貧乏サヴァラン(森茉莉)のあらすじ・解説・感想

貧乏サヴァラン(森茉莉)の作品情報

タイトル
貧乏サヴァラン
著者
森茉莉
形式
エッセイ
ジャンル
料理
執筆国
日本
版元
筑摩書房
執筆年
不明
初出
不明
刊行情報
ちくま文庫、1998年

貧乏サヴァラン(森茉莉)のあらすじ

家事はまるきり駄目だった茉莉の、ただ一つの例外は料理だった。オムレット、ボルドオ風茸料理、白魚、独活、柱などの清汁…江戸っ子の舌とパリジェンヌの舌を持ち贅沢をこよなく愛した茉莉ならではの得意料理。「百円のイングランド製のチョコレートを一日一個買いに行くのを日課」に、食いしん坊茉莉は夢の食卓を思い描く。垂涎の食エッセイ。

貧乏サヴァラン(森茉莉)の目次

  • 貧乏サヴァラン
  • 食い道楽
  • 茉莉流 風流
  • 味の記憶
  • 私のメニュウ
  • ドッキリ語録
  • 編者あとがき

作者

森茉莉 もり・まり(1903年1月7日 – 1987年6月6日)

小説家、エッセイスト。東京市本郷区駒込千駄木町出身。森鷗外の長女。幻想的で優雅な世界を表現することに優れており、主な著作には『父の帽子』『恋人たちの森』『甘い蜜の部屋』などがある。また、独特の感性と耽美的な文体を持つエッセイストとして、晩年まで活躍した。
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貧乏サヴァラン(森茉莉)の刊行情報

  • 『貧乏サヴァラン』ちくま文庫、1998年

貧乏サヴァラン(森茉莉)の感想・解説・評価

食についてのエッセイを集めた選集

家事がまるきり駄目だった森茉莉は生活能力も低く「子どもがそのまま大きくなったような人」と評されたこともある。結婚するまで父親・森鴎外に溺愛され、膝の上で食事をしていたというエピソードは有名だが、お嬢様として育ったため自分で家事をする機会もなかったのだろう。ただ、彼女は食に対する関心は幼いころより高く、唯一料理だけは得意としていたようだ。

彼女は並のお嬢さんぶりではなかったが、その食いしん坊ぶりもまた並ではなかった。何しろ、十六歳の森茉莉を大金持ちの山田家に嫁がせるときの父・鷗外のセリフが、「山田へ行けばお茉莉が西洋料理をうんとくうだろう」というものだったのだから。

『貧乏サヴァラン』ちくま文庫、第十四刷

その食欲は収まることを知らず、自分で料理をする年齢になっても食べることは大好きだったようだ。彼女が文筆活動を始めたのは50歳を超えてからだが、小説やエッセイには食事のシーンや料理についての記述が多く含まれている。

本書は料理について書かれた様々な文章を集めたものだが、その内容は紅茶、ビスケット、ジャム、シュークリーム、卵料理、シチュー、お酒、ドイツ料理など多岐にわたる。また後半にはとある一日の食卓に並んだメニューを数日間にわたって再現。これだけでも食を楽しんでいる様子が伝わってくる。

合わせて読みたい本

美味礼賛

本書のタイトル『貧乏サヴァラン』のうち、貧乏は同じくエッセイの『贅沢貧乏』からだろう。ではサヴァランは?と考えるとおそらく『美味礼賛』を書いたブリア=サヴァランからだろう。食通として知られたブリア‐サヴァランも同じく、食に関する哲学的考察を記したエッセイをのこしている。

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貧乏サヴァラン(森茉莉)の評判・口コミ・レビュー

この記事を書いた人
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平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。
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