高校生、大学生におすすめの小説を紹介します【国内小説8選】

今回の記事では高校生、大学生におすすめの小説を紹介します。

読みやすい作品なのはもちろん、10代や20代前半の感受性の豊かな時期に読むのがおすすめな作品ばかりです。

読んでない本があったらぜひ手に取ってほしいと思います。

高校生、大学生におすすめの小説8選

キケン(有川浩)

ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称【キケン】。部長上野、副部長大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から忌み畏れられていた。これは、理系男子たちの爆発的熱量と共に駆け抜けた、その黄金時代を描く青春物語である。

学生時代に、部活やサークルを全力で取り組んでいた人、学校の思い出=部活の思い出になっているような人にとくにおすすめできる小説です。

友達と切磋琢磨したり、ふざけ合ったり、そういう人なら登場人物たちが馬鹿をやってる様子に突っ込みながら笑って読んでいけると思います。

とくに高校生なら、「大学でこんな生活を送りたい」「大学生ってこんなに楽しいのかな」と憧れを思い描けると思います。

四畳半神話大系(森見登美彦)

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

読み始めたら一気に読み進めてしまいます。おもしろくて止まらなくなってしまいます。青春小説だと思って読み始めると、ちょっと意外な展開に驚かされるかもしれません。

森見ワールド全開のユーモアたっぷりの文体を満喫できる作品です。傑作エンタメ小説を探しているのなら一度は手に取ってほしいです。

告白(湊かなえ)

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

こちらも読み始めたら止まらない小説です。でもおもしろいというよりは、どんどん引き込まれるタイプの小説です。楽しいばっかりではなく、展開に思わず考えさせられます。

「誰が先生の娘を殺したのか」真相が気になるなか、真実が当事者である先生によって語られていきます。その手法が素晴らしい作品です。

博士の愛した数式(小川洋子)

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

記憶が80分しかもたない博士と家政婦と息子の交流を描いた物語です。記憶にまつわる物語なわけですが、文学は記憶に関する芸術だと言われることもあるように、王道を突っ走った作品だと思います。

読後感も素晴らしく、心が温かくなります。人も記憶もいつかは消えてしまう切なさと、心が落ち着く安心感を感じることができます。

ふがいない僕は空を見た(窪美澄)

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。

とても細かな描写が特長の小説です。その細かな描写が読み終わったあとには切なさに変わっていきます。

様々な登場人物たちは、ありふれたような人たちです。主人公こそ年上の主婦と体の関係を持っていますが、彼以外は特別な存在ではありません。ありふれた人たちの物語なだけに、どこか心温まる作品です。

夜のピクニック(恩田陸)

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

歩行祭という舞台設定が素晴らしいです。高校生なら思わず誰しもやってみたいと憧れる舞台でしょう。登場人物たちはとにかく歩き続けます。普段の教室ではなく、修学旅行など非日常的なシチュエーションなだけに、生徒たちは普段は秘密にしていることを話し始めます。

舞台は教室ではないのに、反対に教室での日々や様子が明らかになっていきます。きっと10代なら共感するセリフやエピソードがあると思います。

動物農場(ジョージ・オーウェル)

飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、すべての動物は平等という理想を実現した「動物農場」を設立した。守るべき戒律を定め、動物主義の実践に励んだ。農場は共和国となり、知力に優れたブタが大統領に選ばれたが、指導者であるブタは手に入れた特権を徐々に拡大していき……。権力構造に対する痛烈な批判を寓話形式で描いた風刺文学の名作。『一九八四年』と並ぶ、オーウェルもう一つの代表作。

動物たちは農場主を追い出し、自分たちの暮らしやすい空間を目指すのですが…集団と個人の問題が描かれます。

クラス、部活、サークル、会社など様々な場所に起きている問題を普遍的に描いています。集団に溶け込むのが苦手だと思っている人にこそ読んでほしい作品です。

69 sixty nine(村上龍)

1969年、東京大学は入試を中止した。人々はビートルズに熱狂し、世論はベトナム戦争に揺れていた。僕は長崎県佐世保市、基地のある町に暮らす高校三年生。なにか面白いことをしたい、みんなを驚かせたい、女の子にモテたい!ただそんな気持ちから、僕は仲間たちと一緒に学校をバリケード封鎖した―。爆発しそうな衝動と真っ直ぐな心をあわせ持った高校生たちを描く、青春小説の金字塔。

最後にはいちばんおすすめの小説を選びました。

数々の傑作文学を書いてきた村上龍ですが、この小説はとにかくフザケまくっているバカみたいな小説です。

だから「文学!」って感じではありません。小説を読むのが苦手な人でもゲラゲラ笑いながら読むことのできる小説です。

そのほか、おすすめのミステリー小説も紹介しています。【読みやすい日本の傑作ミステリ】

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