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「【初心者にもおすすめ】死ぬまでに読みたい海外文学100選【小説メイン】その1」の9回目となります。まず最初の記事からご覧ください。
ルールとしては、「一人一作品」ということにしています。そうしないとドストエフスキー、カフカ、ガルシア=マルケスなど有名作家の作品が複数入ってしまうので。
記事では執筆された年代順に10冊ずつ紹介していきたいと思います。
死ぬまでに読みたい海外文学100選81~90冊
81:フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』1988年
比類なき崩壊の詩情、奇蹟の幻想譚。スペイン山奥の廃村で朽ちゆく男を描く、圧倒的死の予感に満ちた表題作に加え、傑作短篇「遮断機のない踏切」「不滅の小説」の二篇を収録。
表題作はとても静かな小説です。なにか事件が起こるわけでもないし、「激動の人生」なんて言葉も当てはまらない。
一人の男の孤独と晩年をただただ描いたこの小説を読むと、本当に優れた小説というのはこのような形態になるしかないんじゃないかと思わされます。
フリオ・リャマサーレス「黄色い雨」を読了。男が独り、廃村に取り残されて、やがて死を迎える。というただそれだけのお話。めくるページめくるページ、そのすべてが静謐な悲しみに満ち満ちていて、読後にはなんともいえない余韻が残る。とても詩的な小説。また訳者による解説がいいんだよ。
— layback (@laybacks) February 8, 2011
私も読みました。私達は孤独に見つめられています。 RT @tnaba: リャマサーレス『黄色い雨』読了。読んで思ったことは、人にとって生涯の友人といえるものは孤独なんだろうなということ。孤独は私たちを嫌わない。私たちが孤独を嫌う。
— Yuka Yoshida (@yoshida_nenka) January 2, 2011
フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』。表題作の世界にひき込まれた。孤独、老い、厭人、死を迎える日を待つこと、そのことを考えること。黄色い雨はポプラの枯葉が風に舞う様。自分だけが取り残され、黄色い雨が辺り一面に降り積もり、閉じ込められたように感じる。静かな小説。 #読了 pic.twitter.com/7XVoIvERMR
— pokako (@pokakopokako) July 27, 2020
82:ドン・デリーロ『リブラ 時の秤』1988年
オズワルドを核に、ケネディ狙撃へと吸い寄せられていく暗殺者の群――アメリカの負のエネルギーを描破した、鮮烈な傑作長篇小説
https://www.books.or.jp/books/detail/530573
ドン・デリーロは紹介するか迷いました。この『リブラ 時の秤』にしたって絶版プレミア本ですし、そもそも文庫化されている作品も少ない。
ケネディ暗殺事件やオズワルドに関する本は何冊か読みましたが、一番読み応えがあったのがこの本でした。
古書店にも中々ないでしょうから、大きめの図書館で探してみてください。
デリーロ『リブラ 時の秤』読了。ケネディ暗殺の実行犯とされるリー・オズワルドの波乱に満ちた生涯と、彼を利用しようとした人々の群像劇とが交互に描かれる。後者よりも前者に対して圧倒的に心が揺さぶられるのは、単に私の読み方が感傷的すぎるからなのだろうか。
— ちー (@chee_111) April 6, 2016
ドン・デリーロ『リブラ 時の秤』読了。恐るべき作品。オズワルド単独犯行説を否定。彼の人生を骨格にして、謀略に加わった人々の人生の断片を装着、破局に導かれていく或る共同体の運動…。そこに作者が見据えるのは”因果を越えた運命の道筋”なのだった。リブラとはオズワルドの星座、天秤座の事。
— DIA-KIKU,DAI-SUKI (@australasicus) January 27, 2014
ドン・デリーロの『リブラ 時の秤』を読むとマフィアを使って大統領選挙に勝ってモンローとか複数の女性と不倫してたケネディ大統領よりも、ふとした切っ掛けで共産主義に走ってソ連での生活を夢見て亡命するもいらない子扱いされて挫折し続けたリー・ハーヴェイ・オズワルドの方が好感もてる。
