本が戦時期に朝鮮人を労務者として動員し奴隷にしたこと
  • 憲兵や警察が女性を拉致して慰安所に連れて行ったこと

これら韓国サイドが歴史問題として挙げているポイントを著者はデタラメだと一刀両断している。

デタラメだという主張自体は日本でも見られたものだ。とくに保守派は、学術的であれ、ヘイト的であれ似たような内容を書いては本にもなっている。

今回特筆すべきことは、これらの主張が韓国の学者層から発信されたということだ。これまでは”日本より”な主張は日本人か、韓国人であっても日本で活動している人に留まっていた。韓国人が韓国国内で発表することは極めてまれだ。

だが、その状況にも関わらず韓国ではベストセラーとなり、日本語版も出版されることになった。本書の特長として、韓国国内の嘘の主張により生まれた多くの矛盾を解きほぐしている。読んでいてスッキリとさせられるが、韓国国内でもこの点が評価されたのだろうか。

タイトルの『反日種族主義』とはなんなのか

本書のタイトルは『反日種族主義』である。これは一体なんなのか。

著者は韓国の民族主義を西洋の民族主義とは区別している。すなわち韓国の場合は、民族自体がひとつの集団であり身分であるというのだ。それゆえ民族ではなく種族という言葉を用いている。そして隣国の日本に敵対感情を持っているというのだ。

そして著者はこの状況に大きな危機感を覚えている。嘘やデタラメが広がり、政治や社会の判断が左右されるようになっては韓国は先進国として発展できない。いわばこの本は知識人によって書かれた憂国の書であり、ヘイト本や暴露本とは一線を画していると言える。

また慰安婦問題に関しても、日本軍慰安婦は問題になるが、米軍慰安婦や韓国軍慰安婦が問題になることは少ないと一面的な主張を批判している。

とくに、先の大戦から時間が流れ、当時を知っている人や証言がどんどん少なくなってからは、主張はどんどん一面的になりやすくなっている。これは韓国だけではなく日本でも同じだろう。日本でも慰安婦問題はたびたび論争の題材となるが、戦後アメリカ軍に対し慰安所を設けたことなどはほとんど議題にあがっていない。

日本統治時代の悪い面について

著者は韓国内で流布している、日本統治時代の朝鮮で起きたと主張されていることにはデタラメも多く含まれることを解説していく。繰り返すが、嘘の主張が行われたために生まれた矛盾が解決されていく様子は読んでいて気持ちがいい。

ただ、その主張を強めるためか、日本統治時代の悪い面については多くのことは書かれていない。差別や抑圧もあったと書かれてはいるが、具体的な事象についてももっとページを割いてほしかったというのが率直な感想だ。その方が「デタラメだ」という主張も結果的に強まったのではないかと思える。

「日本統治時代はよかった」とはいっても、れっきとした植民地だ。さすがにいいことばかりというのは無理があるだろう。

朝鮮王朝時代や、朝鮮戦争を経て独裁から民主化した時代についての描写は取捨選択が難しいかもしれないが、前後の時代との比較があればなおよかった。日本人の読者的には前後の時代の知識はそれほどないだろうから、「日本統治時代はよかった」と言われても、「前後の時代知らないけど、本当に?日本よりな主張をしてる書き手なんじゃないの?」となってしまいかねない。

合わせて読みたい本

韓国「反日主義」の起源

膨大な資料をもとに「反日」の起源とその構造を明らかにし、それがやがて「反日主義」という強固な国家イデオロギーへと発展していくさまを描き出した一冊。

反日種族主義』は韓国人の経済史学者による本で、こちらは日本人の元官僚(在韓日本大使館参事官などを歴任した)の実証史学者・松本厚治氏の著作になっている。

日韓の別領域の学者による本を読み、どんな点が共通しているのか、違う主張になっているのかを比較してみるのもいいだろう。

反日種族主義 日韓危機の根源の評判・口コミ・レビュー

  1. お隣りお友達 より:

    この本の主張は、時間経過にかかるうそを主張している。戦後まもない1965年に日韓条約が締結された。当該条約にかかる徴用工、慰安婦が解決されたことに対する不満を時間経過後にうその捏造をつくって政治利用している人らがいること。それが国家間にかかることで深刻なものになっていった。

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