新型コロナウイルス流行で話題の今こそ読みたい本を紹介します

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2020年、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス(COVID-19)。

世界各国で多数の感染者・犠牲者が報告されており、中国や欧米での被害は拡大するばかり。日本でも感染は拡大傾向にあり、緊急事態宣言が発令されるなど、日常生活が行えない状況にあります。

なかなか外を出歩いたり、活動的な趣味ができない中で、注目されているのは読書。家で楽しめる趣味ですし、電子書籍を利用すれば本を買いに行く必要もありません。

今回は新型コロナウイルスで話題の今こそ読みたい本を紹介したいと思います。かつて吉田健一が「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである。」と書いていましたが、非常事態の今こそ「各自の生活を美しくしてそれに執着すること」が大切ではないでしょうか。

読書という手段が「各自の生活を美しくしてそれに執着すること」に繋がればいいのですが。

新型コロナウイルスで話題の今こそ読みたい本を紹介します

ペスト(アルベール・カミュ)カフカの影響も

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。

戦後最年少の43歳でノーベル文学賞を受賞したカミュ。天才という名をほしいままにしたフランス人作家によって書かれたこの本は、新型コロナウイルスの流行でもっとも注目された本でしょう。

フランスの植民地であったアルジェリアのオラン市で、医師のリウーが病気に立ち向かう姿が英雄的に描かれています。

病気の描写やリウーの姿も印象的ですが、忘れられないのは亡くなった方の遺体の扱い方。『ペスト』を初めて読んだときはとくに意識することなく読み進みましたが、医療崩壊が叫ばれるイタリアについての報道を見ていると、小説内の描写が本当だったことに驚かされます。

首都感染(高嶋哲夫)

二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、スタジアムから遠く離れた雲南省で致死率六〇%の強毒性インフルエンザが出現! 中国当局の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスがついに日本へと向かった。検疫が破られ都内にも患者が発生。生き残りを賭け、空前絶後の“東京封鎖”作戦が始まった。

日本はよく「人権について遅れている国だ」と言われていました。しかし新型コロナウイルスの流行によって、人権について進んでいると言われていたヨーロッパの国々が次々に人権を制限するという状況が発生しています。都市封鎖を行い、国民の移動を制限しているのです。

日本でも、パンデミックを怖れる国民からは首都封鎖、東京封鎖というワードが盛んに発信されることになりました。

コロナウイルスに関するニュースを見ていると、本作に並んでいる言葉が現実世界でも発信されていることに気が付きます。現実の世界と小説内の状況が酷似しているのです。

世界での流行がどのようになるのかもわかりませんし、日本でも医療崩壊が起こってしまうのかもしれません。分からない未来を不安に覚えるのなら、小説の中で一度”体験”してしまうのも手かもしれません。

復活の日(小松左京)

生物化学兵器を積んだ小型機が、真冬のアルプス山中に墜落。感染後5時間でハツカネズミの98%を死滅させる新種の細菌は、雪解けと共に各地で猛威を振るう。世界人口はわずか1万人にまで減ってしまい――

小松左京といえば、筒井康隆、星新一と並び日本SF御三家と称された作家です。「日本沈没」などたくさんの作品を描き、SF小説界を牽引していました。

日本SFの得意技といえば、「架空の世界や現実とは異なる設定の上で現実社会を論じる」というような執筆スタイルです。宇宙での冒険譚を描いたアメリカのハードSFを読んでいると、日本とは違うなと感じたものです。(もちろんこれは一部をピックアップした話なんですけど)

「復活の日」は、流行病による人類滅亡の恐怖と、南極にいた生き残りの闘いと希望を描いた作品です。1964年に発表された小説で、もう60年近く前の作品なわけですが、古さはまったく感じません。

この小説に描かれたように人類が滅びゆくことになるとは思いません。それでもウイルスの恐ろしさと、人類と強さを読み取ることができると思います。

夏の災厄(篠田節子)

どこにでもあるような町にミクロの災いは舞い降りた。熱にうなされ痙攣を起こしながら倒れていく人々。後手にまわる行政の対応。現代生活のもろさを20年も前に予言していた、警鐘を鳴らす書!

平凡な郊外の町に、謎の新日本脳炎が続出するというパンデミック・ミステリです。

「復活の日」よりは時代設定が現代に近づいたとはいえ、書かれたのは20年も前のこと。インターネットの普及やライフスタイルの変化など様々な点で違いは感じます。

とはいえ、変わらないところは変わりません。物資の問題や被害状況について、または批判されがちなお役所仕事の内情についてもリアルに描かれています。

おわり

非常事態という言葉を見ない日はないですが、どうか非常事態が起こるのはフィクションの中だけであってほしいと願うばかりです。

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