— 康芳英 (@y_yoshihide) October 31, 2013
83:ポール・オースター『ムーン・パレス』1989年
人類がはじめて月を歩いた夏だった。父を知らず、母とも死別した僕は、唯一の血縁だった伯父を失う。彼は僕と世界を結ぶ絆だった。僕は絶望のあまり、人生を放棄しはじめた。やがて生活費も尽き、餓死寸前のところを友人に救われた。体力が回復すると、僕は奇妙な仕事を見つけた。その依頼を遂行するうちに、偶然にも僕は自らの家系の謎にたどりついた……。深い余韻が胸に残る絶品の青春小説。
哀しみに打ちひしがれて、人生に絶望している青年の姿に共感とエネルギーを貰える小説だと思います。
どれも素晴らしいポール・オースターの小説の中でも、『ムーン・パレス』が一番好きですね。
ムーン・パレス/ポール・オースター #読了
— みもれ🌼 (@mimorecchi) December 12, 2021
壮大だった。
著者はこの作品をコメディと言ったらしいが、確かに壮絶な3人の男の人生は哀しくどこか滑稽だ。
偶然性の強い作品に感じるが、エフィングに言わせてみれば「偶然なんてものはありゃしない。そんな言葉を使うのは無知な人間だけだ」なのだろう。 pic.twitter.com/VBLY5xGXn3
ムーン・パレス読了。この作品がたまらないのは、絶え間ない虚無への衝動と、幾度も再生する世界との絆の描かれかた。何やら不安にさせられながらも、不思議な暖かさに包まれる
— だいだいメガネ🍊👓️ (@pusttww9741931) April 25, 2011
ポール・オースター『ムーン・パレス』読了
— K432 (@welt_ohne_mich0) August 17, 2018
偶然と喪失の物語。
再生ではなく循環が支配する死の物語。
抽象度は抑え気味、作者曰く「唯一のコメディ」
コメディが「哀しさ」を内包するものならば、確かにこれは良質で純度の高いコメディなのだろうな。
暫し月に想いを馳せ、余韻に浸ろう。 pic.twitter.com/MoRqPBuEWV
84:カズオ・イシグロ『日の名残り』1989年
短い旅に出た老執事が、美しい田園風景のなか古き佳き時代を回想する。長年仕えた卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々……。遠い思い出は輝きながら胸のなかで生き続ける。失われゆく伝統的英国を描く英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
僕はあんまりカズオ・イシグロって好きじゃないんですが、『日の名残り』はそんなこと言ってられない小説です。
読み終わったときに幸福感というか、温かい気持ちになっている。それは良い小説の証拠ですよね。
日の名残り カズオ・イシグロ #読了
— じぇすたー (@pierrot_disturb) June 15, 2019
旅に出た執事が語り手として屋敷の日々を懐古する話。
自らの理想とする「品格」を徹底する振る舞いが時には人と衝突し、誤解されながらも本人はその姿勢を崩さない。
しかし語られる中で、これは本当にそうだったのか?と疑問を抱く様な部分も見受けられる。→ pic.twitter.com/X22OAjALwA
『日の名残り』 カズオ・イシグロ
— ぶっくん@読書垢 (@book_shioriboy) September 5, 2020
沼にゆっくりと沈んでいくような静寂さで物語が進行して行きました。
登場人物の背景が徐々に明らかになっていく様は実に見事で、自分の心の中に少しずつ感情が広がっていくのが心地よかったです🍀#読了 #読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/P1KWzi99c7
#読了
— junko.risu (@junko_risu) September 14, 2021
素晴らしい文章。本筋、メタファー、ロマンス、ユーモア、皮肉、いろんな含みがあり味わい深い。嚙みしめるように読み、そして泣いた。
どんなビジネス書よりも、人生の指南書よりもこういう物語が心に響く。そしてどんな歴史書よりも…いえ、何でもないです。#日の名残り #カズオイシグロ pic.twitter.com/2xLhJuAgRV
85:スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』1989年
仮にドイツが第2次大戦に敗けず、ヒトラーがいまだ死んでいなかったら……。強烈な幻視力によって「もうひとつの20世紀」を夢想した、現代アメリカ実力派作家による最良の小説。
ヒトラーが死んでいなかったら…という歴史改変小説です。
ちょっとこの作品は内容について触れない方がいいと思いますね。読んでみてください。
スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』読了。邦訳とはいえ如何にも外国文学の文体!という粗削りな(?)叙述にふとガルシア=マルケスを思い出してしまう。男がタイプライターを手に入れポルノグラフィーを打ち始めるというビジュアルにグッと来る。タイプライター、いいよね。 pic.twitter.com/NuHlWpLHO8
— まわるフリフリのフリ (@flipflipflip) October 5, 2017
二カ月かかってスティーヴエリクソン「黒い時計の旅」読了。悪とか善いおこないとか人間とか。言葉にはできない感情とかを小説は感じさせてくれる。
— tkmd5 (@qqchaaanqq) December 26, 2010
「黒い時計の旅」スティーヴ・エリクソン 読了。
— スミルノフ (@dedicated2t) October 12, 2018
黒いブーツを履いた兵士が右手を高くあげ敬礼する。主人公はそんな彼らを嘲笑い地面に唾を吐き、唾液で物語を綴る。
黒いウィーンの夜に、歴史のしもべたる者が射殺され冷たく凍結される。卑猥な夜の口が部屋中に笑い声を響かせた。 pic.twitter.com/ZustLAAXlj
86:ミラン・クンデラ『不滅』1990年
美しい女性アニェスと愛に貪欲な妹ローラ、文豪ゲーテとその恋人ベッティーナ…。さまざまな女性たちが時空を超えて往きかい、存在の不滅、魂の永遠性を奏でる愛の物語。20世紀文学の最高傑作。
クンデラの小説を読んでいると、「この作者頭いいんだろうなー。馬鹿な僕にもわかるように書いてくれよ」なんて思います。難しいですし、理屈っぽい。
それでも読むんだから不思議なんですよね。ホントに…
クンデラ『不滅』を読んだ。愛、歴史、身体、文豪ゲーテとその恋人ベッティーナについての話、顔、神を信じるかという娘の問いに対して「創造主のコンピューターを信じている」と答える父親。
— レナ子 (@tsuitta_yametai) November 6, 2014
非常に重層的な、素晴らしい作品だった。
クンデラ/不滅#読了
— みつ (@shimahikari3) August 16, 2021
濃いっ!!
「クンデラの脳内をひたすら言語化しました!」っていう感じ。
それを日常に投影し、さらに小説にしているのだから凄い。
そして面白い!!←重要w
「生きることには何の幸福もない。(中略)しかし、存在すること、存在することは幸福である」
ちょっと楽になる pic.twitter.com/CRBw03eihc
クンデラ「不滅」。いろんな女性が、老い、死、で不滅、について、思わせぶりに語っていく。
— あゆむ (@ayumusic) June 23, 2010
87:残雪『カッコウが鳴くあの一瞬』1991年
わたしは駅の古いベンチに横になっていた。わたしにはわかっている、カッコウがそっと三度鳴きさえすれば、すぐにも彼に逢えるのだ。「カッコウはもうじき鳴く」とひとりの老人がわたしに告げた……。姿を消した“彼”を探して彷徨い歩く女の心象風景を超現実的な手法で描いた表題作。毎夜、部屋に飛び込んできて乱暴狼藉をはたらく老婆の目的は、昔、女山師に巻き上げられた魔法の靴を探すことだった……「刺繡靴および袁四ばあさんの煩悩」ほか、全九篇を収録。『黄泥街』(Uブックス既刊)が大きな話題を呼んだ現代中国作家、残雪の独特の文学世界が最も特徴的にあらわれた初期短篇を精選。夢の不思議さにも似た鮮烈なイメージと特異な言語感覚で、残雪ファンにとりわけ人気の高い一冊。付録として、訳者による作品精読の試み「残雪―夜の語り手」を併録した。
僕が好きな作家はカフカとガルシア=マルケスです。それなら残雪はぜひ紹介しておこうと思いました。
読んでいると現実と幻想が混ざり合ったような独特の世界観に迷い込みます。好き嫌いはわかれそうですが、好きな人はがっつりハマりそう。
【新刊】
— 白水社 (@hakusuisha) May 16, 2019
[白水Uブックス]
『カッコウが鳴くあの一瞬』
残雪著/近藤直子訳
『黄泥街』で話題沸騰、残雪の不思議な世界。
「彼」を探して彷徨い歩く女の心象風景を超現実的な手法で描いた表題作ほか、夢の不思議さを綴る夜の語り手、残雪の初期短篇を集成。https://t.co/lUelK7de2T pic.twitter.com/XBWQhBeZag
残雪の短編集『カッコウが鳴くあの一瞬』が5月に白水社から発売されるとのこと。中国のカフカと形容されたりする女性作家ですが、読んでいると現実とも幻想ともつかない感覚に引き込まれる。言葉の構成がほんとかっこいい。(訳も素晴らしい)アンナ・カヴァンの世界が好きな方にもお薦めしたいです。 pic.twitter.com/DTQPSoejbN
— Spica Books (@SpicaBooks) March 29, 2019
残雪『カッコウが鳴くあの一瞬』(白水Uブックス)。この作家の特徴である、たえず辻褄がズレていく、まるで夢でも見ているような感触がよくうかがえる短篇集。ぼくは、残雪こそ(おそらく残雪だけが)カフカを純粋に受けついでいる作家だと思う。 pic.twitter.com/Neb0hqp5gW
— 牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 (@ShindyMonkey) June 12, 2019
88:マイケル・オンダーチェ『イギリス人の患者』1992年
『イギリス人の患者』はとにかく文章がいい。翻訳でも充分に伝わってきます。そしてストーリーもいい。「さすがブッカー賞受賞作」と言いたくなります。
悪いところは絶版プレミアというところだけ。文庫化もされて絶版プレミアはちょっと残念。
舞台は第二次大戦下のイタリアの僧院。北アフリカの砂漠に不時着したパイロットが収容され、手当を受けている。「イギリス人の患者」としか身元を明かさない彼は、全身に火傷を負い、容貌も不明、記憶も喪失している。だが、瀕死の患者が若い看護婦に語り紡ぐ言葉は、この上なく深くミステリアスな愛の世界だ。美しい文章と濃密なストーリーで大きな話題を呼んだブッカー賞受賞作。
https://www.shinchosha.co.jp/
『The English Patient(イギリス人の患者)』
— AKIRA (@AKIRA62848312) July 11, 2021
詩的で綺麗な文章という、どストライクの小説です。物語で読者を惹きつけるというよりは、様々な描写で読ませる作品です。
地の文が詩的で難しく、一度読んだ後はすぐに色々と読み直しました。#洋書 #読了 pic.twitter.com/96of373QcK
『イギリス人の患者』読了。幻惑的でポリフォニックな語り口の中に人物像が徐々に浮かび上がってくる様は、クンデラやフォークナーを思わせる風格がある。流石はブッカー賞を得ただけある。
— FanMarlen (@FanMarlen) April 15, 2011
オンダーチェ『イギリス人の患者』読了。まっくろなキャンバスに、注意深くゆっくりと絵の具を載せていくようなこまやかな文章。細部ばかりが目に浮かぶような。うつくしいけれどおそろしかった。
— akahoshitomoka (@akahoshitomoka) December 13, 2010
89:リディア・デイヴィス『話の終わり』1994年
年下の男との失われた愛の記憶を呼びさまし、それを小説に綴ろうとする女の情念を精緻きわまりない文章で描く。「アメリカ文学の静かな巨人」による傑作。『ほとんど記憶のない女』で日本の読者に衝撃をあたえたリディア・デイヴィス、待望の長編!
https://sakuhinsha.com/oversea/23053.html
主人公の女性が12歳下の学生との恋愛の終わりを小説にするという小説です。まあ話の筋はしょうもない。
主人公の女性は大学で教えているのに学生との恋に夢中。恋人に捨てられても未練タラタラ、不満ツラツラ。
そんな話しを読まされても嫌な感じは全く無い。むしろ心地よさすら覚えます。これは作者の力量の高さゆえでしょう。
30代なかばの女性大学講師が12歳年下の学生との恋の終わりを、時間をかけ、記憶を検分し、情緒を排しながら小説にしていくという小説、L・デイヴィス『話の終わり』(作品社/岸本佐知子訳)。すごく痛ましいけどどこか可笑しい、不思議なメタ恋愛小説だった。
— 江南亜美子 (@ami_ena) December 7, 2010
リア・デイヴィスの話の終わり。文章がすごく好きだった。一つの言葉に含みを持たせず熱も持たせずに、ただ一つの意味に限って使う書き振りは、私の過去の記憶への観察と考察とが、文体と数学的なイコールになるような印象。その正確を目指す動機は過去の記憶を慈しみ且つピリオドを打つ為の意志かと。
— 時任謙作 (@OoinaruRainTree) October 3, 2016
リディア•デイヴィスの「話の終わり」は、若い男に捨てられた女の未練と愚痴が延々と200ページ以上も続く小説だが、話なんかないくせに何故かやめれなくなる。はまる。未練がましい人はきっとはまります。どこから読んでも同じだ。なのに飽きない。というか飽きても少し経つとまた読みたくなる。
— 佐藤銀平 (@gimpei_sato) August 30, 2011
90:アゴタ・クリストフ『昨日』1995年
村の娼婦だった母の子として生まれたトビアス。ある事件を契機に、名前を変え、戦争孤児を装って国境を越えた彼は異邦にて工場労働者となった。灰色の作業着を身につけ、来る日も来る日も単調な作業に明け暮れるトビアスのみじめな人生に残された最後の希望は、彼の夢想のなかにだけ存在する女リーヌと出会うこと……。『悪童日記』三部作の著者が自らの亡命体験を元に、幻想と不条理を交えて描く「不可能な愛の物語」。
https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310035.html
アゴタ・クリストフ『昨日』はもう…ラストが忘れられないんですよね。
日本人に馴染みのない「亡命文学」でもこの主人公の姿に哀しみを覚える人は多いと思います。みんな何かを捨て、何かを諦めて大人になっていくんでしょうか。
アゴタ・クリストフ『昨日』 #読了 貧困、殺人、亡命、工場労働、幼馴染で異母妹への恋、破綻。そんなストーリー全てが灰色の印象。クリストフの、形容詞のない、現在形の多い、あのシンプルな文章で書かれるからこそ成立している文学。『悪童日記』の神がかったインパクトにはそりゃ及ばないが素敵。 pic.twitter.com/JR1EtmU9fQ
— shiro@Springbank (@shiro_bank_bank) October 2, 2019
アゴタ・クリストフ「昨日」(堀茂樹訳、早川書房)読む。
— 赤目 (@akamenomenoaka) December 26, 2020
「悪童日記」以下3部作の記憶はすっ飛んでいるが、そうそうこんな陰鬱で寒々しい感じだったっけな。異国への亡命と異文化・異言語の中での生活、そんな中で「書く」ということ、浸潤されること。語り手に騙されないかと気を張ってもうた。#読了 pic.twitter.com/vS0OO3RcEI
アゴタ・クリストフ『昨日』ハヤカワepi文庫
— COS@読書垢 (@56YIt1xZ7r5pMy3) October 14, 2019
最も悲しい小説。国、母語の喪失というのは自分には計り知れない。ただ最近「避難とは住民に生活を根こそぎ捨てさせることだby 里見臨時総理」の行き着く先かもなんて思うし、居場所に悩む人はリアルに共感するだろう。美文、読み易さもおススメ◎#読了